2025年02月12日公開
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今回は私が所属する「湘南爆釣族 まるやま倶楽部」の磯釣り大会の様子をレポートする。今回でなんと、17回目の開催となるが、大会の場所に選んだのはいつもお世話になっている西伊豆雲見の「恵比須丸」さん。船長に情報を聞いてみると、1月上旬までは強い季節風の影響でほとんど出船できなかったようで、大会前の数週間の釣果は「メジナは小型が多く、良型は出ても一日に数匹程度」とのことであったが、大会ルールは「30cmオーバーのメジナ1匹の重量勝負」で決する事とし、夜明けの6時30分に出船した!!
港からほど近い「沖トンビ」に渡礁した
師匠である杉崎さんのリクエストで、私は杉崎さんと共に、港から1分で到着する「沖トンビ」に乗ることにした。雲見は全体的に水深が深い磯が多く、「沖トンビ」も足元から水深が15m程度ある。港から最も近い磯なので敬遠されがちだが、過去には杉崎さんが口太メジナの46cmを仕留めており実績十分な磯である。
釣り座は杉崎さんが船着き場に、私は南側の釣り座が気になってしばらく観察したが、岩ノリがびっしり生えており足場が不安定な状況であったため、まずは北側に釣り座を構えることに。「二人でワンツーフィニッシュを狙おう!」と意気揚々と準備を進めた。
磯際狙いで良型の口太メジナをゲット!
この日は寒のメジナシーズンの標準的なタックルを準備した。
<タックル>
■磯竿1.0号
■リール3000番
■道糸PE 0.6号
■ナイロンリーダー2.25号を4ヒロ(1ヒロは約1.5m)
■フロロカーボンハリス2号を2ヒロ強
■針4号
■ウキくん管付き000
コマセはオキアミ6kg、パン粉2kg、ヌカ2kg。様子見で15m沖にコマセを入れ仕掛けを合わせるも、下りの当て潮が強くあっという間に杉崎さんの釣り座の方に流されてしまう。そこで2投目からは磯際狙いに変更。釣り座の右側はサラシ場で、コマセが潜り潮に引き込まれる様子が伺えたので、仕掛けもそこに入れて強制的に潜らせた後に磯際をトレースする形で流していった。仕掛けが足元付近に来た時に道糸にわずかに変化があったのでアワセを入れると、25cmクラスの尾長メジナが上がってきた。深い水深を考慮して000浮力のウキを選択したが、この釣り方では仕掛けが入りすぎてアタリが分かり辛いので、「ウキくん管付き00」に変更し、棚2ヒロ半のところに「なるほどウキ止め」を付けた半誘導仕掛けとした。
同じように右側のサラシに仕掛けを入れて、磯際ギリギリを攻めてみた。「針が引っ掛かりそうだなぁ」と、そろそろ仕掛けを回収しようとした瞬間、ものすごい勢いでウキが消し込んだ。アワセを入れると「ジージージーッ」と道糸が引きずり出される。1回目の突っ込みを耐えて、反撃開始とリールを巻いた瞬間に針外れ。残念ながら大物をバラしてしまった!
正体は不明だが磯際に大物がいることが分かったので、同じように磯際をトレースすることに。先打ちのコマセに仕掛けを合わせ、仕掛けの流れるコースを見ながら、時間をかけて丁寧に追いコマセを仕掛けに合わせていく。仕掛けが3ヒロくらい入ったところでウキの沈下速度が少し変わった。慌てずにアワセを入れると、「ギューン」と竿が胴まで曲がる。磯際なので魚の引きが強いが、2回3回と突っ込みを往なしてタモ入れしたのは、良型の口太メジナだった。「これで入賞は確実かな!?」と、まずはひと安心の一尾を確保できた。
激シブの状況下でのラッキーパンチ!
10時に杉崎さんとコーヒーブレイクを楽しんだ後、気分新たに釣りを再開。しかし相変わらずの強い下りの当て潮で、魚からの反応も無くなってしまった。1号の重い仕掛けで竿2本(約10m)以上の棚を探ってみるも、サンバソウが1匹釣れただけで、本命からのアタリは全く無し。杉崎さんも手を変え品を変えやっているが「パターンが全く掴めないよーっ!」とお手上げ状態に入ってしまった。
気分転換のために朝イチで確認した南側の釣り座を見に行ってみた。こちらも下り潮であるが磯の先端では沖に向かって潮が流れているように見える。「イチかバチかやってみるか!」と短時間勝負を覚悟して場所替えすることに。磯際から5mのところににほんの少しだけ高い釣り座があり、そこは岩ノリがほとんど生えていないので何とか釣りになりそうな状況だった。
1投目、コマセを入れると予想通り沖に流れていくので、仕掛けを入れて多めの追いコマセを付けエサに同調させた。ウキが20m沖でゆっくりとシモり始めたところで、左手で掴んでいた道糸の動きに集中していると、「スススーッ」と道糸が走った。アワセを入れると竿が大きく曲がる。明らかに先ほどのメジナよりサイズが大きい!釣り座の左手は浅瀬とテトラ帯であり、釣った魚は必然的にそちらに突っ込んでいくので、浅瀬に来るまでは強引に、浅瀬に来てからは慎重にやり取りした。浅瀬に寄って来た瞬間にハリスが根に当たっている感覚が伝わってきたので、竿をゆっくり右側に立てて、魚が浅瀬から離れるように誘導した。その後も2度3度と激しく磯際に突っ込むが何とか耐えて、ようやくタモ入れに成功したのは、でっぷりと肥えた大型の尾長メジナだった!「やったじゃん!45cmくらいありそうだね!優勝じゃない!?」と杉崎さんからお褒めの言葉をいただいた。
「この勢いでもう1匹!」と意気込んでいたが、10時ころから徐々に大きくなったウネリが時折磯を洗い流すようになってきたので、3投したところで安全を考慮し元の釣り座に戻ることに。大物を釣ったあとだったので仕掛けを交換していると、杉崎さんの目の前に湧きグレが発生しているのが見えた。この日杉崎さんは偏光グラスをしておらずそれに気づいていなかったので、「杉崎さん、目の前に湧きグレがいるよ!」と教えてあげた。するとなんと1投目でその湧きグレを掛けたではないか!「おぉ、結構でかいなー!」と手応えは十分なようである。杉崎さんにとってはこの日最初のメジナなので慎重にやり取りし、タモ入れを手伝って手に入れたのは43cmの良型の口太メジナだった!「すごーい。やったじゃーん!」と称えつつも、これで優勝争いが全く分からない状況になった。
私も湧きグレを狙おうと準備完了したところで、沖磯の見回りから戻ってきた船長から「ウネリが大きいので、早めに撤収したほうがよいですね!」と言われたので、すぐさま片づけを開始し、12時過ぎに沖磯のメンバーの回収に向かった。
大会の結果は如何に!?
この日の釣果であるが、伊浜寄りの「長ッ崎」「シンヤ」は喰いが良く、イサキを中心に37cmのメジナや40mのヘダイなど、多くの魚の引きを楽しんだようだ。一方で雲見寄りの「スズメ」「釣切」「佐平場」は潮が動かず、苦戦を強いられたとのことであった。港に戻り計量を行った結果、第3位は「長ッ崎」に渡礁した吉田さん(700g/口太37cm)、第2位は杉崎さん(1,255g/口太43cm)、第1位は私(1,265g/尾長45cm)で、わずか10g差で3年ぶりの優勝を飾り、さらには約束通りの「ワンツーフィニッシュ」も達成し、思い出に残る大会となった。
帰りの車の中で「湧きグレ攻略」について杉崎さんにアドバイスをもらったが、付けエサは「むき身」にして(しかも針が見えてても良いらしい)、湧きグレの沖側から仕掛けをゆっくりと引いてきて、止めるタイミングを作ると、「そのタイミングで食うよ!」との事であった。次回の湧きグレ発見時には必ず試してみようと思う。個人的には寒のメジナシーズンは付けエサとコマセの同調を特に強く意識しており、同調が上手くいった時だけ釣れる場合が多い。2月以降はさらにメジナ釣りが難しくなるが、もっと腕を磨いで大物を仕留めたい!
この記事を書いたライター
釣りビジョンVOD
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