2023年01月11日公開
和歌山県下のヒラスズキのハイシーズンは10~12月と4~6月である。今の時期は、産卵を控えた大型のヒラスズキは深場に落ちてしまうので、釣ることは難しい。しかし、このようなコンディションの中でも磯に残っているヒラスズキはいる。僅かなチャンスを求めて釣り場に向かった。
魚影の濃い“中紀”エリアからスタート!
日の出と共に始動。まずはこれまでの経験を糧に“中紀”の紀伊日ノ御埼付近の地磯に向かった。この場所は魚影が濃いため釣果につながる可能性が比較的高い。紀伊水道に面した広大な磯であり、ポイントも豊富だ。
釣行日は大潮。満潮から下げ潮に向かう時間帯で、風速は北西風8m程のコンディション。駐車場でウエットスーツに着替えて目的の磯に向かう。目標に決めた釣り座へは1時間程掛かるが、その道中の磯は全てがポイントなので丁寧に釣り歩きながら向かった。
激渋!バイトすらなく時間が経過していく
道中の磯も含め、“サラシ”はよい感じなのだが、如何せんベイトが寄って来ていない。磯でのヒラスズキの定番コースである“ゴールデントライアングル”も攻めていくが、全くバイトがない。“ゴールデントライアングル”とは下記の画像のように“サラシ”の中に3点の“シモリ”が入っている場所を指し、その中央にヒラスズキが潜んでいる可能性が高い。
「粘るか、諦めるか」。冬の釣りには何より粘りが必須だが、残念だが、今日は釣りを諦めることにした。ヒラスズキは風よりも“サラシ”よりもベイト。ベイトが寄っていないことには話にならないからだ。
一旦帰宅したが、諦め切れず再び釣り場に…
昼過ぎに帰宅してふて寝をしていたが、15時頃に目が覚めた。と、同時に釣れずに帰って来た事に対する後悔が襲って来た。そして、今年の1月2日に60cmと40cmのヒラスズキを釣り上げた、“南紀”の河川に行くことを思いついた。まだ好調が続いているかも知れない。ヒラスズキは磯で釣る方が間違いなく楽しいが、河川でも十分楽しめる。今から車を走らせれば“南紀”の河川に夕マヅメまでには到着出来ると思い車を走らせた。到着したのは目的河川の河口付近。ここは川幅の小さい小規模なポイントだが、隣接するサーフとともに実績のあるポイントで周年ベイトも豊富に見られる。
imaのsasuke SF-75を選択し表層付近から攻めた。魚がいたるところでボイルしているが喰って来ない。ボイルの大きさから魚のサイズが小さいと判断。ルアーのサイズダウンを試みることに。
「ここまで来てボウズはあり得ない!」と、小さなルアーを投げる為に、思い切ってアジングタックルに持ち替えた。ジグヘッド3gのグラスミノーSで表層を流していく。このグラスミノーSは、2月頃から姿を見せる稚アユと同じくらいの大きさだ。一足早く遡上を始めようとしている稚アユなどのマイクロベイトにヒラスズキが付いていることに期待してキャストを繰り返す。「何でもいい。釣れてくれ!」。気持ちが通じたのか待望のバイト!釣れて来たのは、狙っていたヒラスズキ、いや“ヒラセイゴ”である。サイズに関わらず釣れた事を喜べる気持ちは大切だ。30cm程の小さな魚だったが、アジングタックルなので丁寧にランディング。素晴らしいファイトと美しい魚体を拝むことが出来た。その後も同じ釣り方で30cm前後の“ヒラセイゴ”3匹釣り上げて納竿した。
今回の釣行と今後の期待
この時期は、確かにヒラスズキのシーズンからは外れている。しかし、これからの“南紀”はシラスウナギや稚アユの遡上が始まりハク(ボラの稚魚)も姿を見せ、フィッシュイーターが活発に動く季節に入る。ヒラスズキも例外ではなく、産卵に参加しない個体が活発にベイトを追うはずだ。今回の“ヒラセイゴ”を釣ったようなマイクロパターンの釣り方はきっと活きてくるはずだ。