釣りビジョン

2014.4.1号

新幸丸・千葉県大原港
春爛漫!御宿沖の一つテンヤ・マダイが“乗っ込み”満開!

01_main.jpg
3月18日、“春一番”が吹くと、各地から桜の便りが届き、野や山は春の香りに包まれ、鶯の声も聞こえる様になって来た。「桜は咲いたか、“乗っ込み”マダイはまだかいな?!」。釣りファンにとっての春、マダイの“乗っ込み”を今や遅しと待ちわびていた。千葉県・大原港『新幸丸』の山口新一船長から、「真潮(黒潮)が効いて来たので“乗っ込み”が始まるよ。来て見なよ!!」とのお誘い。“Xデー”に遭遇するチャンス。新調した竿とリール、それにFGノット(繋ぎ)を確り覚え、3月25日(火曜日)に満を持して出掛けた。

“乗っ込み”シーズンは、自己記録更新の時期

『新幸丸』のHPの釣果欄を覗くと、22日の午前船で2.3kg、午後船で2.6kg、23日午前船で2.2kgが上がっている。“乗っ込み”を思わせる中ダイ、大ダイが上がっている。一つテンヤの釣りは、繊細な竿と、細い道糸で大ダイを掛けた時のスリル感が堪らない。取り込むまで心臓が飛び出るほどのドキドキ、ワクワクを味わいながら手にする1匹。そして更にその上のサイズを釣りたいと思うのも釣り師。大ダイを狙うなら“乗っ込み”期。自己記録更新の時期でもある。

新幸丸の大型乗合船
10号カブラと餌の冷凍エビ
仕掛け図

水深、潮の速さから、カブラ10号の指示

午前4時に船宿集合。車はここに駐車、荷物は車に積めば港まで運んでくれる。港に直接行く人は4時半に港に集合。当日は私を含め8人が乗り込んだ。船長から「使用カブラは10号」との指示。準備が出来た人からキャビンに入って待機。5時頃女将さんに見送られ、真っ暗な海へ出航した。

入れ喰い前の静けさ
舵を握った山口新一船長

タナ取りは小まめに投入し直す

5時30分、ポイントの御宿沖に着いた。山口大地若船長がミヨシ(船首)からパラシュートアンカーを投入。潮に馴染むのを待ってスタート。水深は51m。辺りは未だ薄暗い。水深は55m、61mと刻々と変わる。潮流は2ノット。春の“速真潮”だ。先ず、底立ちをキチンと取らなければ釣りにならない。5分もしない内、左舷トモ(船尾)の長嶋一昭さん(いすみ市)が掛けたと言うので、跳んで行った。初獲物は、紛れもない“乗っ込み”マダイの1.9kg。「さぁー入れ喰いタイム」と思ったが、後が続かない。
朝の内は、潮の流れが速く、カブラを2、3回上下すると道糸が斜めに走ってしまい、タナから外れてしまうので、頻繁に投入し直さなければならない。船長は「30秒位しか持たないよ」とマイクを通してアドバイス。右舷大ドモに、テレビの釣り番組や釣り雑誌でお馴染みの宮本英彦さん(江東区)が座っていた。釣り方や餌のエビの刺し方等を聞いた。「エビの尻尾の一部を残して切り、親バリは背中ギリギリを通した方が餌持ちが良いですね。孫バリは、エビの頭に刺します。タナが分からなくなったらどんどん入れ替えた方が良いですね」と話してくれた。

1.9kg、開始10分で手にした
マダイを掛けてから慎重なやり取り
嬉しいゲスト

マダイの他“ゲスト”にホウボウ等で絶好調

1時間程して場所移動。「水深は50m、良いですよ」と船長。またまた左舷の長嶋さんが第1投目で掛けた。取り込んだのは2kgの抱卵マダイ。タナが正確に取れている証拠。左舷側が忙しくなった。ミヨシではホウボウが取り込まれた。柔らかい竿だけに、何が釣れて来るか上がって来るまでドキドキする。長嶋さんも絶好調で、緑色の胸ビレを広げた良型のホウボウを手にした。ホウボウも産卵の為、“乗っ込ん”で来ているので“腹パン”だ。

1.5kgガッチリ親バリに掛かった
竹山さん2.2kg
宮本さん3.4kg

潮の流れが緩んだ頃、入れ喰いタイム

潮の流れは1.5ノット。少し緩やかになって来て、タナも取り易くなった。竹山健治さん(川崎市)は竿を満月に曲げ、リールを巻き出した。傍から見ていると強引すぎるリーリングでヒヤヒヤする。船長も「ポンピングしない様に」とアドバイス。2.2kgのマダイを無事取込んだ。「1度掛け損なったが、追い喰いして来た」と満面の笑顔で話してくれた。
続いて右舷の宮本さんが掛けた。竿が立たない。リールのドラグ音が大ダイを予感させる。落ち着いたやり取りで浮かせたのは3.4kg。この時点の最大だ。勿論、抱卵で、でっぷりしたお腹周りの黒ずみがそれを証明している。確り血抜きをしてから水桶に入れた。8時過ぎ、水深が45m前後になった時、入れ喰いタイムに突入した。3人同時に柔らかい竿を満月にしならせている。どっちが先に上がる…?右舷側の2人が同時に掛けたが、2人とも痛恨のバラシで悔やまれる。左舷胴の間(中央)の竹山さんは、頭上高く構え、弓なりにしてリーリング。若船長のタモに納まり、1.5kgを手にした。「親バリにガッチリ掛かっている」と嬉しそうだ。まだまだ入れ喰いタイムは続いている。長嶋さんが3.2kgヒラマサを釣り上げた。「仕掛を回収している時、ガツンと喰ってきた」と言う。左舷ミヨシで船が揺れる中、頑張っていた杉山さんにもアタリ。慎重にやり取りして大地若船長のタモに無事納まり、1.5kgを手にした。若船長は「魚が暴れて、カブラで怪我をするから」と言って、何時もハリを外してくれる。嬉しい心使いだ。

長嶋さん2.0kg
ミヨシで頑張った杉山さん1.5kg
仕掛けを上げて来たらガツンと来た。ヒラマサ3.2kg

マハタは嬉しいゲスト
竹山さん、最後にヒラマサゲット
3.7kgの大ダイ上がる

3.7kgの大ダイ上がる

9時半を回る頃になると風も強くなり、ウネリも高くなって来た。それでもベテランは、キチンとタナを取り、魚を釣り上げる。納竿間際に宮本さんが魚を掛けた。竿は余り高く構えず、身体と竿でウネリをかわし、リールをジーッ、ジーッと鳴らしながらのやり取り。船長のタモに納まったのは、この日最大の3.7kg。ウネリと潮の速さの中、釣り上げた“乗っ込み”マダイ。その後、竹山さんがヒラマサを釣り上げたのを最後に、沖上りの時間になった。

竹下さん2.2kg、1.9kg、3.2kgのヒラマサ
宮本さん3.4kg、3.7kg
杉山さん、長嶋さんの釣果

マダイの“乗っ込み”が始まった!

この日の釣果は0~3匹だったが、大ダイ2匹、中ダイ5匹が入り、“ゲスト”もホウボウ、マハタ、ヒラマサと豪華な顔ぶれだった。
「2、3日前から気温も上がり陽気が良くなってきた。真潮が効いて来て海水温も一気に17度まで上がった。“乗っ込み”の条件は揃った」と船長。千葉県・房総の海で待望のマダイの“乗っ込み”が始まった。

(釣りビジョンAPC・飯妻武夫)

今回利用した釣り船
千葉県大原港『新幸丸』
〒298-0004
千葉県いすみ市大原町大原10240
TEL:0470-62-1500
詳細情報(釣りビジョン)
新幸丸ホームページ
出船データ
午前船:4時集合、5時出船、11時沖上がり
1万1,500円 氷・餌付(餌は使い放題)
午後船:11時半集合、12時出船、日没沖上がり
1万1,500円 氷・餌付き(餌は使い放題)
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。
プレミアムメンバー