2023年11月18日公開
今回で13回目となった「湘南爆釣族 まるやま倶楽部」の磯釣り大会。大会の場所となったのは静岡県・西伊豆 雲見。今秋の雲見は、フカセ釣りのイサキはアブレなく、スマガツオ、ショゴ(小型カンパチ)、シマアジなどの“青物”も好調で、底物ではイシダイ、イシガキダイ、“根魚”もアカハタ・オオモンハタが連日釣れていると事。大会ルールは「お持ち帰りする最大魚の重量」での勝負。2年近く優勝から遠ざかっている私は、今大会は一発大物のみを狙い、気合を入れて大会に臨んだ!
前半戦は“スルルー”で大物を狙う
大会幹事の私はメンバーの希望磯から漏れた「千貫門」の南側を選択。ここはは景勝地としても名高く、足元から水深10~20mのドン深で、潮通しも良く大物が期待できる磯である。
今回は前半戦を“スルルー”で、後半戦をウキフカセで挑む事に。“スルルー”の仕掛けは、磯竿2.2号/リール5000番/道糸PE1.5号/ナイロンリーダー5号を4尋(1尋は約1.5m)/フロロカーボンハリス12号を2尋/ヒラマサバリ14号。ウキはメンバーの竹名さん作製の「スルルースペシャル 管付きウキ」でウキ止めは付けずに深いタナまで探れる仕掛けとした。“スルルー”釣りは経験が浅いので『釣りビジョン』動画で勉強し、餌はキビナゴと豆アジを準備した。まずはキビナゴで攻めてみる。
キビナゴを3匹程度パラパラと撒きながら、なるべく同調する様に仕掛けを入れていく。緩やかな上り潮に乗せて暫く流していると、ウキが少し沈む様子が見られた。竿2本(約10m)以上は仕掛けが入っているので「“根魚”が触っているのかな?」と半信半疑で合わせを入れてみると、ゴンゴンゴンッ!と激しい引きで竿を曲げてくる。十分に引きを楽しみながら見えてきた魚体は、予想通りの良型のアカハタだった。幸先よく1投目から釣れたものの狙いは大型魚だ。
今度は餌を豆アジに変更し更なる大物を狙ってみた。豆アジが視界から見えなくなった頃、道糸がススーッ!と走ったと思えば一旦止まり、また再び走り始める。「何か変だなぁ?」と思いつつ合わせを入れるが空振り。仕掛けを回収してみると、豆アジの頭だけがかじられていた。どうやらアオリイカに悪戯されたようだ。潮に流すとアオリイカに触られるので、今度は磯際を丹念に攻めてハタ系の大物を狙ってみるが、ウツボの猛攻でどうにもならない。
豆アジでは目立ちすぎてしまうのか、仕方なくキビナゴに再変更した。磯際から竿1本程度の距離から仕掛けを入れていくと、竿先を引っ手繰る強烈なアタリ。間髪を入れずに合わせを入れると、引きは中々強いが重量感が感じられず上がってきたのは35cm超えのオジサン。どうやらこの場所はオジサンのマンションだったようで、オジサン5連荘を達したところで狙い場所を変更した。その後は沖の沈み根付近でアカハタを数枚追加したものの、大物には遭遇できず、時刻が満潮の9時に迫ったところで、後半戦の支度と暫しの休憩を取ることにした。
後半戦はウキフカセで大物を狙うも!?
後半戦はウキフカセでマダイなどの大型魚を意識したタックルを組んだ。基本仕掛けは前半戦と同じであるが、サルカンから下の仕掛けを、フロロカーボンハリス4号を2尋/グレバリ8号に変更した。水深が深いのでパイロットウキは自作の「ウキくん000 」を選択、ウキ留め無しの全誘導仕掛けとし、完全フカセでスタートした。コマセはオキアミ3kg、パン粉2kg、ヌカ2kg。深場のマダイを意識して視認効果の高い押し麦も多めに追加した。
付け餌のLLサイズのオキアミを付けて仕掛けを投入するも、満潮の時刻で潮が緩く餌取りに取られてしまう。なるべく潮が動いていそうなポイントを探した。どうやら伊浜方面の下り潮が緩やかながらも他のポイントより潮が動いていそうだ。狙いのポイントを変更し、2投目、3投目とやってみるが餌盗りに取られるので、コマセが届く範囲で大遠投を試してみた。
仕掛けを入れて暫く待っていると、道糸がスススーッ!と走った。慌てずに合わせをいれると、やや叩くような引きで磯際に突っ込んでいく。ギラッと白い魚体がみえたので「イスズミか~」と思いながら足元まで寄せると、綺麗な黄色の斑点が見えた。「やったー、カイワリだ!」と慌ててタモを準備して、タモ入れに成功したのは35cmを超えるまずまずのサイズのナンヨウカイワリだった。「この調子で大物を!」と行きたいところであったが、今度は緩い上り潮に変わったためポイントを変更。
相変わらず手前は餌盗りに取られるので、大遠投で攻めてみた。魚のいるタナを把握するべく、仕掛けを投入後カウントしながら流していくと、80秒くらいの棚でイサキが食ってきた。次の1投は120秒待ったが餌を取られ、その次の1投は90秒位のタナでイサキが喰ってきた。イサキのタナは恐らく竿1本半程度。そこから下のタナを効率よく探るべく、1号ウキに錘の1号とBを装着し、竿1本半から下のタナを沈めながらゆっくりと探る仕掛けに変更した。イサキの下にマダイがいると信じで、今度は竿2本のタナに変更。アタリの回数は先ほどより減ったものの、釣れてくるのはイサキのみ。悩ましい時間が過ぎて行った。
激流に流して最後まで粘るものの…
時刻が正午を迎えた頃、早い上り潮に変わってきた。相変わらず重仕掛けで挑んでいたものの、時間と共に潮が激流の様に流れ出し、重仕掛けではコマセとの同調が難しくなってきた。釣果もイサキがポツリポツリと釣れる程度になってきたため、仕掛けを変更する事にした。この時間になり小魚の群れを追って“青物”が活発に海面に顔を出すようになったため、ウキを「ウキくん00」に変更し“青物”を狙ってみる事にした。
仕掛けを変更したことでコマセと同調するようにして刺し餌が流れるようになった。暫く流しているとバリバリバリッとスプールから道糸が放出され、合わせを入れるも釣れてきたのは35cm級のイサキ。サイズは上がったが狙いは“青物”。今度はコマセを刺し餌の上流側に撒いて、仕掛けを強く張りながら待つと、凄まじい勢いで道糸が指を弾く。
「これは間違いなく“青物”だ!」。海面を走り回っているので、慌てずに時間をかけてやり取りすると、上がってきたのは35cmクラスのソウダガツオ。狙うはスマガツオの45cmクラスであるが、同様な釣り方でやっていると同サイズのソウダガツオが釣れてくる。どうやら型の小さいサイズが群れているようだ。その後も同サイズのソウダガツオを釣ってはリリースしながら粘ってみたが、時間の経過ともに“青物”の群れも姿を消し、最終的にはイサキの連荘モードとなったため、14時のお迎えに備えて13時30分に終了とした。
大会の結果は如何に!?
各々好きな磯に上がったメンバーの釣果は、イサキは全員安打で、スマガツオ、アカハタ、メジナ等。それぞれに楽しい時間を過ごせたようだ。計量の結果、第1位は1335g(43.5cm)の見事なメジナを釣り上げた加賀美さん。第2位、3位はスマガツオを釣った嘉山さん、杉崎さん。残念ながら私は目標の一発大物と優勝の夢は叶わなかったが、この時期ならではの“五目釣り”を存分に楽しむ事ができた。
今年は高水温の影響でメジナの本格シーズンはまだまだ先になりそうであるので、秋磯の大物に出会えることを夢見てまた磯に出掛けたい‼