2023年07月28日公開
最近、どうもロックショアやショアジギングの調子が良くない。梅雨時なので長雨による“水潮”の影響もあると思うが、釣れた話はあまり聞かない。しかし、SNSで情報収集していると、和歌山県・南紀で“青物”が釣れている人もいるようだ。取り敢えず自分で釣行を重ねなければ結果も何もない。そこで、今回は南紀の超一級地磯「白浜町三段壁のシオフキ」でロックショアジギング、プラッキングを行なってきた。私が過去に70cmのギンガメアジやシイラなど多くの釣果をあげてきたまさに“スーパー地磯”である。
日の出2時間前にエントリー。気合は充分!
今回のエントリーは何と日の出2時間前。人気ポイントなので、場所を確保するためだ。この日の状況は若潮からの中潮1日目で南西風5mほど。波は1.5mから2mで凡そ予想通りだ。明るくなるのを待ちながら、メジャークラフトのメタルジグ「ジグパラTG40g」を、ヒラスズキのタックルでキャストしていく。ロックショアタックルにはDUELの「モンスターショット125」をセットし、この2セットを交換しながら投げていく。そうこうしている内に、夜が明けて来て釣り場全体が見えるようになった。
明るくなると海にアクのようなものが漂っているのが見えて来た。潮の動きがあまり良くないのだろう。海も濁っている。しかし、こんな時にもいきなり怪物級が釣れる可能性があるのがロックショアだ。奇跡とロマンを信じて投げ続ける。間もなくメタルジグの方にアタリがあった。上手い事フッキングしたが小さい。20cm級のカマスだった。現実はこんなものである。奇跡もロマンもありゃしないのだ。取り敢えず“オカズ”確保のためカマスを数匹釣ってキープした。
この時点で“青物”は諦めている。しかし、ロックショアは“青物”だけではない。良いサラシ場を見つけたのでヒラスズキへとシフトチェンジした。
ヒラスズキに選ばれたのは『シンペン』!
サラシをヒラスズキへの最短ルートと言われるima(アイマ)のミノー「サスケ120」で攻めていくが、反応がない。いくら実績のあるルアーでも万能というわけではない。サラシが分厚く、ヒラスズキが待機している層まで届いていないのだと思った。そこで、ジャンプライズのシンキングペンシル、通称シンペンの「プチボンバー70s」にルアーチェンジして様子をみる。すると、すぐにバイト!すかさずフッキングして、先ほどの20cmのカマスよりも強い引きを楽しみながら磯にずり上げる。大きくはないが、立派で分厚い尾ビレ、体高、そして銀ピカの魚体のヒラスズキ。個人的に一番大好きな魚だ。因みに、この魚は気象、海象などの条件が重なれば裏切らない。ある意味、狙って釣れる魚なのだ。奇跡やロマンを釣りに求めるのも素晴らしいが、釣れる魚を確実に釣っていくのもいい。今回の釣行は大型“青物”などの一発大物、怪物クラスを夢見ていたが、結果はこんなものである。リベンジを期待して頂きたい。
夏の“青物”よりヒラスズキの方が美味しい!
私は前職で海上保安官として10年間勤務しており、料理人だった。しかも、映画や本にもなった『南極料理人』の弟子(ただの部下)だ。だからと言うわけではないが、今回も当然ヒラスズキもカマスも食す。カマスは和歌山県民らしく梅酢につけて一夜干しにする。ただし執筆時点ではまだ完成していない。
ヒラスズキは、ムニエルにしてみた。刺し身もかなり美味しい魚だが、これほど焼き物が似合う魚はいない。肉質がまさに焼き魚向きなのだ。どこがどうほかの魚と違うのか、言葉にするのは難しいのだが、そうなのだ。当然ムニエルも美味しかった。
今回の釣行は、想像していたイメージとは大分ズレたが、私の釣りなんてこんなものである。現地で試行錯誤、釣れる魚を釣っていくのだ。余談だが、今回釣行したポイントに、私が納竿するまで釣り人の姿はなかった。超一級ポイントだが、やはり最近の釣果は良くないのだろう。