2025年03月14日公開

各地で良型メジナの釣果が聞こえる3月上旬。釣り味を楽しむのはもちろん、個人的に大好きな〝白子〟を堪能するために、西伊豆安良里の磯を目指した。狙うは腹パンの個体だ!
安良里の名礁「マルボウ」でチャレンジ
3月上旬の西伊豆は、季節風の影響で限定された日しか出船ができない。週末アングラーの私にとっては、天候と睨めっこしながら釣行の予定を計画する日々が続くのだが、今回の釣行は幸運なことにピンポイントの凪予報。師匠の杉崎さんとともに安良里港を目指した。
磯渡しでお世話になったのは『KOZOU丸』。釣行の1週間前に予約の電話を入れたところ、幸運にも人気磯の「マルボウ」が空いていたので、すかさず予約を入れた。安良里は大小12程度の磯からなり、収容人数は30人程度。冬のメジナシーズンはどの磯でも40cmオーバーを狙うことができるが、「マルボウ」「割石」は年間を通して良い釣果を狙えるツートップといえる。釣り座は過去に40cmオーバーを仕留めた場所を選択。杉崎さんが「クズレ」向いの釣り座、私は「小下田」向いの釣り座に陣取り、「頑張って大物を釣ろう!」と声を掛け合いながらスタートした。
生命反応なし、メジナはいるのか?
普段は2ヒロ(1ヒロは約1.5m)程度のハリスを使うが、ここ数年磯釣りクラブメンバーのベテラン勢はロングハリスの仕掛けで良い釣果をあげている。この日はまずロングハリス仕掛けでチャレンジすることにした。
■磯竿1.0号
■リール3000番
■道糸PE 0.6号
■ナイロンリーダー2.25号を2ヒロ
■フロロカーボンハリス2号を4ヒロ
■針4号
■ウキ Lサイズ00
ガン玉・シモリ玉・ウキ留めなしの完全フカセでスタート。コマセはオキアミ6kg・パン粉2kg・ヌカ3kg、付けエサは生オキアミ・芝エビのむき身を準備した。まずは、磯際や10m沖にコマセを入れて様子を見るが、潮が全く動いておらず魚の姿が全く見えない。支度中に海水を触ったときに「やけに温い」と感じたが、どうやら海水温が急上昇した影響と、動きの悪い潮の影響で魚の活性が落ちているようだ。30分、1時間と近場を攻めたが全く生命反応がないので、30m~40mくらい遠投して3分くらい放置してみるも、全くエサに触った形跡が残らない。
杉崎さんの釣り座は緩い当て潮のようで、仕掛けを張り気味にして細かいアタリを取る得意の釣り方ができないと嘆いていた。2人して「これはやばい。もしかしてボウズを食らうかも?」と心配した通り、2人で同じワンドを狙うも、うんともすんとも魚からの反応がなかった。
休憩がてら携帯電話を覗くと、釣り仲間から「狙いは超足元だよ!」とラインが届いていたので、藁にも縋る思いで超足元狙いに徹することに。G7のガン玉を追加して、沖向きのサラシ場の磯際ギリギリを這わすように仕掛けを入れてみる。左手で道糸の出し入れを調整していると、竿1本半くらいの棚でゆっくりと竿先を絞り込むようなアタリがあった。焦らずにアワセを入れると、「ギューン」と竿が根元まで曲がる良い引きを見せた。やっとの思いで掛けた魚なので、磯際まで移動し慎重にやり取り。上がってきたのは、40cmに迫る良型のアカハタだった。
とりあえず魚がいることは確認できたので、しつこく磯際狙いを繰り返したが、その後は無反応状態に戻ってしまったので、10時にコーヒーブレイクを取ることにした。
激シブの状況下でのラッキーパンチ!
気分新たに釣りを再開。仕掛けもいつもの2ヒロ仕掛けに変更し、「ウキくん 00」に「なるほどウキ止め」を付けた半遊動仕掛けとした。しばらくすると、杉崎さんから「何か掛けたぞー!」との声。竿の曲がりからはそれほど大きな魚ではないようだが、この日最初のヒットのためか、魚の引きを楽しみながらゆっくりやり取りする杉崎さん。あがってきたのは27cmの尾長メジナだった。「やったー、メジナボウズは逃れたぞ!」と、私にプレッシャーがかかる状況になった。
メジナが釣れた、杉崎さんと同じ場所を狙ってみる。相変わらずの緩い当て潮。仕掛けの動きに合わせて左手で道糸をゆっくりと手繰っていると、道糸をひったくる強いアタリが!これもそれほど大きくはなさそうだが、メジナボウズを逃れるために慎重にやり取り、あがってきたのは、残念ながらサンノジだった。。。
13時を過ぎた頃、30m沖に潮目ができたので、しばらくそこを狙うも、南西風が強くなり道糸の操作が難しくなってきたため、一段低い場所に移動。コマセを5杯ほど先打ちし、ウキを被せる。ウキの着水と同時に竿先を海中に入れてPEラインの浮き上がりを防止し、追いコマセを5杯ほど追加。潮はゆっくりと小下田方面に流れる理想的な状況。仕掛けが潮筋から外れないように、竿先を海中に入れっぱなしで仕掛けを流す。すると、ウキが見えなくなって2分、パラパラとスプールから出ていた道糸のスピードが速まった!慌てずにアワセを入れた瞬間、重量感と共に竿が胴まで大きく曲がる。魚の体力を奪うためにドラグを締めなおして思いっきり竿を曲げてゆっくりと寄せてくる。引きの感じから間違いなく良型メジナであることを確信したので、足元に来てからも魚の動きに合わせて竿を操作。無事にタモ入れできたのは、待ちに待った40cmの腹パンメジナだった。「やったね!凄く良い竿の曲がりだったよ!」と杉崎さんも嬉しそうだった。
その後は杉崎さんも私の最初の釣り座に移動し、2人で沖の潮目を狙ってみたが、生命反応がないまま1時間が経過。15時の磯上がりの時間を考慮して14時30分に納竿とした。
念願の「白子ポン酢」を堪能
この日は海水温の上昇と動かない潮の影響でどの磯も大苦戦を強いられたようで、メジナの顔を見ることができたのは我々が渡礁した「マルボウ」だけだった。幸運にも40cmオーバーを手にできて、船長にも良い報告ができた。
翌日、魚を捌くと、これまた幸運なことに大きな白子が入っており、お目当ての「白子ポン酢」を堪能。皮目にはしっかりと脂が乗っており、お刺身も美味しくいただくことができた。3月以降は産卵の影響で更に難しい状況になるはずだが、美味しいメジナを堪能するためにまた磯に出かけたい!
施設等情報
施設等関連情報
磯上がり:15時
料金:5,000円
アクセス:新東名高速道路「長泉沼津IC」から1時間10分
この記事を書いたライター
釣りビジョンVOD
その他オススメ記事
