共栄丸・千葉県富浦港
ヒット連発!ティップランで狙う千葉県・富浦沖のアオリイカ!!
釣り場は港の目と鼻の先!
出掛けたのは12月11日(火)。まだ薄暗い中、出船準備をしていた笹子宏宣船長が、「ここ数日間シケが続き、底荒れが心配ですが何とかなるでしょう!」と頼もしい言葉で迎えてくれた。この日はティップランを得意とする常連さんが3人集まり、私を含め4人が乗船して朝6時半の定刻通り出船した。航行約5分、「まずはここからやってみましょう!水深17m、水温は15度です」と開始の合図。釣り場は港からまさに目と鼻の先。ここでようやく東の空から太陽が顔を出した。美しい日の出が見られるのも釣り人の特権だ。
ティップランって?
ティップランを簡単に説明すると、中オモリを使わずに重い(40g前後)エギを使ってアオリイカを狙う釣り方だ。感度が良く、ソフトなロッドティップ(竿先)を備えながら、エギをキビキビと動かせられる専用ロッドと極細PEライン(0.4~0.8号)の組み合わせでダイレクトにイカを釣るエギングの派生形だ。最大の特徴は、“船アオリ”や“エギング”では判らなかった微妙な“触り”や全く手元に伝わないシグナルを繊細なロッドティップで捉え、その微かな動きだけを見て積極的に合わせて行くところ。「竿先がスッと走るようにアタるのでティップランというんだよ」と船長が教えてくれた。使用タックルやその他詳細は、タックル図を参照して欲しい。釣り方も実にシンプル。エギを海底まで落とし、底が取れたのを確認してから5回程巻きシャクリ、そのまま暫くステイ(完全に止める)、その時に出るアタリを取る。もしアタらなかったら再度ラインを出して底を取り直しての繰り返しが基本。シャクる回数やステイの時間は状況次第だ。
開始早々にヒット連発!!
この釣りは、常に潮の流れる一方向にラインを出してエギを流してシャクるので、片舷しか釣り人を乗せられない。この日は風向きと潮向きを考え、釣り人は左舷側に並び、更に船長も一緒に竿を出した。朝イチは潮の流れもイマイチだったが、開始直後にミヨシ(船首)の川端良浩さんに1㎏前後のグッドサイズがヒット。しかもエギを抱いたアオリイカと一緒に、船縁まで追い掛けてきたもう1尾のアオリイカはそれよりも一回り大きなサイズ。すぐに船長がエギを投入したが、残念ながらそのイカは海中に消えてしまった。しかし、その状況を見た船長、「底荒れしていたらあんなイカの活性は無いよ!今日は大丈夫だ」と皆にハッパを掛けた。その直後に船長の言葉を証明するように3連発したが後が続かず、”ランガン(釣っては移動の繰り返し)”。しかし、移動先でもポツポツではあるが確実に釣果を伸ばす面々。流石は『第三共栄丸』の常連さん。 釣り場は主に、カケ上りやカケ下がりの地形変化や根の絡む場所が中心だ。
この日のアタリパターンは!?
次第に潮も流れ出し、エギが船から遠ざかって行くようになった。待ち侘びたベストコンディションに近い。となれば、当然手練れたちにヒットが続く。大ドモ(船尾)に入った上田昌美さんは「シャクったエギのステイ後にモワッとしたアタリが連発しました」。胴の間(中央)に入った菖蒲光治さんは「ティップがポンッと戻ったり、抑え込むような微妙な変化もあった」。ファーストアオリをゲットした川端さんは「穂先がクッと数センチ入るとか、その幅で戻るとかの本当に小さなアタリが多い」とそれぞれが教えてくれた。各自のエギのカラーローテーションの基本は「光量の少ない時は派手に光が多ければよりナチュラルに」ということだが、意外にも「でも個人的な好み(実績のある)で使うことが多いですよね」との事。重さだが、30gを基本として底が取れるギリギリの重さをチョイスする。後は潮の速さや風などの影響で重くすれば良いとの事。
ティップラン初体験!!
しばらく続いた好条件。良い群れに当たりイカの活性も高かったのか、度々訪れる“時合”に皆バタバタと良型アオリイカをキャッチしていった。しかし、お昼前には再び潮が流れなくなりアタリも減ってしまった。そんなタイミングで私も竿を出した。エギングは経験済みだが、ティップランは初体験。しかし、船長や皆さんが丁寧に教えてくれたおかげで釣り方に迷いはなかった。教えられた通りに一旦エギを着底させ、3回の巻きシャクリの後、そのままのロッドポジションで待つ。この瞬間、ロッドティップに全神経を集中、僅かな変化や違和感があれば即座に合わせる。しかし、ティップは常に波や風で揺れている。そんな中でイカの“触り”や小さなアタリを捉えるのは中々難しい。「空合わせでも良いから、怪しいと思ったらバシバシと合わせてみて下さい!」と川端さんにアドバイスを頂くが、確証が持てる変化が判らない。だが、落し直しのためラインを出してエギを着底させ、シャックったその直後、一瞬ロッドにイカらしき重さが伝わったがすぐにフッっと軽くなってしまった。そう、バラしたのだ。「あぁー、今のは確実にイカでしたね~惜しかった!」と船長。その後、残念ながら私は丸ボウズという結果に。「でも“時合”を逃してから釣っていたんだからしょうがないですよ!」と、皆さんに励まされたがやはり悔しい。リベンジを約束した。
ティップラン恐るべし!!
結局、その後も潮はあまり流れず厳しい条件が続いた。だがそんな中でもポツポツと確実にイカをカケていた皆さんは「さすが!」の一言。私を気遣って、船長は1時間も残業してくれた。感激と申し訳なさで一杯だった。最終的には川端さんが1㎏のグッドサイズを頭に12尾でトップ。菖蒲さんが10尾。上田さんが6尾という成績。その他、スミイカやモンゴウイカも交じり、ティップランの威力をまざまざと見せ付けられた一日となった。今後はアオリイカも更に大型になり、群れも固まり釣りやすくなると言う。ティップランを始めるには最適。是非『第三共栄丸』に遊びに行こう!!
(鈴木 恭介)
今回利用した釣り船 |
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富浦港:第三共栄丸 〒299-2404 千葉県南房総市富浦町多田良880 TEL:0470-33-2116 定休日:第2・第4(木曜日) 詳細情報(釣りビジョン) 第三共栄丸ホームページ |
出船データ |
出船時間:午前船・06時30分出船~12時沖上がり 午後船・13時30分出船~18時沖上がり 乗船料金:午前船7000円・午後船6000円・1日船1万2000円(全て氷付き) |