2024年06月09日公開
日本一早い解禁(2024年5月26日)を迎えた秩父荒川にて、これまた日本一早いアユ釣り大会「アユ釣り選手権in秩父荒川CUP」が開催された。今回は〝10回目〟という節目の記念大会となり、3位までに入賞すれば何と〝アユ竿〟が贈呈されるという豪華な大会となった。エントリー開始から3日で満員御礼となり、総勢100名にものぼるアユ釣り師達が会場に集結。 果たして、優勝は誰の手に!? シード権を賭けて前日に開催された「ドリームマッチ」の模様と併せて紹介していく!
シード権を賭け行われたドリームマッチ!
記念大会とあって今年は特別に本大会前日に「ドリームマッチ」なるものが開催された。「ドリームマッチ」とはなんぞや?と思われるかもしれないが、こちらは第1回大会から第8回大会までの上位3位までの入賞者による本大会のシード権争いとなる(第9回前年度の上位3名は本大会のシード権がある)。参加者は14名。その中から5名がシード権を得る事となるのだが、2時間一本勝負の行方はいかに!
前々日となる23日に再放流が行われ、今までとはまたアユの着き場も変わり、ポイント選びが非常に難しい状況となった。見えアユも少なく、とにかくオトリを入れてみないことには状況が把握できない。ポイントの見極めが釣果に大きく関わってくる。前日の情報では下流の深場での釣果が良かったようだが、深みに溜まるアユはそう簡単には掛からない。
選手たちは散り散りになり、思い思いのポイントに入る。当日の朝は気温も低めで厳しい状況が続いたが、さすがは上位入賞経験者たち。厳しい中でも接戦が繰り広げられた。2時間という試合時間はあっという間に終わり、シード権を得た上位5名の釣果は1位から18尾、14尾、12尾、10尾、9尾となった。
予選のくじ引きは絶好調!
曇り空の肌寒い朝を迎えた。大会エリアは決して広くない中、予選では約90名の選手が出場する。ほぼ移動することができない状況が予想された。となると、最初に立つポイントが非常に重要となる。
まずは入川順を決めるくじ引きから。私は今まで多くの大会に参加してきたが、とにかくこのくじ引きで良い番号を引き当てたことがなかった。「半分より前だとうれし~な」と、なんとなく考えていた。そして、いよいよ私の番が来た!こういう時は無心に限る(笑)。
最初に手にしたくじを引きあげた…すると、何と何と8番と書かれている!ヒョエ~!何と良い番号!しかし、手放しには喜べぬ私であった…。正直どこに入って良いか全くもって見当がつかない状況であったのだ(汗)。
いよいよオトリ配布が始まる!ギリギリまで悩み抜いた結果、ゴールデンウィークからずっと川に立ってきた強みを生かし、安定してアユが釣れていたポイントをチョイス。下流にアユが溜まる深みのある岩盤のポイントへ。仕掛けを張りながら目を凝らしていると僅かではあるがアユの煌めきを発見した。
試合開始。決勝に進出するぞー!
8:30になると試合開始の花火が上がった。一斉にオトリが放たれる中、私はしばらく竿を出さず、周りの様子を見ることにした。あまりにも川の水は冷たく、陽も出ていなかったので、朝は厳しいと考えての行動であった。さらに、11:00までの試合時間の中で、少しでも元気な状態でオトリを持っていたかったのも理由のひとつ。
開始20分経った頃、岩盤の白泡の中にギランと大きく輝くものが見えた。「これはアユがいるぞ~!」。やっとハナカンを通し、オトリ1号の出動だ!下流から白泡へとオトリを送り込むと、オトリの動きが激しくなった。間違いなく近くにアユが居るはず。そう思った瞬間、目印が一気に岩盤の溝へと引き込まれた。
タモに収まったのは予想に反し、19cm程の濃い追星を携えた良型のアユであった。このアユを放つと、実に良い泳ぎをしてくれた。そのアユが白泡に差し掛かると、今度はひったくるようなアタリが…。サイズはダウンしたものの、これまた、〝まっきっき〟のアユであった。幸先良いスタートに「これは行けそう!」と思ったのもここまで。その後、1時間まったく反応なし…。人だらけで動くことすらできない。
丁寧に釣りをすることだけを心掛けて、ポイントを隈なく探っていたところ、残り1時間を切った頃、上流の選手が移動しポイントが空いた!すかさず、ひとつ上の岩盤へと移動し、オトリを放つと反応が…最初に釣れた良型のアユをオトリにすると「スッコーン!」というアタリ。「やっときた~!」と喜んでいたも束の間。時すでに遅し…。無情にも試合終了の花火が鳴り響いた。
検量に向かうと22尾のカウントが耳に入ってきた。「そんなに釣れるところがあったのか!」と驚いてしまった。どうやら分流とエリア最上流近くで良い釣果が出ていたようだ。予選では上位5名が20尾オーバーと素晴らしい釣果であった。決勝ボーダーは9尾となり、30名の決勝進出者が決定した。
大接戦の決勝!勝負の舞台は分流で繰り広げられた!
今回、友人たちが決勝に駒を進めていたので、私は応援を!オトリが配られると、多くの選手は分流へと歩を進めた。やはり予選で好釣果が出ていたポイントは人気だ。
大会本部前のポイントには、いつもアユ釣りを教えてくれる「泳がせの名手」のアニキ!そして毎年遠征を共にする友人も座を取った。その他にも解禁日に出会った「小学生アユ釣り師」の姿も見られた。
開始の合図とともに、泳がせの名手のアニキが即掛かり!そこからが凄かった…なんと、怒涛の入れ掛かりを見せたのだ!腰を下ろし、狭い分流のポイントを実に丁寧な泳がせで、次々にアユを釣り上げっていく。開始早々でこの釣果はもう、優勝じゃないか!?と言えるくらいのペースである。
その頃上流の友人にも1尾目がヒット。こちらもそれ以降、良いペースで数を稼いで行った。分流に入り1尾目に苦労する選手もいたが、1尾が掛かれば連発する選手も多かった印象。小学生アユ釣り師の少年は、開始早々根掛かりをしてしまい最初の1尾を獲るのに苦戦していたが、小学生とは思えぬ落ち着いた様子であった。
そして1時間ほどが経った頃、分流で連発していた選手たちがペースダウン。小さなポイントなので、追うアユをある程度獲ってしまうとペースは落ちてしまう。そのため、ここからが腕の見せどころ。泳がせの名手は流石、少しずつポイントをズラし、葦のキワキワまで丁寧に攻め、釣果を伸ばす。
この頃1人ハイペースでアユを掛ける選手の姿が…それは最初に苦戦していた小学生のアユ釣り師だった。入れ掛かりを連発し怒涛の追い上げを見せる少年。応援団も大盛り上がり!
残り15分になる頃には分流に入った選手達の釣果は拮抗し、どの選手が優勝を掴み取るかわからない状況となっていた。 本流に入った選手は、午後も川の状況が好転せず苦労していた。
豪華賞品も大会の魅力!果たして優勝は誰の手に!?
先にも述べたが、今回の記念大会はとにかく賞品が豪華過ぎる!1位から3位の選手にはアユ竿が贈呈されるのだ。皆固唾を飲んで発表を待った!
そんな中、優勝したのは17尾を釣り上げた「地元の名手」!流石である。準優勝は1尾差の16尾を釣り上げた「泳がせの名手」のアニキ~!そして14尾を釣り上げ3位に入賞したのは、これまた遠征を共にする友人。嬉しい大会初入賞となった!
仲間の活躍が輝かしかった今大会。皆に拍手を贈られる友人たちが誇らしかった。私はと言えば…何とかレディース賞を頂くことができた。
記念大会も無事終了の時を迎えた。戦いの終わった選手達はノーサイド!大会会場には何とも清々しい風が吹いていた。
施設等情報
施設等関連情報
住所:秩父市久那1874
漁期:4月29日6:00~9月1正午
料金:日釣り券3000円(現場5000円)年券:14000円
※簡易トイレ完備・河原大型駐車場完備
「アクセス」
関越道花園インターからR140で秩父方面へ向かう。花園インターからオトリ店までは約1時間