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【高知県仁淀川】神秘の〝仁淀ブルー〟で黄金に輝く鮎と戯れる!

2024年09月10日公開

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灼熱の高知県では夏の大祭「よさこい祭り」が開催されていた。街は踊り子の熱気に包まれ、鳴子の音が鳴り響いている。そんな賑やかな街を抜けたところに現れたのは、深い山々に囲まれた清流・仁淀川。源から124kmの流程を経て、四国の山中を抜け太平洋へと注ぐ。その美しい真っ青な水色から〝仁淀ブルー〟と称されるこの川では、真夏の日差しの下、たくさんの命が育まれていた!

【この記事を書いたライター】SHOHEY

目の醒めるような青く透き通った水の中には金色の光を放つ鮎達の姿が!

雨の降らぬ日々が続く8月半ば。毎年この時期は〝台風の通り道〟となる高知県ではあるが、今夏は台風の訪れはないまま。恵みの雨待ちの仁淀川は渇水、高水温となっていた。1週間後には鮎釣りの全国大会がここ仁淀川で開かれるとあって腕利きの選手たちが下見に入っていたようだが、釣果に伸び悩んでいる状況であった。そこで地元のアニキに「どこ行けばいい?」と連絡すると「池川が良いぞ!」ということなので、仁淀川上流部の池川地区へと向かうことにした。ここは観光スポットとしても有名であり、〝仁淀ブルー〟と称される美しい清流を堪能できるエリアでもある。

今回は、数年ぶりに会う関西の友人と待ち合わせていた。久々の再会に胸を弾ませながら到着すると、友人はすでに川にいた。橋から覗く流れは期待通りの美しい青!〝仁淀ブルー〟は本当に綺麗だ。こちらの流域も渇水気味ではあったが川に見える石には追いかけっこをする良型の鮎の姿が相当数見えた。こりゃ~沢山いるぞ~!そして、我々も早速河原へ。と、オトリ缶を川に浸けようとした時だった。友人から「水合わせをしないと弱るぞ~!」とのアドバイスが。オトリ缶に手を漬けるとヒヤッとかなり冷たい!相反して川に浸かるとぬる~い。30分ほど時間をかけて慎重に水合わせを行った。

待ってました!ようやく竿出しの時!入渓点から目の前のポイントに入った友人は良い感じの石が点在する浅場で早速1尾目をヒットさせている!久しぶりに竿を並べたが、相も変わらず流石の腕前であった。野鮎を手に入れれば連続ヒットである。仁淀ブルーから飛び出す鮎は良型で、魚体が夏の陽射しに照らされ金色に輝いていた。

私は友人の上流を切らせてもらい対岸へと向かった。透明度の高い川では水深が分かりづらく、思ったよりも水深が深いことが多々あるので注意しながら歩を進めていく。歩く先々には鮎の姿が見え期待が高まる。静かに腰を下ろしオトリ鮎を放つ。多くの鮎の姿が見えるもののなかなか掛からない。渇水という状況もあり、鮎たちは臆病になっているようだ。そしてやはり垢ぐされも進み石はよく滑る。石色の良い場所を見極めることも重要な要素になるだろう。やはり野鮎に変わらないと…そんなに甘くはないか~。足元に見える鮎たちが散ってしまわぬよう静かに釣りを続けていく。目の前の友人の入れ掛かりを見つつ辛抱の時間が続いた。

野鮎パワー炸裂!良型鮎の連発だ!

竿を出し1時間が経過した頃だろうか、青き水中にギラリ~ン!と待望の1尾目が輝いた!追い星クッキリ、スタイル抜群の美しい鮎である。透き通るような青い流れと、コンディション抜群の鮎。ここまで来て良かったと思わせてくれる1尾となった。

仁淀の鮎は尾鰭が大きいのが特徴で、太い流れにも負けぬ力強い泳ぎを見せてくれる。掛かった鮎も実に良い泳ぎで、グングンと上流に向かって行く。竿先が上流側に倒れ、これ以上は…と思ったところで再び「バッキューン!」と強烈な当たりがあった。掛かった鮎は背掛かりで走りまくり!青い流れと「ギランギラン」という鮎の輝きが絶妙なコントラストを生み出している!そしてやっとタモに収まった鮎はサイズアップの1尾!ヌルが強くスイカの良い香りが漂った。

飽きぬ程度に遊んでくれる仁淀鮎であるが、同じ場所での釣り返しは難しかった。少しずつポイントをズラしながら、飛び付きの鮎を狙うことが釣果へと繋がった印象だ。

 

川ガキたちの飛び込み音にも動じない仁淀鮎!?

陽が高くなると、数m上流で岩から飛び込む子供たちの楽しそうな声が聞こえて来た。川遊びをしに来た「川ガキ」たちで賑わっている。頻繁に聞こえる「ドボ~ン」という大きな音飛び込み音。これでは鮎が散ってしまうか!?と心配になったが、心配は無用であった。きっとここの鮎たちはその音に慣れているのだろう!音と共にワッと一瞬散って姿を隠すものの、あっという間にもと場所へと戻り鮎同士の追いかけっこが始まるのだ。

そのまま釣りを継続していると、少し深場に色の良い大石を発見したので〝今日イチ元気〟な掛かり鮎を放つと一目散に狙いの大岩へと向かってくれた。そして、石脇を通り過ぎ石頭に差し掛かった瞬間、〝今日イチ〟の「ドッキューン!」というアタリ!おお~引く引く!グングン上へと昇っていく!この鮎とのやりとりの時間はたまらない。ずっとやりとりしていたいぐらいだ(笑)。そしてなんと、この大石付近で怒涛の連チャンが始まるのであった。

オトリを放てば「バッキューン、バッキューン!」。そして上流では子供たちが「ドボン!」。お互い合わせたように掛かる楽しい時間。下流を見れば相方も友人たちも仁淀鮎とのやりとりを楽しんでいたので、やはり午後になり活性が上がったようだ。掛かる鮎たちも追いが強く、背掛かりのものが多かった。しかし、掛かり鮎が掛かった瞬間、あまりにも上へと走るのでボケっとしているとラインが緩み一瞬でバレてしまう。

それにしてもここで掛かる鮎たちは満足度の高い鮎ばかりである。この満たされる感覚はロケーションも影響しているのだろう。空を見上げれば夏真っ盛りの青空!緑が美しい山々に囲まれ足元にはブルーの清流が広がる。言葉では伝えきれぬ素晴らしい景色が広がっていた。

遠きブルーな川で友人達との再会&ゴールデン池川タイム到来!

その後もすっかり釣りに夢中になって鮎たちと戯れていると、私の背後から「こんにちわ~」という声。そちらを振り向くと、なんと!栃木県でよくお会いする釣り人の方。まさか遠く離れた高知県ででお会いするとは、お互い驚きであった。そして、下流を見れば高知の友人たちも竿を出している。約束もしていない中、何とも嬉しい瞬間であった。そこから、しばし鮎談義に華が咲いてしまった次第だ。こうして話をしている間にも鮎は掛かる!夕方になりさらに活性は上がったようだ。

地元の友人に聞けば、ここでは「池川タイム」なるものがあるそうで16:00~17:00がゴールデンタイムになるらしい。これは逃してはならぬ!とばかりに、再び狙いのポイントへと移動。いよいよ池川タイム突入~!最初に竿を曲げたのは相方で、流れで掛かった鮎は強烈な引き!そして満面の笑み頂きました~!そうこうしていると私にも良型が!こうして最後の最後まで池川タイムを満喫でき、大満足な1日となった。

澄んだ日には40m先まで見渡せると言う清流仁淀ブルー。それは特別な色。仁淀川では人も生き物たちも雄大な仁淀の美しい青に包まれていた。いつまでもこのロケーションを保っていて欲しい。鮎釣り師であれば、一度は来るべき最高のフィールドだった!青い流れに煌めく仁淀鮎との出会いは、忘れられぬ時間となることは間違いないだろう。

施設等情報

施設等関連情報

料金:年券8,000円(75歳以上・身障者4,000円)日釣り券2,000円

「尾崎漁具店」
住所:高知県吾川郡いの町幸町88
TEL:088-892-3247
「フレッシュマートキシモト」
住所:吾川郡いの町楠瀬851
TEL:088-850-5014
※両店オトリ・遊漁県販売あり
     
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この記事を書いたライター

SHOHEY
鮎にゾッコン!ずっと川に浸かっていたいと思う日々を過ごす。3~4月は渓流釣り、5~10月の休みは全てを鮎釣りに捧げ、全国各地を「鮎な夏!」で駆け巡る。主催するアウトドアの団体にて、キャンプや釣り初心者のためのイベントなども開催。
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