釣りビジョン

2011.5.1号

つちそう丸・静岡県網代港
“大物ゲスト”に大興奮!網代南沖のイサキ五目釣り

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「ウチのイサキ五目は、プラスアルファの方を目的に来る人の方が多いんですよ」と、静岡県・網代港『つちそう丸』の若船長・土屋旬(ひとし)さん。ヒラマサ、マダイ、イシダイ、時には10kgを超えるシマアジまでヒットするとか。この釣り、例年3月半ばには始まるが、東日本大震災で4月から出船を開始した。約2か月前の2月25日に進水したばかりの「第七つちそう丸」で“大物ゲスト”と美味いイサキを狙って出掛けた。

大人気!平日でも16人が集結

釣り場に着くまでベッドでぐっすり
4月21日、まだ暗いうちに網代港に到着。するとピッカピカの「第七つちそう丸」の前には釣り人の車がズラリ。間もなく若船長が到着した。順々に名前を呼んで釣り座を案内していく。私の釣り座は左舷ミヨシの1番。船首に用意された荷物入れにバッカンとカッパを入れ、エアコン、空気清浄器完備の豪華なキャビンへ入った。

6時から釣り開始

「ポイントに着きましたよ。6時開始ですから、それまでに準備して下さいね」。若船長からアナウンスが流れるとキャビンから出て全員が準備を開始。晴天、無風、絶好の釣り日和に恵まれた。タックルは全長2m、オモリ負荷60~80号の竿に中型電動リール。まずは大物ゲストに備え、仕掛けはハリス6号6~8m1、2本バリ。

3本バリを使用
ミヨシ中央にある荷物入れ
魚探には朝から良い反応が出る

タナは指示ダナ+6mが基本

「はい、6時になりました。どうぞ、38m」。ここでは上からタナを取ると言う。上乗りの土屋明人さんに誘い方を聞いてみた。「船長の指示ダナが38mの場合は、指示ダナ+ハリスの長さ分沈めます」とのこと。つまり仕掛けは全長6mなので38mの時は44mまで落とす。そして、大きく2mずつ3回ゆったりとシャクリ上げて、シャクった分を巻きあげ、指示ダナ38mまでが来たらアタリが来るまで待つ。少し待ってアタリが来なければそこから更に1m上げてみる-と教えてもらった。

2流し目でヒットが連発!

40cm超えの良型メジナ
最初の流しはアタリがなかった。しかし、2流し目に右舷大ドモ(船尾)でヒット。釣れて来たのは45cm級の丸々と太ったメジナ(オナガグレ)。これを皮切りに右舷ミヨシ(船首)、左舷ミヨシから2番目、右舷トモにイサキが連続ヒット。流しをかえると今度は左舷胴の間(中央)でダブル、左舷ミヨシから2番目で1尾と“ゲスト”狙いのポイントでもイサキの活性が高かった。「今日はイサキが元気みたいだから、イサキをメインに狙ってみましょう」。船長もイサキの狙いのポイントに移動することに決めた。全員が移動中にイサキ狙いのハリス4号、全長6m3本バリの仕掛けにチェンジ。

朝からダブルで好調だね♪
よし!まずは1尾
船ベリにあてないように慎重に

30cmの良型イサキに青物が…

7時半。イサキ狙いのポイントに移動後間もなく「はい、反応が上がってきたよ!20mまで上げて-」と船長からアナウンス。最初30mだった指示ダナが5m刻みでどんどん浅くなっていく。そして、右舷ミヨシの常連さんにヒット。竿がギュンギュン絞りこまれる。「シマさんだといいなー」。シマさんとはシマアジのこと。海面まで上げてくると見えて来たのは青白い魚体。1kg級のイナダだった。そして流しをかえると今度は右舷ミヨシから2番目の人にヒット。「イサキか~!マダイのような突っ込みだったよ」。上がって来た30cm級の丸々太ったイサキに満面の笑み。

イナダゲット!
お次は1.6kgのイシダイ
良型のイサキちゃん♪

イシダイ連発!3.1kgのクチグロも浮上!

8時、左舷ミヨシから3番目の釣り人の竿が大きく弧を描いた。年期の入ったインナーロッドを巧みに使いこなす。「この引きはさっきのベラとは全然違うよ」と言いながら慎重に上げてくる。すると、海面下に白と黒のストライプが見えた。「イシダイだ!」。上乗りがすかさずタモ入れ。今にも縞模様が消えそうなズッシリとした重みのある3kg級の立派なイシダイだった。すると、次の流しでは左舷胴の間で竿が大きく曲がった。リールから糸がズルズルと出されていく。「まわりの人も仕掛けを上げてちょっと待っててね」。若船長もフォローのアナウンス。慎重なやり取りの末に上がって来たのは完全に縞模様が消えた“クチグロ(イシダイ=3.1kg)”だった。

3kgの立派なイシダイ
3.1kgの更に大きなクチグロ

一投目からヒット!

9時40分、撮影もひと段落したので私も竿を出した。タナは36mなので、ラインを見ながら正確に42mまで落として仕掛けを上げてくる。イサキメインで狙うため船宿で売っている全長6mの3本バリを使用。そして、大きく3回シャクって36mまで上げてくると、ククンッ!なんと一投目からアタリ。上品な引きを味わいながら上げて来ると25cm級のアベレージサイズのイサキだった。2投目は空振りに終わったが3投目にも1尾追加した。しかし、10時に潮が変わり、なんと潮温が1℃下がった。
結局、その後も潮は好転せず正午の納竿を迎えた。土屋通大船長に伺うと、「10時から潮が悪い方に変わって喰いがパッタリ止まったけれど、ここのポイントの潮は急に変わるのでアタリがなくなったからと言って諦めないことが釣果を伸ばすコツです」と話してくれた。

私にきた1尾目のイサキ
良型のイサキに思わずニッコリ
このイサキの後にイシダイをゲット!

イサキの数釣りはこれからが本番!

イサキの焼き魚は絶品♪
最終的な釣果はイサキ23~30cm4~15尾、メジナ40~45cm2尾、イシダイ1.6~3.1kg4尾、イナダ1kg級2尾だった。潮温が上がるにつれて多彩なゲストが期待できる網代南沖のイサキ五目釣りは5~6月に最盛期を迎え、8月のお盆前にシーズン終盤を迎える。
この日、半夜船で今シーズン初のアカイカの船も出たが、竿頭13尾とまずまずの釣果。長くて7月一杯までの釣り物だが、こちらも目が離せない。『つちそう丸』では19tの大型船2隻体制で出船している。

<『第七つちそう丸』2月25日新造船進水>

ヤンマー1008馬力、19t、全長 24m、最大幅5m30cm

進水式写真①
進水式写真②

(吉田 洋一郎)

今回利用した釣り船
静岡県網代港『つちそう丸』
〒413-0103 静岡県熱海市網代435
TEL:0557-68-2469
詳細情報(釣りビジョン)
つちそう丸ホームページ
出船データ
(料金)イサキ五目船=餌、氷付き17,000円。
(午前3時集合、正午沖上がり)
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