2024年06月29日公開
国道413号線「道志みち」。相模原市から富士山へと続く、このワインディングロードの新緑の〝緑〟がとにかく美しかった。全国的に続々と鮎が解禁された河川が増える中、6月16日、いよいよ山梨県道志川もその時を迎えた。夏日、青空予報とは裏腹に雨残る道志の山々には霧がかかり、肌寒いスタートとなった。さてさて、今シーズンはどんな出会いがあるのだろうか?
今シーズンの道志鮎はグットコンディションの良型!?
前日の雨予報が長引き、小雨降る解禁日のスタートとなった。まずは、遊漁券とオトリを購入するために、釣りでもキャンプでもいつもお世話になっている「椿キャンプ場」を目指した。到着したのは4時30分。すでにキャンプ場の駐車場は解禁を待ち侘びる鮎釣り師で賑わっていた。前日の30度超えの気温が嘘のような寒さ。これが道志の朝である。
久しぶりにお会いするおじちゃんは、元気そうで何よりだ!「今年の道志鮎はどうですか?」と尋ねると「ここ数年は鮎が小さい解禁日になる事が多かったが今年は違うぞ!」とのこと。何故なら…鮎の放流をおこなった際に川の状態が非常に良く、良い垢が付いていたそうだ。その影響か今年は成長が早く、良型の鮎が多いという。試し釣りでも19~20cmの鮎がいたとのこと。これは楽しみ!道志鮎たちの、あの針をひったくるような強い当たりを味わえそうだ。
準備を整え、そのままお気に入りのキャンプ場前で竿を出そうと思っていたが、狭いポイントなのですでに満員御礼状態であった。そこで数年ぶりに「道の駅どうし」前のポイントに向かってみることにした。
道志川は駐車スペースが少ないことと、川幅が狭く竿を出せないポイントが多い。道の駅に向かう道中、所々駐車できるポイントにはギュッと人が密集しているのが見受けられた。果たして、混雑必至の道の駅ポイントには入る場所が残っているだろうか…?
釣り人の少なさに不安を感じるも、毎年会う道志川の鮎釣り師を発見!
いつもは車にバイクに満車状態の道の駅も早朝であること、さらに雨も重なってガラガラ状態!「釣り人の車も少ないな~」と思い、川を見に行くと解禁日とは思えぬ釣り人の少なさであった。見える範囲で釣り人は5人のみ。ん?これはどういうことなのか?雨のせい?寒さのせい?混んでいるポイントもあったのに…。もしかすると、この道の駅周辺は釣れないのかな~?と一抹の不安を感じたのであった。
川へ向かうと遠くで手を振る人が…おお、毎年道志川でお会いするおじさまだ!「めちゃくちゃ空いてますね~」と尋ねる私はさぞかし不安そうな顔をしていたのだろう。「大丈夫だ!人は少ないが良いアユが釣れるぞ!」という嬉しい一言を投げかけてくれた。確かに、目視できる範囲の釣り人の竿は交互に曲がっている。
オススメのポイントを教えてもらい、私は上流へ、相方は大きく下流へと向かうことにした。
良型の鮎が釣れるはずが!?
私は道の駅前の橋を越え上流へ。釣り人は遠くに1人のみ。ポイントは選び放題だ!透明度の高い清流だが、ここの鮎は川の色に同化してしまい見づらいのである。なのでしっかり石色を見て行こうと、しばらく上流へ歩いていると中型のゴロゴロとした石が詰まった少し深さのあるポイントに辿り着いた。実に石色が良い!ヨシ!ここで竿を出そう!
オトリを足元から送り出し、立て竿で泳がせ流れの際に入った瞬間!「キラリーン!」鮎が煌めき、さっそく掛かる。「お~キタキタ!」。しかしタモに収まったのは12cm程のちび鮎ちゃん…。あら?良型の鮎はいづこに…?
狙った薄色の石周りで目印ぶっ飛び!
12cmの小型鮎からのスタートとなったが、このチビ鮎が実にいい泳ぎをしてくれる!少し大きめの石周りを狙ってフワフワと泳がせていると、突然の「ギュイーン!」。目印がぶっ飛び「キターーー!お!重い!」上がってきた2匹目の鮎は18cm程の良型。背中が尖りシュッとしたスタイルの美しい追星を持つ鮎だった。
釣りを開始してから鮎の姿や跳ねを見ていないが、オトリを入れれば気配ムンムン。そして、ここから3連チャン!目印の飛び方も気持ち良い!終始入れ掛かり、というわけではないが、連チャン、休憩、連チャンのペースで最初の1時間は時速13匹の釣果となった。オトリを送り込んだ後、着水と同時に鮎が飛び付いてくることも多く、活性の高さを感じる。
そして、しばらく釣っているとわかったことがあった。それは石の色による釣れ方の違いだ。川には濃い茶色の石と薄い色の石が点在しているのだが、薄い色の石脇や頭で良型の背掛かり率が高かった。濃い色の石周辺でも掛かるが、掛かりどころが悪かったり、小型の鮎がヒットすることが多かった。今回、掛かりが悪かったケースは口掛かりが多く、ハリスの調整をしなかったのは反省点。
そして、もう一つ道志川の水温は低い!ということ。しかし、鮎たちは常に低い水温に慣れているのか、早朝でも活性は高かった。朝だから掛からないということはなく、陽が出て暖かくなってもペースに変化はなかった。ポイントをズラして、良い感じの浅いじゃら瀬に竿を出してみたが、どうも釣れるペースが悪い。どうやら今日は少し深さのある場所で、薄色の石を狙うのが正解のようだ。
それにしても同じポイントで何度でも掛かる鮎!追いの良い鮎を抜いても、またすぐに次の鮎が縄張りを持つ。釣り返しの無限ループ。すっかり私はこのポイントに取り憑かれ、地蔵と化していた(笑)。
瀬ではさらに良型が!しかも美鮎ばかり!
下流に向かった相方は、手前側が緩い流れになっている左岸際の少し深さのある瀬を攻めていたようだ。流れの強い所ではさらに良型が顔を見せていたという。ここでは瀬と手前の浅瀬を繋ぐ砂地を行き来する鮎たちの姿が度々目視できていた。鮎が掛かれば瀬の流れの中で「ギラリーン」と輝きも見えたそう。掛かったときの、あの「ギラーン!」は鮎釣り師にとって興奮の瞬間だ。
私もそうだったが、下流に入った相方も浅瀬のジャラ瀬は釣れるペースが悪かったようだ。瀬であっても少し深さのあるポイントの方が良いペースで釣りができたとのことだった。瀬で釣れた鮎が当日最大の鮎で20cmだったようだ。
今シーズン道志の川には良型鮎が溢れている!数も凄いが、いつにも増して美形の追星美しい鮎が多い。尾鰭、背鰭は大きく実に美しい。遊泳力は強く小さな鮎でも体力がありしっかり泳ぎ次へと繋げてくれる。
川も鮎も最高のコンディションの幕開けとなった道志川。これからますます成長をみせる道志鮎たちは、私たちの夏を煌めかせてくれることだろう。澄み切った空気と渓谷美、そして美しい鮎。道志川には素敵が沢山詰まっている。皆様も是非、癒しの釣行へおいでやす!
施設等情報
施設等関連情報
山梨県南都留郡道志村椿4229
0554-52-2465
※遊漁券・オトリ取扱あり
漁期:6月16日~10月31日
年券:8,000円
日釣り券:2,000円(現場売り2,500円・女性半額1,000円)
※川幅の狭いポイントが多く短竿があると良い(6~8m)
※道志川は神奈川県と山梨県に跨り、遊漁券が違うので注意