釣りビジョン

釣りを通じた環境学習、全国展開へ向け2025年度始動!<公益財団法人日本釣振興会>

2025年04月24日公開

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小学生や教員などを対象に、水辺環境への興味関心の醸成や、安全対策等の啓発を通じ、青少年の健全な育成・社会の発展に貢献することを目的とした「釣り環境学習」。これは公益財団法人日本釣振興会が2021年度から行っている取り組みであり、小学校の正規の授業として推進してきた。2025年度で5年目を迎えるが、前年の2024年度は3都県5地域の小学校で、計24回開催。年々拡がりを見せている。

生徒も教師も大満足のリアル体験!

2021年度から始まった「釣り環境学習」だが、2024年度は小学校の正規の授業で24回開催。授業を受けた児童は1,741名、教員は74名。導入地域は東京都東久留米市、神奈川県横浜市、川崎市、三浦市、埼玉県桶川市の3都県5地域と年々拡がりを見せている。学年は各校の要望にあわせて実施しており、2024年度は1年生から6年生まで全学年で実施された。

座学の講師陣も多様で釣具メーカー社員、漁業協同組合組合員、出版社経営者、当会事務局職員が各地の魚や自然、地域課題や解決に向けた取り組みなどを講座しており、講師34名、スタッフ243名が参加している。

フィールドワークも様々なテーマで展開されており、ライフジャケットの着用による安全教育はもちろん、アユ放流やアオリイカ産卵床製作、手長エビ釣り、クチボソ釣り、ハゼ釣り、自然観察、ごみ拾い等、開催校の身近な水辺を活用しリアル体験の場を提供してきた。

以下は、生徒と共に体験した〝先生からの感想〟になる。

校長先生
「学校運営や教育活動、地域性、場の価値等への理解が深く、常に学校側のニーズに合わせて的確な内容、活動を提供していただけるため、学校としても大変有難い」

「釣り」は釣果が明確であり楽しい活動であるため小学生が直観的に楽しくかかわれる。活動を通して今日的課題と言われる環境問題や食育などの学びに発展できる」

「昔から釣りに親しんでいた地区なのでいい経験になりました。釣った魚を池に戻すというのもいい教えになっていると思います。数匹学校でかっていますが子供たちが大事に育てています」

「地域にある川でこのような貴重な体験ができることがとても有難かった。また、たくさんの大人の方に来ていただいて安全面でも安心して取り組めた。学校だけでは実現することができない体験をさせていただけた。ありがとうございます」

担任の先生
「本校4年生の総合的な学習の時間に欠かせないと思っています。これまでに経験したことのないことを経験できる機会を設けていただき、ありがとうございました」

「児童の身の回りの生き物や自然環境に興味を持ってもらう良い役割を果たしたと思います。異なる季節に2回行えたことで季節による生き物の様子のちがいがわかり理科の学習ともつなげることができました。『家族と釣りに行ったら、今回学んだことを生かしたい』と関心を広げている様子も見られました。子どもたちにとっても非常に意味のある良い時間になったのではないかなと思います」

「座学で知識として学んだことを実際フィールドワークで体験することで自分たちの活動が海の環境を守ることへ繋がっているんだという気づきが生まれていた。海の環境を守ることの大切さやその活動をされている方の大変さ、これから自分たちに何ができるのかという課題意識へと繋がっていたと思う」

今後の展開について
5年目を迎える2025年度は、東京都、神奈川県、埼玉県に続き、新たに兵庫県、山口県、福岡県の導入校が決定している。今後、各地の釣具メーカーや当会支部会員、釣りを愛する方々と協働し各校のニーズに合わせて全国展開する計画だ。今後の展開が非常に楽しみである。

 
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