船べりまで寄せたキハダマグロは、円を描くようにして最後の抵抗を試みます。なんとかその状態まで持っていきましたが、僕の方が魚より先にグロッキーになってしまい、せっかくポンピングしてもラインスラックを巻き取る力がありません。でも、船べりで百万回転くらい回った頃でしょうか? ついに敵も精魂が尽き果てました。浮き上がった魚体に一俊船長のギャフが入って、試合終了。僕はその場でへたり込みました。正直ラグビーひと試合分の体力を消耗した感覚です。でも、どこからともなく、ささやかな拍手がわいてきました。ありがとう、みんなのやさしさが無かったら、きっとこのキハダマグロは上がらなかったでしょう。20.9kg、決して大きくはないけれど、キハダマグロを名乗れるサイズでした。その後2時間半は、釣りどころか何もできませんでしたね。ただ、本当の意味で留飲を下げたのは、翌日のことでした。「テッペイさん、マグロを釣るなんて凄~~い、さすがプロ!」「いやあ、マグロといっても、キハダだからね(笑)」胸を張って、おすそ分けできたのです。いやあ、気分良かった。やっぱりキハダマグロは自分で釣らなきゃね。