釣りビジョン

日本最大の草トーナメントに参戦!! 早春の琵琶湖攻略

2025年04月17日公開

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釣る人は爆裂に釣っている、この春の琵琶湖。この哀れな語り部(←筆者のことです)も、そろそろ春の釣りを始動させようか。琵琶湖最大規模の大会、琵琶湖オープン第1戦にエントリーしてみた!

琵琶湖オープンへの参加を口実に釣りに行く!

去年買ったバスボートで早春は釣りに行きまくる…と思っていたが、仕事が忙しくてそれどころではなかったこの哀れな語り部。琵琶湖オープンへの参戦を自分への口実にして、強引に釣りに行くことにした。

大会は3月23日(日曜日)なので、その前の金曜、土曜日をプラクティス(練習のこと。以下、プラと略す)に当てることに。そして、出版社時代の先輩である細川大さんも一緒に参加したいとのことで、木曜夜から琵琶湖入りしていた。しかし…金曜日はババ荒れ予報だったので、予定変更。木曜日に語り部ひとりでプラに出ることになった。

プラの目的は釣ることではなく、大会当日に向けての情報収集。広いエリアを魚探で見てまわり、季節の進行具合を観察し、当日釣るべき場所と釣り方を絞り込んでいくのだ。…とはいえ、語り部的にはトーナメントもあくまで楽しさ重視なので、プラでも魚を釣りたいのである。

3月20日、木曜日。プラ1日目は予想に反して琵琶湖はまあまあ荒れていた。遅い時間に出船し、北湖のスポットを少しチェックしてから、本命の南湖へ。語り部は基本的に北湖が好きだ。しかし、3月の大会に限っては南湖が主戦場となる。この時期の琵琶湖オープンの競技エリアに関しては、南湖優位、というのが過去の統計ではっきり出ているのだ(語り部調べ)。

3月中旬に釣れていたのは南湖でも水深3~5mにあるウィードパッチ(密集した水草)だった。パッチに付いたバスをミドスト、ボトスト、クラッシュ9のデッドウォークで釣っていくというパターンだ。

なので、ひとまず有望なパッチを探しに、荒れる南湖をレザミ3世号でゆっくりと探査していくことにした。

木曜のプラで釣れた49cmのバスが大きなヒントに

さて、木曜日のプラの続き。南湖の南エリアを中心に良さげなウィードパッチを探して果てしない旅をしていたのだが…なかなかいいウィードが見つからない。たまにバスが数匹付いているウィードもあったが、クラッシュ9でアプローチしても、ネコリグをズル引きしてもまったくバイトが出ないのである。

さては季節が進行したな…と考えたこの哀れな語り部。沖のウィードパッチではなくスポーニングエリア(産卵場所)の入り口周辺にあるハードボトム(硬い地質)に狙いを変えることにした。そういう場所は、まず産卵を意識したオスがウロウロし始め、その近くの少し深い場所にメスが待機している…というのが春バス攻略のクラシックな考え方なのだ。

南湖南部のスポーニングエリアになりそうなワンドとワンドの間に突き出した岬の周辺を魚探掛けしていると、いかにもオスバスが集まりそうなハードボトムを見つけた。こんもりとなだらかな台地のようになっている。そこへネコリグを投げて、ゆっくりとズル引き。すぐにぬーんと重くなるアタリが出た! ああ、釣ってしまった(笑)。

ボートに上げてみると、案の定オスっぽい、49cmのバスだった。これを3匹釣っても優勝はできないだろうが、お立ち台の可能性は十分ある。そして、このオスがハードボトムで釣れるモードになってしまうとメスを釣るのはなかなか難しいのだ。なので、オス狙いのパターンも視野に入れることにしよう。他のエリアのハードボトムもチェックし、木曜日のプラを終えた。

 

オス狙いのパターンを見つけた!と思ったが…

3月21日金曜日はババ荒れ予報だったので、語り部はプラを取りやめたのだが、大会で同船する細川さんはどうしても釣りがしたいとのことで、南湖東岸のレークマリーナでバスボートをレンタル。しかし、南湖東岸は荒れまくり、木浜3号水路から出ることもできなかったという。

そして3月22日、大会前日の土曜日。プラ2日目。この日も前日ほどではないが南湖は南西の風で荒れていた。北湖のポイントを少し確認し、一気に南湖南エリアへと移動。スポーニングエリアの入り口付近にある各ハードボトムを細川さんとチェックしていく。

細川「ネコリグのズル引きってシンカーはどれくらいですか?」

語り部「無風なら1.3g、風が強いときは1.8gですね。油断するとすぐにボトムから浮いちゃうんで、常にボトムの接地感を意識してください」

そんな説明をしながら、木曜日に49cmを釣ったハードボトムでブレーバーのネコリグをズル引きしていると…あ、またすぐにアタリが!

語り部「ああ、また釣っちゃった…。でもやっぱりこのパターンはアリですね」

細川「確かにオスっぽいかも。でも、結構いいサイズですよ」

計測してみると、54cm。太くはないので、なんとなくオスかなと思う。これ以後、語り部はポイント温存のため釣りは自重した。南湖西岸のポイントをチェックしながら徐々に北上し、夕方にカネカ周辺のハードボトムにウィードがチョロチョロ生えたポイントを見にいく。ボートも多いが、バスも多い。ここは細川さんに釣ってもらおう。

語り部「あっちにバスがいるので、ボトムをじっくり釣ってみてください。オス狙いなら高比重系ワームのノーシンカーもいいと思いますよ」

細川「カバースキャットでいいですかね?」

語り部「いいと思いますが、よく動く手足が付いたものがこの時期のオスには効くと思います」

ババ荒れのなか、ボートに波を被りながらじっくりと高比重系ノーシンカーをシェイクしていると…語り部のラインが横に走っている。このままだと飲まれてしまうので、もう釣ってしまうしかない。しっかりとリールを巻いて、重くなったのを確認してからグっと合わせた。さっきの54cmよりもよく引くぞ。これは…。

語り部「よっしゃ、やっぱりこの時期はこれ系のワームが効くんだなぁ」

細川「太い!51cmだけど2,500gくらいありそうな、これは絶対メスですよ」

語り部「ははは、どう見てもメスですね」

ウンチクがハマったような、外れたような、微妙な気持ちで前日プラを終えた。

いよいよ大会本番! お立ち台を目指してスタート!!

3月23日の大会当日。この日は琵琶湖オープンの他にも、BATNETのカテゴリー2、M.B.F.TのWリーグ戦が行われ、湖上は大混雑が予想された。語り部がスタートするアサヒマリーナは北湖西岸の真野浜に位置しているので、南湖南エリアのポイントにいち早く入るのは難しい。なので、まずは北湖のポイントを釣ってから、水温が上がるタイミングで南へ下る、というプランにした。

7時30分、参加者が各マリーナを一斉にスタート!北湖の凪いだ湖面でレザミ3世号を滑るように走らせ、5分も経たないうちにポイントへと到着した。

1投目はDRTのビッグベイト、クラッシュ9。まずはデッドウォークでバスの反応を観察し、コンディションを見るのだ。バスがクラッシュめがけて浮いてくるなら中層の釣りはアリ、反応しないようならボトムの釣りが有効、そんな判断ができると考えている(サンプル数は少ないが)。

すると、クラッシュにバスと思しき魚影が浮いてきて、ピックアップギリギリまで追尾してきた。しかし、食わない。その後、ミドストやサイコロラバーで中層を攻めるもこれがイマイチ。ボトムでもアタリはなし。それ以前にこのポイントでのバスの数が前日に比べてかなり少ないのを認めざるをえず…予定よりも早めに南湖へと下ることにした。

バスボートを飛ばし、琵琶湖大橋をくぐると、南の湖面が真っ黒に見える。今日は穏やかな予報ではなかったか。名鉄沖に差し掛かる頃には南風の影響でかなり荒れていた。少しスピードを落としながらザブザブの南湖を未熟なテクで走り…南エリアのポイントへと到着。近くにボートは浮いているものの、我々が狙いたいスポットは運よく空いているぞ。

ササっと入り、魚探で見ると、バスと思しき魚は多くはないが映っている。まずは昨日釣ったネコリグでズル引きから開始。プラではかなり手加減していたが、今日は本気で釣るぞ。

細川「そろそろ1本欲しいですね」

語り部「できればここでリミットを揃えたいです。スポーニングを意識したオスが入ってくる場所なので、粘ってもいいはずです」

そう思って粘ったのだが…プレッシャーのせいなのか、この日に限ってまったくアタリが出ない。ネコリグ、高比重系ノーシンカー、ミドスト、ボトスト、クラッシュ9…と春の釣りをメドレーで試したが、どれもダメ。仕方なくこのポイントは諦め、1~2箇所チェックしたのち、同じく前日に釣れたカネカのポイントに入った。ここにもバスはいたし、語り部に1回アタリがあったような気がしたが…やっぱり釣れない。

これが大会というものなのだ。急激なプレッシャーで食わなくなってしまう。当然それを見越してプランを構築するのがトーナメンターというものなのだろう。琵琶湖オープンは実質12時半で終わりなので、なかなかリカバリーが難しい。最後は悪あがきをして、プラでは見ていないポイントを攻めてみたものの、そんなに甘いものではなかった。

結局、語り部も細川さんもノーフィッシュで無念の帰着申告をした。

気になる上位のパターンは?

では、謙虚な気持ちでお立ち台に上がった皆さんの釣り方を聞こう。

5位 小栗裕一郎さん 4,150g/1尾

場所は下物沖のアウトサイドで、ルアーはスイムジグ。トレーラーはスイングインパクトファット4.8インチ(ケイテック)だったそうな。4,150gのでかバスをウェイインしてこの順位。


4位 酒松辰貴さん 6,000g/2尾

南湖西岸のウィードパッチにて、ドリフトフライメロウ(ジャッカル)の2.5gミドストで2本キャッチしたとのこと。


3位 富永浩資さん 6,030g/2本

山ノ下湾内のシャローで、レジラバショットダイレクト(ドリームエクスプレス)+ファントムエッジ3.8インチ(イージーラボ)というスモラバセットを木に吊るして釣ったという。


2位 井上翔哉さん 9,540/3本

KKRの立木にて、3Dワッキーのカバーネコ3.5gを吊るし、さらには木から出てきたバスをサイコロラバーのダウンショットで食わせた。9時ごろにはリミットメイクしていたそうだ。

優勝 藤原将太さん 11,540g/3本

北山田の漁礁で、ボトムジャークで連発し、一気にハイウェイトをメイクしたそうな。しかし、表彰台でヒットルアーは明かされなかったような…。


上位のヒットパターンは様々だったが、全員南湖での釣果。参加人数109名中、釣れたのは25名とかなり厳しい1日だったようだ。次戦は6月8日。参加者の皆様、運営の皆様、おつかれさまでした!

※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

望月 俊典
千葉県九十九里町生まれ。雑誌『Rod and Reel』副編集長を経て、フリーランスの編集/ライターとなる。海外の秘境釣行も大好きで、『世界の怪魚釣りマガジン』の立ち上げ&制作を手掛けた。現在は、琵琶湖事務所で仕事や釣りにいそしむ。著作は『バスルアー図鑑』(つり人社)。ちなみに、学生時代に、ネッシー(といわれているであろう現象)を目撃&撮影したことがある。
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