福田丸・千葉県外川港
千葉県・外川沖、真っ青な海に浮いたメヌケの“提灯行列”!
釣り場まで、暖房の利いたキャビンで一眠り
午前3時港に集合。係留船の前が駐車場になっている。釣り座はくじ引きで決める。乗船者は私を含め5人。全員が右舷に並ぶ。大型電動リールや大型クーラーボックスを女将さんに手伝って貰いながら、船に積み込む。準備が済んだ所で出船。暖房が利いたキャビンに潜り込み、ウトウトしていると、「そろそろ準備して下さい。慌てなくても良いですよ」と言う船長からのアナウンスで釣り座に戻った。
道糸が1色出たところで、次の人へ投入合図!
辺りはようやく白みかけてきたが、生憎空模様はどんより。黒雲が真上に近づき、霧雨が頬に当たる。カッパを着こんでの釣り準備。仕掛けの掛け枠のハリに直接イカ餌を刺し、投入合図を待つ人、船縁にハリを並べて投入合図を待つ人、其々だ。
船長から、「準備は良いですか。トモ(船尾)からやります。構えて下さいよ!はい、どうぞ」。船長の合図で投入開始。道糸1色(10m)出たところで次の人へ合図し、順々に投入していく。ここで、船長から細かな注意。「オモリは底を引き摺らない様にして下さい。底ダチをしっかり取って下さい。糸は伸ばしてはダメですよ」。
ゲストにメダイ
第1投。桜井重信さん(練馬区)は着底から10分もしないうちに巻き上げに入った。大型電動リールがウナリを上げる。船長が「少しは重量感有りますか?」。桜井さんは、「有る、有る。ガンガン引いているよ」。その言葉に皆の視線が集中する。期待に胸を高鳴らせ、上がって来たのは、サメでガックリ。それも2匹のサメが掛かっていた。重いわけだ。次の投入時も桜井さんが最初にリールを巻き出した。最後まで強い引きで上がって来たのは、目測3kgのメダイ。いつの間にか雲が切れ、青空になっていた。
突然、その時がやって来た!
4投目、突然その時がやって来た。関根啓二さん(佐倉市)の道糸が自分の前の方へ伸びていく。「もしかすると…!!」。私は身構えた。「あー浮いた…!」。仕掛けにメヌケが3匹連なってポカーンと浮いた。「おめでとう。良かったよー、俺も責任まぬがれたよー」と船長。私を虜にした光景が目の前に出現したのだ。「やった、やった!」。隣の斉藤栄さん(松戸市)もリールを巻いている。殆ど同時に巻き出したが、重そうにゆっくり巻き上げている。船縁から7、8m前方にメヌケが浮いた。何匹付いているか、1ッ、2ッ、3ッ、4ッ。4匹がポッカーンと泡を吐きながら浮き上がった。これこそメヌケ釣りの大きな魅力。500号のオモリをメヌケの浮力で浮かせたのだ。ドサッ、ドサッと足元に取り込んだ。
2流しで9匹の“提灯行列”!
斉藤さんは、次の5投目にも、5匹の提灯行列を連続で達成した。真っ青な海面に真紅のメヌケがプカリ、プカリと5匹も浮いている。まさしく“提灯行列”を連想する。1本の糸に吊るされて漂うメヌケは実に爽快で美しい。その横で、白石邦夫さん(千葉市)も、2匹のメヌケを抜き上げた。良いポイントに仕掛けが入ると、周りの人にもチャンスは膨らむ。メヌケは下バリから喰ってくるが、段々と上バリに喰い上がってくるから、“提灯行列”となる。キンメ釣りとは違い、「底にオモリを這わせるな」と言う船長の言葉の意味が理解出来た。
メヌケ釣りは流し釣りではなく、ポイント釣り!
竿頭は斉藤さんの9匹。次が3匹。0は1人。ゲストも多彩で、大型メダイの他多くの魚が交じった。メヌケの型は、目測2~4kg。船長は、「メヌケ釣りは流し釣りではない、ポイント釣りだ。全部仕掛けを投入し終わったら、ポイントに入れる流し方をしている。水深が350m前後のポイントに命中させるのは大変だ」と力説。確かに東京タワーのてっぺんよりも高い位置から流し込む勘どころは、長年のキャリアの積み重ねなのだろう。
「6月一杯までメヌケを狙っていく」と船長。次は何匹、真っ青な銚子外川沖の海に、ポッカーンと浮かせられるか?想像するだけでワクワクする。
メヌケは超の付く高級魚。鮮魚店やスーパーでは滅多に見かけない。釣って良し、食べて良しのメヌケ。チャンスはいつか自分に巡って来る筈。挑戦する価値は十分ある。
(釣りビジョンAPC・飯妻 武夫)
今回利用した釣り船 |
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千葉県外川港『福田丸』 〒288-0014 千葉県銚子市外川町1-10829 TEL:0479-22-5741 詳細情報(釣りビジョン) 福田丸ホームページ |
出船データ |
メヌケ、予約乗合(軽食&氷付) ※出船時間、料金は電話にて確認 正午沖上がり |