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至福の時間!イカの街でアオリイカ&ササイカ「九州釣り旅・佐賀県編」

2023年03月03日公開

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日本三大朝市の一つ「呼子朝市」で知られる佐賀県・呼子。イカの街としても名高く、街はどこを見ても「イカ」の文字で溢れていた。目の前に広がるのは雄大で自然豊かな玄界灘。空路九州に向かったが、強風が吹き荒れて飛行機は大揺れ。不安の中で始まった今回の「九州釣り旅」。しかし、向かった先には…過去最高級の釣りが待っていた。

【この記事を書いたライター】SHOHEY

爆風、小雪チラつく極寒の呼子は厳しい状況

呼子に最も近い福岡空港に着いたのはお昼少し前。前日に九州では「春一番」が吹いた。この日も大風。しかも前日から5℃以上も気温低下と来たもんだ。寒波が再びやって来たのだ。今回はエギングとアジングで九州を周る旅を計画した。もう不安しかない。ここまで来て“オデコ”では悲しすぎる…。
事前にネットを漁って、出来る限りの情報を集めて来たのだが、やはり地元の旬な情報を得る為にまずは釣り具店へ。九州で有名な『まるきん』さんだ。福岡空港から呼子へ向かう道中には『まるきん糸島店』がある。店内に入ると目の前に広がるはエギコーナー。その品揃えと来たら…正に圧巻の光景だった。そこには「ササイカ」、「アオリイカ」の文字が。この時期、九州北部にはササイカ、関東で言うヤリイカの群れが入ってくる。所狭しと並んだエギやスッテ達。イカ釣りと言っても様々な仕掛け、釣り方がある。その地ならではの仕掛けを見るのも実に楽しい。
早速店員さんに声を掛け、「これから呼子に向かい釣りをしたい」と伝えると、陳列棚からポンポンポンとエギやワームを選んで持って来てくれた。そして何も分からない私達に、丁寧に実に分かりやすく説明してくれる。そして釣り場の情報も惜しみなく教えて頂いた。この土地が初めてという人には、これ以上の“おもてなし”はない。店員さんお勧めの最強カラーのエギを購入して早速呼子へと向かった。

呼子に到着。作戦会議には地元の美味しい酒と肴
呼子に着いたが爆風、極寒。何とか風裏になるポイントを選んで夕マヅメ狙いでエギを投げる。悪天と平日という事もあり、釣り人の姿もほとんどなかった。お会いした地元の釣り人に声を掛けても「今日は釣れないね~」。気付けば白い粒が…。アラレが降り出していた。エギを付け替える手もかじかんだ。旅の初日は日暮まで頑張ってみたがアタリもなく終了となった。
しかし「ここまで来たんだ!へこたれてなんていられない!」。切り替えの早い私達は、その夜、地元の美味しいお酒と肴を頂きながら、明日からの作戦会議を始めたのであった(笑)。

最強島!「加唐島」へ。そこには驚きの魚影が!

前日の作戦会議の結果は?「思い切って離島に渡ろう!」だった。私達は数ある離島の中から「加唐島」へ渡ることにした。
朝一番のフェリーに乗り込む。乗り場に着くと前日とは打って変わって、釣り人が続々と乗船していた。次々に船に積み込まれる釣り具を見ていると、圧倒的にフカセ釣りなどのグレや“青物”狙いが多いようだ。そんな中、唯一アジングのロッドを持ったお兄さんが乗り込んで来た。どうやらアジングは私達とお兄さんだけのようだ。「釣れるといいよね~」などと話していると、20分足らずでアッという間に加唐島に到着。今日一日の釣行にワクワクせずにはいられなかった。島に足を踏み入れると、迎えてくれたのは島民ではなく多くの猫達。これが何とも人懐っこくカワイイのである。

今まで見た事ないほどのアジの大群
加唐島はフェリーを降りた場所から多くの堤防が連なり釣り場も多い。何よりも徒歩で行けるポイントが点在しているのが嬉しい。タックルさえ持ち込めば車がなくても1日中釣りが楽しめてしまう。
早速海を覗くと魚の姿が…。フェリーを降りて1分も歩かない所でアジングのお兄さんが足を止めた。早速アジ発見!である。私達も少し歩き、アジが見えたポイントで釣りを開始した。ワームを投げるとアジ達がチェイスしてくるのが見える。投げては歩きを繰り返し、ランガンしていくと何やら堤防の角に黒い影が。よ~く見ると今まで見た事ないほどのアジの大群である。そう、一面アジ!アジ!アジ~!「何じゃこりゃ~」。これを見てテンションの上がらない人はいないだろう。本当に凄い数である。
早速釣具店で勧められたグロー系でテイルの長めのワームを投げる。するとすぐにアタリ。ワームに喰いつく瞬間が全て見えるのだから楽しくて堪らない!
あまりのアジの数に、アジングお兄さんに「ここめちゃくちゃいますよ~」と声を掛けた。お兄さんもすぐに来て一緒に釣り開始。
全般に小さめのサイズが多かったが飽きない程に釣れ続いた。目視できるアジの中には30cm級の大型もいるのだが、海水温が低いせいもあってか底の方でじっとしている感じ。それにしても、このアジ達のやる気スイッチが入ってしまった時には、どうなってしまうんだろう?と思ってしまう数である。ランガンを続け歩き続けたが、アジのいない場所はない程だった。
アジングお兄いさんが以前来た時には、正にやる気アジが沢山いて、尺(約30cm)近いアジが大量に釣れたとの事。「もう少し海水温が高ければ…」な~んて贅沢な考えもよぎったが、関東から釣行の私達にとっては、この時期にこんなにも魚に出会えるなんて正にパラダイス!である。

 

午後からエギングへ!イカ釣りとはそう甘くはないのか?!

大好きながら苦戦を強いられているエギング。エギングを始めてから4ヵ月が経った。この九州釣行はササイカにアオリイカ。「どうかどうか1杯でいい!」という思いで、この地を選びはるばる来たのだった。
自分なりに出来うる限りの用意をして来た。ササイカを釣るスッテに、“邪道エギ”なるもの、小さめのエギがよいと聞いていたので1.8~2.5号までの小さな目のエギも多く用意した。まずは今回初めて使用する鶏のササミを巻き付けて使う“邪道エギ”なるものでスタートした。ササミを巻き付けている事もあるのか、結構な重量感である。フォールの速度も速めだった。「派手なアクションはササイカの群れを散らしてしまう」というアドバイスを釣り具屋さんで聞いていたので、タダ巻きで様々な層を探っていく。「ん~反応はない…」。
ひたすらランガンをしていく。隣でアジを釣ってニコニコドヤ顔の相方がこっちを見ている。「く~、絶対先にイカ釣ってやる~!」。すると、ぐ~っと何やら凄い重量感。「これ来たのか?」。半信半疑ながらとりあえず「キター!」と相方に叫んでみた(笑)。すっ飛んでやって来た相方。竿の曲がりが凄い。海面に何やら茶色い物体が!「アオリか?色はまるでアオリ!」。いよいよ上がって来たモノはまるでアオリカラーの藻がたっぷり付いた「石!」。ガックシ…。もうこれは笑うしかない。堤防には私達の笑い声が響いた。この時「いくら遠くに来たって、そんなに甘くまいよな~」とイカ釣りの難しさを痛感していた。

加唐島マジックアワー!イカたちは私たちに微笑んだ~!
フェリー最終便は16時30分。残り2時間!「私はイカを釣りたいのじゃ~。最後の最後まで足掻こうではないか!」と心を決めた。最初の場所に戻ってランガンし直すことに。
まずはずっと我慢していたトイレへ。すると携帯が鳴った。そこには相方から一言「アオリいる」のメッセージ!私は今日イチの慌てっぷり。トイレからダーッシュ!そこには目視できるだけでも5杯のアオリが…。心臓がバクバクした。2号のグリーンカラーのエギをセットして、“見えイカ”のちょっと奥にキャスト。アピールを強めにいれて群れに近づけると、1杯のアオリが興味を持ったようで近づいて来た。緊張のあまり息をするのを忘れてしまいそうだ。「くう~惜しい!もう一度!」今度はもう少し遠くにキャスト。すると、すう~っと2杯のアオリがエギへ!そして遂にその内の1杯がエギに抱きついた!「今なのか?今なのか??」と、半信半疑ながら合わせを入れると、同時に墨噴射!「キター!」。遂に来たのだ。エギングで一番やって見たかったサイトフィッシングでのイカ釣りが実現したのだった!

さあさあ、まだまだアオリは見えている!

もう一丁エギをキャスト。すると今度は1度目のシャクリで掛かった。奥にもアオリはいたのか?と思っていると、上がって来たのはなんとササイカ!「これはもしや、あの爆釣するというササイカの群れが入って来たのではないのか!?」。 イカを釣り上げる私を見て相方もすっ飛んで来た。まずは渾身のドヤ顔でお出迎えした。(笑)。
ここからが凄かった。私と相方の投げるエギには必ずイカが…。しかも5、6杯のイカを引き連れて掛かってくるのだ。投げては釣れ、投げては釣れ、の時間が続く。言葉を交わすのも忘れて必死な時間は続いた。40、50分の時合いだった。怒涛の入れ掛かり時間は終わったが、それでもポツリポツリと釣れている。「何なんじゃ~凄いぞ!加唐島」。
そして残り時間30分を切った辺りで、群れも動いたのではないかと思い、少し場所を移動してみる事に。力の限り遠くを狙ってキャスト!ボトムをしっかりとり、予習してきた事を思い出して丁寧にシャクリを入れる。すると今日一番の竿のシナリ!!「お、重い…石か?」。頭をよぎったがグングンと引く生命反応が…。「これは石じゃない!」と確信した。上がって来たのは良型のアオリだった!言葉にならないとはこの事かと思うほどの嬉しさだった。

加唐島よ!玄界灘よ!このポテンシャルは計り知れない

今までの海釣り人生の中で一番記憶に残る釣行となった事は違いない。多くの魚達と地元の人々との出会いは、この地に立たなければ叶わなかった事だ。そして、まだまだ初心者のエギンガーが、こんなにも釣果を上げられたのは、間違いなくこの地のお陰である。豊かな自然とそれを守る地元の人たちによって、この素晴らしいフィールドが存在する。
魚影の濃さには驚きしかなかった。皆さんにも是非この魚影を実際に見て「スゴーイ!」と叫んでもらいたい。遠くても足を運ぶ価値のあるフィールドが待っている。「加唐島よ!玄界灘よ!楽しい時間をありがとう~」。あの景色を忘れることが出来ない私達は、また必ずやこの地に戻って来るだろう。

施設等情報

■呼子
福岡空港から西九州自動車道で1時間30分
佐賀空港から長崎自動車道で1時間40分

■かから丸 加唐島フェリー(呼子~加唐島20分)
有限会社加唐島汽船
佐賀県唐津市鎮西町加唐島464-2
TEL:0955-82-9366 有限会社加唐島汽船ホームページ

施設等関連情報

つり具のまるきん 糸島店
福岡県糸島市二丈上深江973-1
TEL:092-325-8088
24時間営業
つり具のまるきん 糸島店ホームページ
     
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この記事を書いたライター

SHOHEY
鮎にゾッコン!ずっと川に浸かっていたいと思う日々を過ごす。3~4月は渓流釣り、5~10月の休みは全てを鮎釣りに捧げ、全国各地を「鮎な夏!」で駆け巡る。主催するアウトドアの団体にて、キャンプや釣り初心者のためのイベントなども開催。
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