2025年04月07日公開

戻ってきた冬!凍結する道には数日前に降った雪が残っていた。明けやらぬ上野村は気温0度の震える朝を迎えた。しかも、雨から雪への下り坂予報!何とか雪が舞う前に美しい渓魚を手にしたいと願ったが、そこにはトラブル続きの身悶えする時間が…。何度も心を折られながら1匹を求めて戦った私の1日の記録をご覧あれ!
朝は支流有利のスタートに!
今回も解禁釣行メンバー3人で釣行。今年は解禁釣行で珍しく好釣果に恵まれたため、心に余裕を持った状態で当日を迎えた。しかし、現地は予想以上の寒さで、とても一筋縄ではいきそうにない雰囲気。まずは手分けして状況を探っていくことに。友人は上流の支流へ、私と相方は乙父橋付近へ向かうことにした。やはりこの寒さのせいだろうか、車窓から見る限り釣り人は少ない。支流でも釣り人の姿はほとんど見られなかったとのこと。
しかし、河原に着くとやっぱりいたー!いると思いましたよ~。毎年お会いする餌釣りのおじさまたちがすでに釣りを開始していた。「お久しぶりです~」の挨拶を済ませ、状況を聞くと全く当たりがないとのこと。暫し話をしながら川を見るが確かに魚の姿は見えなかった。さらに、気掛かりがもう1つ。例年に比べ、だいぶ水が少ない渇水状態であった。 ま~焦らず、朝はゆっくりとポイントを探って行こうとなり、私は下流へ、相方は上流へ散っていった。途中、お会いする釣り人たちと情報交換しながら遡行。投げるも投げるもチェイスは見られない。下流へと進んだ相方も同じ状況だ。
9時を過ぎた頃、うっすらと陽が出て気温が上がってきた。その頃、支流へ向かった友人から「バレた~」の連絡。魚の姿は確認できたようだ。すると数分後にまた連絡が。美しいヤマメの写真だった、さらに続け様に2匹目の写真!大石の点在する川幅の狭いポイントで来たようだ。そして私にも今日初のチェイス!一瞬、針に口が触れるがバレ。その後、何度もミノーを投げるがチェイスはなかった。 淵々に魚の姿を確認することはできるのだが、どうも活性が悪く川底でじっとしているばかりで、ルアーにも餌にも反応がなく厳しい時間が続いた。
本流全域で放流が始まるも反応が薄い!
厳しい時間が続いた本流での釣りだったが、合流した友人は午前中に3匹の釣果をあげていた。午後、本流で放流があるとのことだったが、釣果のない私はランチを済ませ放流を待たずにまた川へ。ん~相変わらず反応がない。魚がいないわけではないのだが…。ルアーを通しても見向きもしない。
午後になると、予報よりも早めに雲行きが怪しくなり、気温も下がってきた。益々厳しい状況となりそうだ。寒さに竿を置き暖をとる釣り人も少なくなかった。そしてこんな状況にも関わらず根拠のない余裕で私もまだまだ焦ることもなくのんびりしていた。この後のゾッとする展開を知らぬ自分に言ってやりたい!「私よ!焦れ!歩け!ルアーを投げまくれ!」と。
悲劇の連続
14時を過ぎた頃、放流が始まったよ~の連絡。しまった、時間を読み間違え大分遠くまで来てしまっていた(汗。ルアーを投げつつ速足で上流へと戻る。しかし、ここで第1の悲劇が!川底に沈んだ枯葉に足を取られ膝強打、寒空の中1人で悶絶。(濡れた枯葉はよく滑るので十分注意していただきたい)
足を引き摺り、やっとのことで辿り着き、もうかなりの釣果が上がっている頃かな?と餌釣りの方に状況を聞くと全然釣れないと。なんと!川には放流されたであろう魚影は見えるもののじっとしている個体ばかり。この時水温は6.8度、雨も降り出していた。 この状況、流石に焦ってきた!相方と友人も、ルアーを投げるがHITまで持ち込めない。だんだん強まる雨、下がる気温。1人また1人と竿をしまう姿が見られた。正直、寒過ぎて私も竿をしまいたい気分ではあったが、釣れていない、帰れない(泣。
強まった雨が一瞬弱まったその時、遂に友人がイワナを手にした!と同時に多くのチェイスが始まった。このタイミングを逃してはならぬと、みな無言でルアーを投げ続ける。ここで第2の悲劇が!キャストをミスり対岸の岩にルアーが…取れない…切れた(泣。
膝強打にルアーロスト、でも悲劇はまだまだ続く。
沈むミノーでトゥイッチはゆっくり見せること!アップクロス~ダウンクロスの変化を付けた誘いで!
ルアーをセットし直し再びキャスト!すると下流にいた相方がHIT!魚が走る!第3の悲劇到来!回収しようとしていた私のラインが絡まった。私のミノーを引っ掛けつつ何とかタモに収まった。邪魔してごめん!おめでとう!相方よ! が、絡まったミノーが取れない。「キイ~!イライラしたら負けじゃ~」と分かっていながらもイライラ。やっぱりこの焦りろくな事にならない、やっと絡まりが解けたと思ったら、お次はバッククラッシュ。再び雨も強くなり、チェイスも収まってしまい、「ポキッ」て聞こえたね!心が折れた。
でも、こんな時助けてくれるのが仲間!相方はキャディー状態で、ミノーとタモを持ちついてきてくれる!友人はポイントを探り活性の良い魚を探してくれる。これは何としても釣らなければ!雨の中、フードを被るのも忘れ、キャップからは水滴がとめどなく滴る。ミノーチェンジをする手も震え、スナップをうまく開けなくなっていた。気力だけでミノーを投げ続ける!すると再びチェイス!追い切らない!これを見て友人からアドバイス!
友人「ミノーをあまり引かず同じ場所でトゥイッチを」
言われた通りにすると掛かった!思わず釣れた~と叫ぶ!バレないようにゆっくりと寄せてくると水面から頭を出した瞬間、ラインブレイク!「え?切れた?」「も~やだー!」。
釣るまで帰れない!
しかし、諦めぬ2人が居てくれる!時刻は16時半。薄暗くなり寒さも増すばかりだが、こーなったら釣れるまでやめない!どれほどルアーを投げただろうか?たまにチェイスはあるもののパタリと反応の無くなる時間もあった。雨の影響もあったのだろう。頼む、やる気を出してくれ~!私のフードにもたっぷり水が溜まった頃。ちょ~やる気のある2匹が激しくチェイス!足元まで追ってきて再びHIT!頼む!祈る気持ちでタモを差し出すと無事キャッチ!雨降る天を仰ぎ、両手を揚げた様はまるでショーシャンクのひと場面だった。釣れたのは美しい白い斑点のイワナ。陽暮れタイムリミット目前の1匹はこの上ない嬉しいものとなった。長い長い私の1日はやっと終わりを告げた。
まだ寒さ残る上野村ではあるが、確実に春は近づきつつある。沢山釣れる釣りも楽しいが、歓喜の価値ある1匹を求めての釣りも楽しい。何よりも透明度の高い美しい川で美しい渓魚との出会いは格別な時間となる。花々が咲く頃、上野村の魚たちも本格始動となり多くのチェイスを繰り広げてくれることだろう。
施設等情報
施設等関連情報
セブンイレブン下仁田町下仁田店
川の駅うえの内漁協・フィッシュパス取り扱いあり
この記事を書いたライター
釣りビジョンVOD
その他オススメ記事
