2025年04月17日公開

栃木県を流れる粕尾川は「横根山」を源流とする栃木県思川の上流域にあたる。小規模河川ながらバラエティに富み、夏になれば鮎たちで煌めく。そんなフィールドを目指したのは、2025年の解禁日(3月22日)だった!震える朝に始まり、汗ばむ陽気へと変わっていったこの日の寒暖差は何と20度…。さらに、この温度変化に加えて渇水気味という河川状況の中、一筋縄にはいかぬヤマメたちとの駆け引きが始まった
気温1度!冷え込む河原は多くの釣り人で熱い熱い解禁となった!
実は、栃木県粕尾川を訪れるのは今回が初となる。初場所ということで、地図と睨めっこしながら入渓ポイントを探したり、地形を把握したりと手探り状態ではあったものの、まだ見ぬフィールドに思いを馳せる時間はワクワク感満載!ある程度河川状況を把握した後、まずは地元の方に教えて頂いた駐車場所へ向かうことにした。入渓も容易だと言う「細尾沢橋」を目指し、魚たちの様子を探っていく。しかし、道中気になったことが…それは、釣り人の姿が見当たらないことである。粕尾川は下流から「下粕尾」「中粕尾」「上粕尾」とエリアが分かれるのだが、中粕尾に差し掛かっても釣り人の姿を見ることはなかった。今日は解禁日だって言うのに…。「川を間違ってるわけじゃないよね…?」と相方と確認しあった程である。
不安な気持ちのまま、上流を目指すと、上粕尾地区に入ったところで衝撃の光景が広がった!突如として川沿いにズラ~っと車が並んでいるではないか!
目的の駐車場所に辿り着いたのが5時頃。にもかかわらず、なんとラスト1台の滑り込みセーフであった。これは凄い数の釣り人だ!「下粕尾」「中粕尾」の光景が嘘のようである。事前情報として、混雑はあるだろうと聞いてはいたが想像以上であった。いつもひと気のない河川にいくことが多い私は、こんなに渓流釣りファンがいるのだな~と、滅多に目にしないこのお祭り状態が楽しくなってきた(笑)!とは言え、はてさて、どこに入りましょうかね~?
極寒の朝イチ!放流が始まるものの動かぬヤマメたち!ダウンでゆっくりルアーを見せることが突破口に!
粕尾川の解禁日は午前8時より順次放流が始まる。釣り人の割合は9割がエサ、残りの1割がルアーやフライ、テンカラと言ったところだろうか。駐車場所は入渓も容易なこともありすでに満員御礼!だったので、私たちは下流の様子を見にいくことに。ポッカリ空いたポイントを見つけて、釣り開始となった。それにしても水が少ない。かなりの渇水状態。これは厳しそうだ…。
少しでも水量のある深場を選んで釣りを進めていくものの、しばらくチェイスはない状況。加えて「寒い!」。こりゃ転んで水没でもしようものなら釣りどころではなくなるだろう。細心の注意を払い、遡行していく。そうこうしているうちに、あちらこちらで放流が始まった。放流直後は、エサ釣り師たちが続々と釣果を上げていったが、連チャンとまではいかないイメージ。ルアーに関してはチェイスのみ。一定の距離を保ちながら、警戒心は超高め!放流魚は深みの溜まりでじっとしてしまっている個体が多いのかもしれない。こりゃ難しい。
その後は、立ち位置をこまめに変えながら答えを探していく。試行錯誤する中で、ダウンへの反応が良いことが分かった!すかさず下流に投げてゆっくりルアーを見せて行く。すると「チョンッ!」と一瞬の針掛かり。しつこく、ねちっこく、攻めていくといよいよヤマメもイライラしてきたのか反応が良くなってきた!すると、対岸の流れの中から活性の良いヤマメが激しくチェイス。僅かにバラけ流れに入った放流魚であろう。足元でギリギリHIT!となり、粕尾川の初ヤマメを何とか手中に収めることができた!
美形ヤマメを狙うならここ!穴場の要チェックポイント
1尾キャッチして安心したものの、ルアーには厳しい状況が続いた。ここで、「そうだ!」と、道中、中流域がガラガラだったことを思い出し、大きくポイントを変えてみることにした。中流域に到着すると、やはり釣り人の姿は見られなかった。所々入渓できる所もあり、さほど入渓に迷う様なことも無い。何より道が川沿いを走っているのでポイントも探しやすい。
この頃、陽射しも強くなりぐんぐん気温が上昇。河原に降りれば、多くの虫が飛び交っている。とにかく歩きやすい渓相でどこまでも川の中を遡行できそうだ。小石の浅場も多いが、石が詰まる深みも繰り返し現れる。
キャストを繰り返すと小さな魚体がチェイスしてきた。この個体はヒットにまで持ち込めなかったが、魚の気配はある。今回ポイントなど色々アドバイスをくれた方は、中流域で綺麗なヤマメを手にしている。成魚放流のないエリアとなるが、昨年は爆釣もあったとのことで、穴場の要チェックのポイント!ぜひ、足を運んで欲しい場所である。
【14時30分】気温21℃の汗ばむ陽気に!魚たちが動き出し怒涛のチェイス!怒涛のHIT!
午前中のみの釣り人も多かったのか、お昼を過ぎると徐々に釣り人の数が減り始め、混雑していた上流域も釣り歩けるようになった。駐車場所から4km程上流で出会った休憩中のおじさまに「ど~ですか?」と聞くと「むずかし~ね」とお疲れのご様子。どうやらこ上流域も午前中は厳しい状況だったようだ。「お魚探してきてね~」と送り出され河原へ。ここも放流があったエリアだが、時間が経過したことで岩陰などに身を隠してしまったのか魚の姿は見当たらない。
小場所まで丁寧にルアーを通して歩いていくと、1時間程経った頃だろうか、初のチェイスがあった。簡単に針掛かりはしないものの、良いルートを引いてくれば複数のチェイスも見られるように。「ヤマメを目視することができた!」と歓喜しながら釣りを続けていくと、深みの岩陰から飛び出してきたヤマメが突如ヒットした!「おお~!」と、あまりにも突然でビックリしてしまったほどである(笑)。この1尾を皮切りに、なんと連続ヒット!相方も連発させている!
岩の縁にうまくルアーを通せれば、出てくる出てくる!今までじっとしていた魚たちが動き出したのだろう。まったく姿が見えなかった場所でも多くのチェイスが見られるようになった。やはり、チェイスからの強烈な引きってサイコー!先程、お話をしたおじさまに〝お魚発見場所〟を伝えた後、早朝に苦戦したポイントへと戻ることにした。
15時30分も過ぎると、数える程の釣り人のみ。朝の混雑が嘘のようである。朝竿を出したポイントを流してみると、ここでも朝深みに溜まってじっとしていた魚たちは散り、流れの中や浅場でも姿を現した。ダウンクロスでミノーを引けば必ずと言っていいほどチェイスがあり、高確率でヒットまで持ち込める。明らかに動きの変わったヤマメたち。複数のヤマメたちが争うようにルアーを狙ってくる。この活性の高い状態は、ほぼ釣り人がいなくなる17時過ぎまで続き、最後の最後までドキドキする楽しい時間を過ごすことができた。
大きな賑わいを見せた粕尾川解禁日!多くの釣り人たちが待ち侘びた当日は、粕尾の渓に春の陽射しが届き、良き釣り日和となった。河原では多くの釣り人たちの笑顔に出会えた。
解禁日とあり混雑もあったが、時間帯や場所を選べばゆったりとした釣りも可能であった。これから春本番を迎える山深き美しい粕尾川。胸のすくような渓魚たちの引きを楽しんでみてはいかがだろう。
施設等情報
施設等関連情報
ファミリーマート栃木尻内町店(日釣り券のみ販売)
鈴木商店(鹿沼市中粕尾1365-2 TEL0289-82-3138)
「つりチケ」 https://www.tsuritickets.com/org/792ee8b781b24831b55fe7adb66bd80b/detail 「アクセス」
東北自動車道栃木ICより約30分
この記事を書いたライター
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