2023年09月28日公開
静岡県・伊豆半島の沖磯での夜釣りは5月中旬から9月中旬まで。シーズン終盤を迎えた9月中旬、西伊豆田子へと出掛けた。今回は私が所属する『湘南爆釣族 まるやま倶楽部』のメンバー7人での釣行だ。今年は台風の影響で、中々お目当ての磯に渡礁できない状況が続いたが、今回は予報も良く各自が好きな磯に渡れた。竹中さんと私は夏磯の王様として知られる高級魚のフエダイ(シブダイ)やモンスター級のフエフキダイを狙うべく、比較的浅場の「雌島の水道側」に渡った。
夕マヅメにいきなりフエダイ&フエフキダイ登場!
渡礁後、暗くなるまでの約2時間は、フカセ釣りで夕マヅメの大物を狙ってみることにした。タックルは浅場での根ズレを考慮して少し強めのもので組んだ。磯竿1.5号、リール3000番、道糸PE0.8号、ナイロンリーダー2.5号4ヒロ(1ヒロ=約1.5m)、フロロカーボンハリス4号を2ヒロ、グレバリ7号。ウキは自作の「ウキくん00」を選択。タナ2ヒロ強のところにナイロンハリスを「なるほどウキ止め」の要領で留めた半誘導仕掛けとし、完全フカセでスタートした。
コマセはオキアミ3kg、アミエビ4kg、パン粉2㎏、ヌカ4.5㎏。これで一晩勝負する。手前は餌盗りだらけ。そこで、コマセが届く範囲の大遠投で攻めてみると、仕掛けが馴染むと同時に道糸がスススーッと走った。上がって来たのは30cm強の元気なイスズミ。出船時の海水温は28.9℃。イスズミが元気なのも頷ける。
沖はイスズミと中型の尾長グレが湧いているようなので、今度は狙いを中間距離に変え、やや深いタナまで仕掛けを入れていく。左手で道糸を掴んで仕掛けに張りを入れていると、竿先を引っ手繰るようなアタリにやや強めに合わせを入れて竿の胴で締め込むようにためて魚の体力を奪う。1回目の突っ込みを耐えて手前に寄せたところで、沈み根に張り付かれてしまった。張らず緩めずのテンションで待っていると、再び走り始めたのでやや強引に寄せる。姿を現したのは40cm弱のフエフキダイ。フエフキダイとしては小型だが引きの強さはさすがで、4号のハリスは傷だらけだった。
水道側の少し深めの釣り座に構えた竹中さんは、イシダイ竿のブッコミ仕掛けで、ヤリイカを餌にして海底を狙っている。投げるたびにアタリが見られるなか、竿先をグググッと絞るようなアタリ。合わせを入れると幸先よく良型のアカハタをゲットした!
海底の状況を良く知っている竹中さん。狙いの場所に仕掛けを入れると、今度は置き竿からラインが出る激しいアタリ。イシダイ竿を大きく曲げているところを見ると、これは中々の良型のようだ。この魚も途中の根に張り付いたが、落ち着いて引き離してタモに入れたのは、この日の“大本命”である40cm超えのフエダイだった。これには2人とも大興奮。夕マヅメから幸先の良いスタートとなった。
夜釣りでもいきなりフエダイをゲット!
夜釣りの仕掛けは、磯竿2.2号、リール4000番、道糸PE1.5号、リーダー5号、ハリス8号、ハリ夜光真鯛10号。ウキは自作の「ウキくん000 TYPE-NIGHT 」で、仕掛けの重さに応じてLED電気ウキトップの長さを変更する。いつもは2本バリ仕掛けだが、この日は大物を意識した1本バリ仕掛けにした。トップは中間サイズの35mmを選択。ウキ止めは付けずに全誘導で開始。餌は加工オキアミと丸エビの2種類を準備した。
潮はやや当て気味なので、潮の流れと共にゆっくりとリールを巻きながら仕掛けを張っていると、コンコンッと道糸にアタリ。暫く我慢しているとギューン!と道糸が引っ張られた。イサキを確認して慎重に寄せると30cm強の良型だった。タナはおおよそ2ヒロ半から3ヒロだと想像出来たので、ウキ止めを付けて、2ヒロ半のタナからゆっくりと沈めると連続ヒット!この調子で連チャンと行きたいところだったが、ここからアタリがなくなってしまった。
魚のいるタナを調べるべく、再び全誘導でゆっくりと探っていると、今度はいきなり電気ウキがスパッと消える鮮明なアタリ。同時に強烈な引きによって竿が大きく曲がった。根に張り付かれてはまずいと、竿の力を信じて強引に手繰り寄せる。竹中さんの待ち構えるタモに収まったのは、何と40cmに迫るフエダイ! 2人でいきなり目標のフエダイをゲットしてしまった。フエダイのタナはイサキよりも深く、海底に近い感じだった。
これ以降は同様な釣り方で試してみたが、さすがにフエダイの連続ヒットとはいかず、活性の低いイサキをポツリポツリと拾い釣る感じで、干潮の午前0時までにイサキ6匹、フエダイ1匹で夜釣りの前半戦を終了とした。
同じ雌島に乗った仲間の釣果を確認しに行くと、イサキ15匹と数は釣っていたものの、僅かな電気ウキの動きで合わせないと、イサキは釣れないとのこと。ここ最近の高水温の影響なのかイサキの活性はすこぶる低く、ほとんど電気ウキにアタリが出ないような状況だった。
期待のモンスター級は姿を現さなかったものの…
休憩を挟んで後半戦を開始すると、潮は緩やかな上り潮(水道奥の浅場へ流れる潮)になっていた。流すコースによってはタナ2ヒロ半で根掛かりの可能性がある。そこで、きっちりとタナをキープするために電気ウキ2号の半誘導タイプにして、タナは2ヒロに設定した。
アタリのない時間が続いたが、沈み根の際で仕掛けを止めながらしつこく攻めていると、電気ウキがユラユラ~と沈む微妙なアタリ。暫くしても電気ウキが浮いてこないので合わせを入れると、この日2番目の強い引きでグングンと根に戻ろうとする。ここでも根掛かりを避けるために強引にやり取りをして、上がってきたのは35cm弱のフエダイだった。
これまで一晩でフエダイを2匹釣ったことがなかったので驚いた。竹中さんからも「やるね~!」とお褒めの言葉を貰って嬉しい結果となった。
その後は下り潮に変わり、フエダイの気配もなくなったことから、仕掛けを全誘導に戻してイサキを狙った。先述の通りイサキの活性はすこぶる低い。左手で掴んでいる道糸に伝わるコンコンという小さな前アタリを感じ、そこから僅かに出る道糸を頼りに合わせを入れる感じで釣っていく。魚の数も多くない様子で、後半戦はイサキ3匹とフエダイ1匹を追加して終了となった。
一方の竹中さんはフカセ釣りの釣果が芳しくないため、夜間もブッコミ仕掛けで勝負した。途中で何度かウツボの猛攻があったものの、見事に50cmクラスのフエフキダイと35cmクラスのクロホシフエダイを追加して終了となった。
今年最後の夜釣りは満足のいく釣果!!
港に戻ってメンバーの釣果を確認すると、「三本」に渡礁した加賀美さんが50cmクラスのフエフキダイを2匹ゲット(しかも2本バリで2点掛け)、「雌島の船着け」に渡礁した杉崎さんがイサキを15匹と、厳しい状況の中でもベテランの腕前を見せてくれた。
私も狙い通りにフエダイを釣り上げ、今年最後の夜釣りは満足のいく釣果となった。季節は秋へと移り変わり、これからは“青物”が楽しみな季節になる。次回は昼釣りの“青物”を狙って出掛ける予定だ。