世界最大&最凶のライギョの名前は?【世界怪魚図鑑08】

日本に生息するライギョ(カムルチー)も相当デカくなる。一般的に日本記録とされているのは全長121cm(重量は不明)で、おそらく世界に30種ほど生息するであろうライギョの仲間のなかでもトップクラスのサイズ。しかし、上には上がいるもので…さらに巨大で凶暴なライギョが東南アジアにはいる。マレーシアでいうトーマン、タイならシャドーだ(執筆:望月俊典)

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ピーコックバスも喰いちぎる…東南アジアを統べる池のヌシ

体長150cm、重量20kg…というのがウィキペディアに記載されたトーマン(シャドー、ジャイアントスネークヘッド)のプロフィールである。まあ、あの体型(カムルチーよりも太い)で150cmもあればもっと重くなりそうな気もするが…これくらいの長さ、あるいは重さになっても不思議ではないだろう。この哀れな語り部(←筆者のこと)がマレーシアで釣りをしたときのガイドも「●●ダムで23kgが釣れたことがある」…と言っていたっけ。真偽のほどは不明だが、最大級にデカくなるライギョなのは間違いない。

生息地は東南アジア。日本で有名なのはマレーシアとタイだが、前者ではトーマン、後者ではシャドーという名前。他にはジャイアントスネークヘッドやレッドスネークヘッドとも呼ばれる。

ところで、ライギョというと…水面に植物が繁茂した池や沼に生息するヌシっぽい魚…というのが一般的なイメージだと思う。あの丸太のようなボディ、迷彩柄のような体色だと、いかにも水草のジャングルに待ち伏せていそうだ。実際、日本のライギョ釣りスタイルの主流は、極めて引っかかりにくいフロッグと呼ばれるルアーを使って繁茂した水草の上を引いてくる…という特殊なものだったりする。しかし、トーマンは違う。全然違う。カバーにまったく隠れないかというと…そんなこともないのだが、カムルチーのような強い執着は感じない。むしろ、カバーよりもオープンウォーターで釣れる印象の方が強いのだ。そして、ハリに掛かってからのファイトも全然違う。カムルチーはクネクネと重量感のある引きとトルク感のあるヘッドシェイクをするが、トーマンはドドドドドーッと一直線に走る。スピードとパワーの両方を兼ね備えた暴れっぷりなのだ。カムルチーがディーゼルエンジンのSUV車だとしたらトーマンはカマロやマスタングのようなマッスルカーの走りと言えよう(運転したことはない)。

ちなみに、カムルチーは獲物を吸い込んで丸飲みする捕食スタイルだが、トーマンは鋭い歯でと強力な咬合力で噛みついた魚を喰いちぎったりもする。そのアゴで無惨な姿にされたピーコックバスを池の水面で見かけることもあった。

マレーシアにて、語り部と一緒に行った小野寺万世さんが釣った中型トーマン。X-ポッド(メガバス)のドッグウォークに怒り心頭で食いついてきた
同じくマレーシアにて、ガイドのベニーさんがクランクベイトで釣ったトーマン
慎重にいなすベニーさん。オープンウォーターなのでミディアムクラスのロッドを使っていた。スリリングなファイトが楽しめるのだ
タイのカオレムダムにて、ガイドのジャクリットがタイ式フロッグで釣ったシャドー
タイとミャンマー国境付近を流れる清流。こういう場所にも大きなシャドーが泳いでいた
タイの釣り堀(パイロット111)にて、語り部がバイブレーションの速巻きで釣ったシャドー。発色が弱々しい…
稚魚は真っ赤で、若魚はボディのセンターにオレンジ色の太いバンドが横切る。成魚になると鮮やかなターコイズブルーや虹色のような色彩で見る者を楽しませてくれる
釣り方その1。オープンウォーターならフロッグ。フロッグといってもバス用のそれとはまったくの別物。ずんぐりとしたソリッドボディのお尻にスカート、その後ろにダブルフックやトレブルフックがついたもの。これを水面でチャチャチャチャ…と速引きする
釣り方その2。稚魚ボール撃ちならディープクランクやポッパーなど。水面付近を漂う真っ赤な稚魚の塊の下には稚魚を守る親魚がいるので、そいつを直撃するのだ。日本のライギョ釣りではタブー視されている釣り方だが、場所が変われば常識も変わるのである

施設等関連情報

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

望月 俊典 千葉県九十九里町生まれ。雑誌『Rod and Reel』副編集長を経て、フリーランスの編集/ライターとなる。海外の秘境釣行も大好きで、『世界の怪魚釣りマガジン』の立ち上げ&制作を手掛けた。現在は、琵琶湖事務所で仕事や釣りにいそしむ。著作は『バスルアー図鑑』(つり人社)。ちなみに、学生時代に、ネッシー(といわれているであろう現象)を目撃&撮影したことがある。

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