博栄丸・静岡県御前崎港
球春とともに御前崎沖の“乗っ込みマダイ”開幕!
無料の宿泊施設を利用
無料の宿泊施設があると聞き、前泊することに。千秋楽の横綱決戦を聞きながら東名高速を西走、午後7時過ぎに到着。母屋の右側に宿泊棟が建っている。1階が休憩室、2階が仮眠室だ。1階では翌日乗船予定の釣り人が“懇談会”を開催中。私も弁当とビール持参で加わった。
御前崎沖の一級ポイント「オモリ」を目指す
船宿から港までは車で3分程。岸壁に横付けされた船の前で釣り座を決める抽選が始まった。コマセマダイの場合、どうしてもコマセの効く潮の下流側が有利になる。しかし、潮の具合は行ってみなければわからない。午前6時少し前、大澤洋輔船長が操船する「博栄丸」は12人の釣り人を乗せて出港した。目指すは「小森(オモリ)」と呼ばれるポイント。御前崎沖では一級のマダイポイントだ。6時40分に到着。3月中の“竿入れ”は協定で7時丁度と決められているため、20分程待機して、船長の投入合図が出た。
投入器で送り込む「15mの超ロングハリス仕掛け」
最初の指示ダナは40m。御前崎沖では「海面からのビシの位置」で指示が出る。船宿のお薦めは15mの超ロングハリス仕掛け。投入器を利用して仕掛けを送り込む。朝イチの時間帯は期待の高まるゴールデンタイム。しかし、誰の竿にも反応は出ない。15分程で移動が告げられた。そしてこの移動が“吉”と出る。
突然“その時”が始まり、取材はパニックに
直ぐに2回目の投入合図。そして突然“その時”が始まった。最初に左舷ミヨシ(船首)2番に座った金子重敏さん(富士市)の竿が海中に突き刺さった。慎重にやりとりして3kg見当のマダイがタモに納まった。カメラに収めようとしたところ、右舷側から「こっちも来たよ」の声。急いで駆け付けて動画を撮り始めるが道糸がジージー送り出されて一向に魚が上がってこない。すると、先ほど船中第1号を上げた金子さんの隣でもやり取りが始まった。さらに右舷のトモ側(船尾)でもワラサが上がったとの情報。私が覚えていられるのは3カ所まで。カメラを手に右往左往、パニック状態だ。(巻頭写真は金子重敏さん)
生彩を放つ“元エースで4番、主将”
左舷トモ側に着座したのは愛知県から来た“気の置けない”4人組。引率は『博栄丸』と50年来の親交のある井上三郎さん(豊田市)。しかし、この日、井上さんの釣果はイサキ数匹のみ。「この前は“一人勝ち”だったのに」と首を傾げる。反対に生彩を放ったのが冨田昌樹さん(みよし市) 。甲子園常連校の元エースで4番、主将しかも生徒会長まで務めたとのこと。バットを竿に代えても3kg級のマダイを2打席連続の“ホームラン”。追いかけた渡部文司さん(豊田市)も愛用のサプリメントが効いてかマダイを1匹ゲット。伊豆原克則さん(みよし市)もワラサを上げた。
初孫の「お食い初め」はマダイ
残り30分を切ったところで山野宏さん(東京・東久留米市)がマダイを釣り上げた。終了間際のオデコ(釣果なし)脱出は嬉しさ百倍。聞けば初孫・琴音(ことね)ちゃんの誕生100日目の「お食い初め」用のマダイだとか。とびっきりの笑顔が弾けた。
最終結果は、トップ3匹が3人、最大は3.9kg、船中15匹。ゲストはワラサ2匹とイサキ数匹だった。球春の訪れとともに御前崎沖の“乗っ込みマダイ”が開幕した。
(釣りビジョンAPC・谷口 晴治)
今回利用した釣り船 |
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静岡県御前崎港『博栄丸』 〒437-1621 静岡県御前崎市御前崎4145 TEL:0548-63-3337 詳細情報(釣りビジョン) 博栄丸ホームページ |
出船データ |
コマセマダイ船:1万1,000円(氷付・コマセ&餌別) 出船時間等:4月 午前5時15分集合 揃い次第出船、6時30分竿入れ、13時沖上がり 5月~ 午前4時45分集合 揃い次第出船、6時00分竿入れ、13時沖上がり (出船月、釣りもの、釣場所によって変わるので電話で確認が必要) |