2023年09月21日公開
群馬県榛名湖の草トーナメント「ダウト」に参加!今回は久しぶりに俺の弟子のモッチーこと望月俊典も、はるばる滋賀県より参加。正直、モッチーにだけは負けたくない。実は昨年の同じ大会で優勝した俺は、そのときと全く同じパターンで連覇を目論んだ。それは「湖のど真ん中でのトップウォーター」。そのパターンは2年連続で成立したのか?師弟対決の行方は?写真の表情から、何かが読み取れるかも?
榛名湖での師弟対決のために1000キロ以上の旅をした男
ちなみに、「湖のど真ん中でトップウォーター」パターンで優勝した昨年(2022年)の記事はこちら。今回もこのパターンを再現してみたいと思うが、果たして…。
年忘れ釣行記・2022年の忘れえぬ一匹は、湖の真ん中で出た!!
横沢「モッチー、夏の間は長野にいるんだろ?だったら久しぶりにダウトの大会に出ないか?榛名湖まで近いじゃん」
モッチーとは釣りビジョンマガジンで怪魚記事や琵琶湖のバス記事、ビワマス記事などを精力的に寄稿しているライター仲間の望月俊典。一応、バス釣りに関しては俺の弟子なのだが、ここ10年ほどでメキメキと実力を上げ、いっぱしのデカバスハンターに成長した。どうやら、俺の弟子であることは黒歴史として闇に葬りたいと思っているフシがある。一応説明すると、ダウト大会とは俺が不定期にエントリーしている榛名湖の草トーナメントで、モッチーも5~6年前に2回ほど出たことがあるのだ。
望月「たまにはいいですね。でも、問題が一つあります。ライブスコープを滋賀に置いてきているんです。レンタルボート用のエレキは千葉の実家だし」
モッチーは、現在滋賀県に住んでいて、琵琶湖の公認プロフェッショナルガイドでもある。ただ、8月の滋賀県は暑いので、長野の別荘で過ごすという貴族のような生活をしているのだ。ちなみにライブスコープとは、何10mも先にいる魚がルアーを追ってくる様子まで見えるという、最新鋭の魚探だ。
横沢「手漕ぎでいいじゃないか」
望月「いや、エレキもライブスコープも必要です。横沢さんに負けるわけにはいかないので」
ゆくゆく師弟関係を解消するためにも、俺にだけは負けたくないらしい。結局モッチーは、千葉県の実家に行ってエレキ一式を回収し、滋賀県の自宅まで行ってライブスコープ一式を用意した。たまたま榛名湖から近い長野県にいるから、大会への参加を決めたのだが、結局千葉県と滋賀県に道具を取りに行くという1000kmを超える大旅行。他にもついでの用事があったようだが、ダウト大会がなかったら、彼はまず間違いなく長野から一歩も出なかったと思う。
当日朝6時半、集合した大会参加者はたった8名。シーズン中は毎月のように開催しているダウト大会だが、8月はなぜか参加者も少なく、しかもローウエイト戦になるようだ。昨年俺が1015gのバス1匹で優勝できたのも、それが理由に違いない。恒例の記念撮影後、7時20分頃に戦いの火ぶたは切って落とされた。
湖のど真ん中パターンは、早々に撃沈
俺は湖のど真ん中を目指した。去年はそこら中にワカサギの群れが点在し、たまにスーパーボイルが起きて、かなり景気がいい感じだった。そのボイルめがけてヴィローラのノーシンカーを投げて、放置したり、ピクピクさせるだけで釣れるはずだ。ところが、今年は目で見える範囲に水面が波立っている場所が3~4か所しか確認できない。去年はこの3倍はあったような……。魚探を見ても、ワカサギの群れらしきものが時折写るものの、バスの魚影は全くと言ってよいほど見当たらない。
目を皿のようにして水面の異変を探していたら視界の隅っこに、異物の存在を確認した。なんと、モッチーがいたのだ。
横沢「どうだ、釣れてるか?」
望月「いや、このへんはベイトフィッシュ少ないですよ。しかもバスが全然映りません」
横沢「そうなの?ライブスコープで映らないのか」
望月「そうですね。まだ、ボート桟橋の沖の方がよかったです」
横沢「そうか、モッチー申し訳ないが、俺が湖のど真ん中で釣りしている感じの写真を撮ってくれ」
望月「お任せください。僕の写真もお願いします」
今回は、2人ともこの大会の参加レポートを釣りビジョンマガジンに掲載する予定なので、お互いを撮影し合う約束になっているのだ。モッチーはそのまま対岸へと渡っていった。俺はしばらくど真ん中でヴィローラを投げたが、まったく釣れず。唯一のパターンが崩れて目の前が真っ暗になった。
釣りにプライドは必要か?それとも不要?
その後、湖を時計回りに移動しながら、ヴィローラやクランクベイトを投げていったが、アタリは皆無。そういえば琵琶湖の超有名ガイド山田祐五さんにもバッタリ会った。
横沢「なんで榛名湖に?」
山田「昨日、バスブリゲードのイベントで群馬に来たんですよ。それ何投げてるんですか?」
横沢「ヴィローラのノーシンカー」
山田「朝から最終手段ですね(笑)」
おっしゃる通りです。それでもアタリがない。榛名湖は小さな湖なので、1周しているとダウト参加者にもよく出くわす。その都度釣果を聞くけれど、みんな釣れてないみたいだ。あまりに釣れないので、モッチーに電話してみた。
望月「さっき、ラインを切られました!結構でかい、2キロはあったと思います」
横沢「マジか!優勝逃したな」
望月「ウィードのアウトサイドエッジでサイコロラバーです。1.2号のリーダーを切られました、甘かったです」
そんな話を聞いたら、急にモッチーの顔を観たくなった。エレキの速度を上げて、モッチーのいるひともっこ付近へと針路をとった。
望月「バスはいるんですけど、喰ってくれないですね」
俺の魚探ではそこまではわからない。でも確かに水深6~7mでウィードが途切れたあたりにバスらしき魚はいる。モッチーのライブスコープは、そのバスがルアーにどう反応しているか…までわかるのだ。ここで、サイコロラバーを投げて釣ったら、モッチーの完コピだ。後で何を言われるかわからないし、プライドが許さない。とりあえずはMMZデカなど目立ちそうなワームを投入。10投くらいして、サイコロラバーに付け替えた。釣りにプライドなんぞ不要だ。何を言われてもいい、釣れなきゃ始まらないのだ。
ついにモッチーがひねり出した、ライブスコープの成果
この大会は、上位3匹のバスの合計ウエイトで勝負するルール。しかも、釣った本人がその場でバスの重さを測ってリリースする「デジタルウエイイン」制度だ。でも、ウエイイン時刻の2時半にはボート桟橋に戻らなければならない。時刻は13時56分、早めに桟橋付近へと戻って悪あがきをしていた俺に、まだ対岸にいたモッチーからLINEが来た。いいサイズのバスを持っている写真だ。以下はLINEでのやりとり。
横沢「やったな」
望月「でもバラしたやつより全然小さいです」
横沢「サイコロか?」
望月「そうです」
もう30分しかない。モッチーはウィードのディープ側のアウトサイドをライブスコープで狙って1日2ヒット。俺があと30分で同じ釣りをしても意味ないだろう。とりあえず、岸寄りのブレイク付近を重点的に狙ってサイコロラバーを投げた。
横沢「む?今のはアタリ?これは?これはこれは?バスだ!」
めちゃくちゃ小さいバスが釣れた。デジタルスケールにぶら下げると、0.08?小数点以下第2位?なんだそれ?つまりは80gか。時計を見ると2時15分。結局、これ1本でウエイインとなった。
ちなみに、今回の「ダウト大会」は〝モッチー目線〟の記事も公開中!こちらもぜひチェックしてほしい!
琵琶湖仕込みの【サイコロラバー】と≪ネットプラ≫を駆使して、榛名湖の大会で優勝!?
モッチーは優勝! 俺は第2位! とはいっても小数点第2位。
魚が釣れたのは8人中5人で、リミットをそろえたのはたった2名。今年好調を維持してきた須田さんは3匹で715g榛名湖のプロガイドでもある長井さんは、群馬チャプターで年間ポイント1位の凄腕だ。この日も5匹釣ったには釣ったが、上位3匹合計で1081g。俺が勝手にライバル視している山田さん(山田祐五さんではありません)は、同じ群馬チャプターで年間3位の実力者ながら、255gが1本。
山田「というわけで、優勝は1290gでモッチーさんです!」
モッチー、まさかの優勝!ガッツポーズが出た!ビッグフィッシュ賞も獲得。午前中はウィードのアウトサイドにいたバスを狙っていたが、午後はダウンショットのリーダーを長めにして、シンカーをウィードの中に入れ、サイコロラバーだけウィードのアタマから出るイメージで使っていたらしい。
山田「ところで鉄平さん?これは何かの間違いですか?80グラムのバスって……存在するんですか? この世に」
横沢「俺も測ってみて目を疑ったんだよ。kg表示で0.08って、小数点以下第2位って初めてだよ。スケールが故障してるんじゃないの?」
山田「え~と、それはないですね」
横沢「俺って、ダウトに出ると1匹だけ釣れて、釣れた人の中ではビリってことがよくあるんだよね」
望月「逆にそれって、難しいですよね?横沢さんはそういうバスの釣り方を知っているんですか?教えてください(笑)」
横沢「テメー、調子に乗るなよ!(笑)」
『教えてください』という言葉が出たということは、まだ師匠であると認識しているらしい。モッチーは、当初1戦のみのスポット参戦のつもりだったが、結局9月に開催されるダウトの最終戦にもエントリーすることになった。
施設等情報
施設等関連情報
レンタルボート代金:手こぎボート 3000円、フットボート 4000円、免許不要艇 4000円
公共交通機関:JR高崎駅下車 榛名湖町行きバス 所要時間約1時間30分
車:関越道渋川伊香保IC下車 所要時間約50分
この記事を書いたライター
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