2023年11月03日公開
東北自動車道を北へと進むにつれ、秋の深まりを感じる景色が流れた。空にはうろこ雲、河原には多くのトンボが飛び交った。残り数回となったアユ釣り釣行。今回向かったのは栃木県・那珂川の支流「箒川」。シーズン始まりには近年稀に見る天然遡上数との事だったがシーズン終盤の箒川はいかに⁉
水温の低い午前中は苦戦!修行の時間が続く…
この日は地元のチームの方々との釣行。那珂川のメインポイントである「町裏」ポイントで待ち合わせ。流石にこの時期になると大分釣り人も減ってきている。竿を出す人も数える程。しかし、ポツリポツリとアユは釣れていた。それにしても早朝の河原は寒さが厳しい…。
メンバーも揃い、今回は最近評判の良かった支流の箒川へと向かうこととなった。那珂川本流との合流点にほど近い「箒橋ポイント」へ。箒川は評判が良かった事もあり多くの釣り人が竿を出していた。こんなに寒いのに皆釣り好きね~(笑)。
準備をしていると地元の方から「午前中はかなり厳しいかもしれない」との言葉。「覚悟はしています!」とは言うものの何とか午前中に野アユをゲットしたいところである。橋を境に下流は小石底のポイント。橋上は岩盤が点在するポイントとなる。皆思い思いのポイントへと散っていった。
私は先ずは入川口目の前のチャラ瀬からスタート。石色は悪くない。天然遡上と思われる小アユも時折跳ねていた。早速オトリを送り込むが無反応…。「アユはいるのにな~」。ここでは粘らずポイントを移動していく。浅瀬がダメなら少し水深のある所へと思い、橋の欄干周りの掘れ込みへ。オトリを送り込むと早速反応が!しかし、中々ハリ掛かりしない。
反応を見る感じどうやらアユは小さそうだ!と言うことでハリを小さめの6.5号にチェンジ!再度同じポイントへとオトリを送り込むとキラリーン!キタキタ~!小ぶりではあるがサビも無い元気なアユだった。「さ~こっからじゃ~!」と気合を入れるがやはり活性は良くない…。欄干周りを粘り30分に1匹程度にとどまった。何はともあれ、渋い午前中に5匹の野アユが釣れたので上出来である!
午後は水温上昇!活性が上がるも青藻との戦いに!
河原でのカップラーメンは何でこんなにも美味しいのだろう!お昼休憩はカップラーメンで冷えた体もポカポカだ!
さあ、何とか後半戦釣果を伸ばしたいところだ。午後はいっちょ岩盤を攻めてみよう!午前中満員御礼であった岩盤にも空きが出来ていた。実は午前中釣りをしながら上流を見ると1人の釣り人がテンポ良くアユを掛けていたポイントがあったのだ。密かにそのポイントを狙っていた。橋上の岩盤の瀬肩へ。
目に飛び込んできたのは岩盤に煌めく多くのアユの姿であった。「こりゃ~凄い!」。しかし、アユ煌めく岩盤をよく見ると何やらモヤモヤ~と緑の物体が揺らめいている。岩盤の頭の部分はハミ跡もあり黒々しているのだが岩盤の縁にはびっしりと青藻が。何とも釣り難い感じである。振り返り右岸のヘチを見るとここにもアユはいるものの巨大な青藻の塊が点在しているでは無いか…。
ヘチはとてもじゃないが竿を出せる状態ではなかったため、諦め左岸に向け竿を出すことに。岩盤の瀬肩は2段になりその下に落ち込みの淵がある。まずは一番上の段から。ひと流し目でガツン!とアタリはあったもののケラレ!又してもハリ掛かりせず。と流心に入っていた相方に当たりが!クウ~!しかも連続ヒットだ。追うアユはいる!
3連チャ~ン気持ちの良いアタリがが続く!
一つ下の段へ移動落ち込みギリギリを狙うがそこには青藻が付いており根掛かりが頻発してしまう。しかし、反応もある!さてどうしたものか…。ラインにも青藻が絡んでしまっている。ここでオトリをこの日一番のエースに変え再トライ!足元から放ち!「さあ~行きたいところに行きたまえ!(笑)」
さすがエースである!最高の泳ぎ!ぐんぐん沖へ!「ギューンガッツンー」きた~今日イチのアタリだ~!サイズもアップ!落ち際ではなくやはり青藻の比較的少ない水当たりの良い小場所でのヒットであった。ここから3連チャ~ン気持ちの良いアタリが続いた。オスにはサビも見られたが、メスはプリプリの良いアユだ。やはりこの時期メスのオトリの方が断然ヒット率が高かった。
オトリの元気さと、ポイント選びで釣果に差が出る。反応のない所では粘らず移動が鉄則!アユのいる所と、いない所の差は歴然である。
陽が落ちると一気に気温が下がり当たりも遠のいた…。震えが止まらなくなる前に納竿である。この日一番の釣果は山形から合流した名手。足を使い的確にアユの付き場で釣果を上げてきた。流石である!場所によっては25cm程の良型のアユも釣れていた。
まだまだチャンスあり!の箒川
今シーズンは猛暑の影響で渇水が続き青藻に悩まされ続けた那珂川水系。しかしアユの数は凄い!この終盤に至っても多くのアユが残っている。アユの数が多いからか“大鮎”には中々出会えない状況だが、まだまだ若さの残る天然遡上のアユ達が相当数残っている。
終盤になり一度解消された青藻もまた発生してしまい、厳しい釣りにはなるが、止むに止めれぬ感じにアユは釣れる。禁漁になった河川が多いこの時期、最後の最後まで竿を出せる箒川にはラストチャンスあり!去り行く紅葉…最後のその時までアユ釣り師を楽しませてくれる場所がここにある。
施設等情報
施設等関連情報
「箒橋ポイント」