釣りビジョン

2011.5.1号

吉野屋・千葉県浦安
早くもスタート!東京湾のブランド・アナゴ

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美味い魚が多い事で知られる東京湾、中でも極め付きのブランド魚となれば、断然アナゴだろう。小型の白焼きに中・大型の天ぷら、どちらも掛け値なしの絶品だ。浦安『吉野屋』で4月16日から早くも乗合船を出し始めた。初日は0~5本、2日目が1~6本と少々期待外れのスタートだったが、食い気に誘われ21日に出掛けた。

半夜釣りで89本を釣り上げた“鬼”が同乗!

スタート2日間の釣果を見て、若干不安になった。「こいつは彼を呼んだ方がいいな」。彼とは、知る人ぞ知る『吉野屋』の達人・鈴木孝さん。ある時、取材に訪れた某有名女性アングラーと同じ船に乗り、彼女が9本のアナゴを釣る間に89本を釣り上げた“鬼”のような男である。小生、これまで何度も同じ船に乗り、その腕に心酔している一人である。
「今年は、まだ潮温が低く、少し遅れていますね」と、『吉野屋』の主人・吉野眞太郎さんに聞いていただけに「他の人は駄目でも彼なら釣ってくれるだろう」と考えたわけだ。

現在、『吉野屋』では、先着順に座席札を取る
このクラスの船で釣る
仕掛け図

リレー船の一樹船長も同乗!

リレー船の石原一樹船長、船中初獲物をゲット(船頭)
出船時間は午後5時30分、午後ですよ、午前ではありませんぞ。そう、アナゴ釣りは半夜釣りです。5時を過ぎ、出船まで30分を切ったが、釣り人は、小生の“出動要請”に応えてくれた鈴木さんと4時前に一番乗りでやって来た熱心な人の2人だけ。そこで、帰ろうとしていたリレー船(シロギス→アナゴ=この日は出船しなかった)の石原一樹船長を“拉致”、小生を含め釣り人4人での出船となった。この時期、夜間の海上はまだ寒いのとスタート時の釣果がパッとしなかったため、まだ釣り人が少ないのも無理はない。

船中初獲物は45cm級の大型!

『吉野屋』半夜釣り名物のうどん。これが旨い
釣り場の木更津沖までは航程凡そ40分。関東の桜も散って、随分と日は長くなったが、釣り場に着いた頃には、辺りは暗くなっていた。慎重にポイントを探っていた岩淵祐介船長、急遽上乗り役になった一樹船長に舳先からイカリを入れさせ、「はい、やって下さい。釣り放題ですからね、遠慮しないで釣って下さい」とアナウンス。
左舷大ドモ(船尾)に鈴木さん、右舷大ドモに一番乗りの釣り人、右舷の胴の間に一樹船長と小生が並んでスタートした。「喰ったー!」。最初の声を上げたのは、一樹船長。鼻歌交じりで釣り上げたのは45cm級の大型だった。

何とオデコは鈴木さんだけ!?

鈴木さん3本竿、小生と右舷トモの人が2本竿、一樹船長は1本竿。アナゴは餌(青イソメ)がタップリ付いていなければ喰わない。片方の竿の餌を付け直している時に「当たってるよ!」。両船長から同時に声が掛かった。もう一方の竿先を見ると、クククッと確かに当たっている。慌てて手にしていた竿を放り出し、竿を立てると、ググッと心地よい引き込み。釣れて来たのは40cm級の立派なアナゴ。間もなく右舷のトモの人にも同型が釣れて来た。
何とオデコは鈴木さんだけ。意外な展開に面食らったが、それも一瞬のことだった。右舷側から死角になっている左舷トモだったが、間もなく「“名人”リールを巻いています」と祐介船長から報告が入り、大して時間を空けず「再び巻いています」と報告が入った。

当人は大不満だったが、期待に応え7本を釣った達人・鈴木さん
30cm足らずのメソッ子も釣れ、今後に期待を繋いだ

トップの7本も大不満の鈴木名人!

一樹船長が2本目を釣り上げ、直後に右舷トモの人も30㎝足らずのメソッ子(小型)を釣った頃には、鈴木さんは4本を釣っていた。小生にも2回目のアタリがあったのだが、餌だけ取られる為体。何とこの日のスソ(最低)という悲惨な釣果に終わってしまった。
トップは言わずもがな鈴木さんで7本。しかし、当然のことながら当人は大不満で「明らかに遅れているね。初日に5本だった時には、正直、今年は駄目かと思ったけど、20cmソコソコのメソもいたし、今日も30cm足らずのメソが釣れたでしょう。結論を出すのはまだ早いと思いますね。去年は4月18日にトップで31本の成績が上がっていますが、恐らく半月以上遅れて釣れ出すんじゃないかな」と話す。
4月18日から半月遅れと言う事になれば、丁度GWのど真ん中。この日釣れたアナゴの大半が40㎝前後の良型。あのクラスならば5、6本釣れれば白焼きも天ぷらも十分に味わえる。今シーズンもブランド・アナゴを求めて浦安通いになりそうだ。

(野口 哲雄)

今回利用した釣り船
千葉県東京湾奥浦安『吉野屋』
〒279-0004 千葉県浦安市猫実5-7-10
TEL:047-351-2544 (定休日:毎週火曜日)
詳細情報(釣りビジョン)
吉野屋ホームページ
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