2024年08月13日公開
釣行当日、不安定な空模様・・・午後からは雨予報。短時間勝負となりそうだ。前日に下見をした時に竿を曲げる姿を多く目にした新潟県糸魚川市にある「能生川」へ向かう事に。毎年、糸魚川の近隣河川早川、姫川、海川と釣行に来ることはあったが能生川での竿出しは今回が初となる。遡上絶好調な日本海河川はいかに!?能生川でどんな鮎達に出会えるだろうか?ワクワクが止まらない!
石は磨かれピッカピッカ!
前日に川周りをしていたのでポイントはバッチリ。午後からの雨予報もあり今日は早起きし一番乗りを目指す事に!高鳥商店さんでオトリ、遊漁券を購入し、向かうは橋上から入れ掛かりを目撃したポイントへ!到着すると釣り人の姿は無く一番乗り達成!先ずは橋上からチェックを。川を覗き込むと今日も鮎の煌めきバッチリ!能生川は輝いていた。天気も良い!これは期待大である。ワクワクソワソワが止まらない!
川に降りると小石底の石は磨かれ実に良い色をしている。チャラ瀬、トロ場、荒瀬・・・とポイントもバラエティーに富んでいる。そして何より川全体浅場が多いので私にも多くのポイントを釣り歩けそうだ!そうこうしている間にも川では鮎の跳ねや、煌めきが見られた。噂通り今年はとても遡上が良い事が伺えた。
チャラもトロも瀬も太陽パワーで連チャン!
先ずは目の前の橋下へと広がるチャラ瀬からスタートする事に。水深は大好きな極浅(笑)!根掛かりに注意が必要だ。ハリスを短めにしてオトリを放つ。オトリはすこぶる元気に流れへとすっ飛んで行った!流れの中に僅かにあるタルミや、ヨレを狙う。カツッ!早速反応があり鮎の気配ムンムンだ!丁寧にオトリを管理し上流へと泳がせていくとカッツーーーン!目印を吹き飛ばす何とも気持ちの良い当たりが!
竿を立てると掛かり鮎はビュンビュン泳ぎ、強烈な粘りで中々上がってこない。グングン竿は曲がり必死に耐える私!何とか引き抜き成功!無事タモにイン!掛かり鮎を見るとサイズは18cm程だったが、驚いたのは追星の〝濃さ〟である!なんと3本ラインのマッキッキ~!香りも良く鮎を掴んだ手からはいつまでもスイカの香りがした。上流を見ると相方も瀬落ちの深みで良型を掛けていた!同じくあまりの鮎の黄色さに驚いたと言っていた。ここから野鮎を手に入れた私達にはパラダイスが待っていた!
野鮎は恐ろしく良い泳ぎ!これで掛からないわけが無いだろう!と言った感じだ。〝ここ〟掛かりそうだな~と思うポイントへオトリを入れれば一発!気持ちの良い目印吹っ飛びカッツーーーンである。上流でもカッツーーーン、キテますキテます!ここから5連チャン!狙い通りのポイントで当たりがあるというのは何と気持ちが良いのだろう!
「掛かりそうなポイントで掛かる」というのはここ能生川の鮎達がいかに素直かと言うことだ。能生鮎に小細工は不要!鮎釣りの基本に忠実に釣りをすれば良いのである。「オトリを放ち張らず緩めずで泳がせる!」ただこれで良い!これに素直な能生川の鮎達はしっかり答えてくれるのである。これが鮎本来の姿なのだろう。掛かる鮎達は、ほぼ背掛かりど真ん中!しっかり縄張りを持ち、追って掛かってくれるので針掛かり良くバレもほぼ無い。
同じポイントでは2~3匹取ってしまうとストップ。少しずつ筋をずらしオトリを入れていく事が釣果につながった。能生鮎とのやり取りを満喫しつつ多くのポイントを釣り歩いた。ここの鮎の当たり。引きは何度味わっても飽きることが無い。目印が水中に引き込まれる瞬間のドキドキは中毒になってしまう。実際の鮎のサイズからは想像もつかない強い引きである。恐るべし能生鮎!改めて〝天然海産〟鮎のパワーを実感したのだった。
怪しい雲が近づくとチャラ瀬の鮎が追い渋く、荒瀬が好調に!
10時を回った頃だろうか。予報通り、夏全開の青空に怪しい雲が掛かり始め、太陽が顔を隠した。すると、先程までの好調が嘘のように浅瀬ではピタッと当たりが止まった。これも素直な鮎が故なのだろうか!?暫く放浪の時間が続いた。あちこちオトリを入れてみるが反応がない。
すると遥か上流の相方が再び竿を曲げ始めた!どうやら荒瀬では掛かるようだ!ちょっと苦手な瀬釣りだが、移動する事に。相方はオモリを!私は背バリ装着!強い流れの中のヨレを狙いオトリを入れるとゴンゴン!ギュイーン!1匹目は油断しあっという間にのされてしまった(汗)。ガタガタと下って何とかキャッチ!朝よりもサイズアップした20cm程の鮎であった。流れの中での引きは強烈!甘く見ちゃいけない!と実感した1匹となった。
瀬で釣れた鮎の遊泳力は半端なく、荒い流れをグングン昇っていった。連チャンとはいかなかったが、〝飽きぬ〟ほどには釣れ、足を使いポイントを探ればいるところでは前当たりなしの突然のギュイーンがやって来た。瀬でもほぼ背掛かり!油断するとあっという間にのされてしまうので注意が必要だ。1匹1匹パワー全開で挑んだ結果、腕も足もヘトヘトになった。
お昼頃になるといよいよポツポツと雨が・・・。水温も下がり始め濡れた体は肌寒さを感じ始めた。まだまだ釣りをしていたいが、ラスト鮎を無事取り込み納竿とした。早上がりとはなってしまったが大満足の釣行となり、すっかり能生川の美しい鮎のファンとなってしまった。この後、15時頃、上流でかなり雨が降ったようで、釣り場は急に濁りが入り増水していった。ここ能生川は釣り場で雨が降っていなくても上流での雨の影響を受けやすく、急激な増水もあるので釣行の際は釣り場の天気予報だけでなく、上流の雨雲にも注意し安全に楽しい釣りをして頂きたい。
今回、新潟へは川調査ぐらいの気持ちでの釣り旅の筈であったが、良い意味で裏切られ、思わぬ河川との出会いがあり、日本海の〝天然海産〟鮎のパワーに終始翻弄される何とも楽しい時間となった。まだまだ知らない場所が沢山あるもんだ、と実感すると共に、釣り旅の楽しさを改めて感じる事となった。2日間、新潟の様々な河川を見て廻ったが、今年の新潟はどこも遡上が良く、鮎がギラギラ!今年の夏は新潟河川、見逃し厳禁である!