2022年11月07日公開
今回は、私が所属する「湘南爆釣族 まるやま倶楽部」の磯釣り大会をレポート。この大会は「皆に会いたい時期」に行なう不定期の開催だ。2015年にスタートし、今回が10回目の開催。会場に選んだのは静岡県・西伊豆の雲見。ここの沖磯の特徴は足元からドン深の所が多く、伊豆半島随一のマダイ釣り場であり、メジナの40、50cm級やイサキ、“青物”等も狙える。大会は「持ち帰りする魚」1匹の重量で順位を決定した。
一発大物を期待して、足元からドン深の「千貫門」に渡礁
大会前に磯割りを確認、メンバーそれぞれが希望の磯を選択する。幹事の私は余った磯の中から、雲見では一級磯である「千貫門」の南側を選択した。ここは景勝地としても名高く、足元から水深20mのドン深。潮通しもよく大物が期待出来る。
今回の大会メンバー10人を乗せた「恵比須丸」は午前6時に出港した。前の島、浅間下、長島の順にメンバー5人が渡礁を済ませ、6人目に「千貫門」。仲間に荷物の運搬を補助して貰い、無事に渡礁完了。「余り物に福がある」と信じて、期待と共に準備を進めた。
朝マヅメは深場でマダイを狙ってみる
「千貫門」に乗ったからには、マダイを狙わない手はない。満潮までの朝マヅメの2時間はマダイ一本に照準を絞った。仕掛けは、磯竿2.2号/リール4000番/道糸PE1.5号/ナイロンリーダー5号を4尋(1尋は約1.5m)/フロロカーボンハリス4号を2尋半/グレバリ8号。それに円錐ウキ1号をセットして1号オモリに浮力調整用のBを追加。タナを竿2本(約10m)の半誘導仕掛けでスタートした。
コマセはオキアミ6kg、パン粉2kg、米ヌカ3kgをベースに餌盗り対策と深場狙いの両立を狙って、押し麦を追加した。マダイ狙いの場合、マダイ用、クロダイ用の配合餌が最適なのだが、途中で浅ダナ狙いに変更する時に都合が悪い。そこで、私の場合は押し麦を追加して両方のタナを攻略できるようにしている。コマセを多めに先打ちし、期待を込めた第1投目。ウキに仕掛けの負荷が乗り、半尋程ゆっくり沈んだところでウキの速度が変わった。すかさず合わせを入れるが“本命”とは異なる引き。上がって来たのは25cm弱のイトフエフキだった。
34cmのシマアジをゲット!
2投目、3投目も同サイズのイトフエフキだったが、「狙っているタナは間違っていないはず」と、少しポイントを変えた4投目。これまでとは明らかに異なる鋭い引きで、磯際に突っ込むキラリと光る魚体が見えた。シマアジと確信、口切れしないように慎重にやり取りをして上がって来たのは34cmのシマアジだった。これは最高の“お土産”だと、次も同じポイントを狙ってみるが、釣れてくるのはイトフエフキばかりだ。もう少し深いタナを探るべく、ジンタン3号を追加し、磯際を重点的に狙う。しかし、釣れて来たのはオジサンと45cm超えのアオブダイだった。潮は緩やかな下り潮で魚の活性は悪くない。次は20m沖の沈み根近辺を攻めてみた。潮の速度とコマセの入り方を計算し、沈み根手前でタナが取れるようにウキを投入する。ウキが竿1本程度沈んだところで、コンッ!と小さなアタリ。合わせを入れると、ずっしりと重みのある引きだったが、これまた“本命”とは異なる様子。暫し引きを楽しんで上がって来たのは、33cmのアカハタ。同じ釣り方でイサキを1匹追加したところで、気付けば3時間が経過していた。ここで「マダイタイム」は終了とした。
イサキを狙って潮の中を釣ってみると、入れ喰い状態!
陽もすっかり昇り、汗ばむ陽気となって来たところで仕掛けを変更する。万が一の“青物”に備えて、磯竿1.5号/リール2500番/道糸PE0.8号/ナイロンリーダー2.5号を4尋/フロロカーボンハリス2号を2尋半/ハリは6号に。今回もウキは自作の「ウキくん 000 TYPE-D」で、ウキ上20cmのところに1.5号のハリスを「なるほどウキ止め」の要領で留めた半誘導仕掛けとし、完全フカセでスタートした。
ハリを小さく変更したので、付け餌のオキアミは頭を取り、そこからハリを通す要領で刺す。こうするとハリのチモトが隠れやすくなるため、私はこの方法を多用している。因みに、餌が抜けやすいという欠点もあるので、ハリはケン付きタイプがお薦めだ。
朝イチに比べると下り潮が強くなり、海面に浮いた泡で潮目がはっきりと見える状況になった。「ここを釣ってください」と言わんばかりの美味しい状況で、コマセを3杯先打ちし、ウキを投入後、追いコマセを2杯打つ。仕掛けがきれいに潮に乗るように、ラインメンディングをしながら流していると、ラインが「ススーッ」と指の間を走った。竿の胴に載せるイメージで合わせを入れると、潮の流れも相まって竿が大きく曲がる。このアタリは間違いなくイサキだ! イサキは途中でハリから外れることがあるので、不要なポンピングは入れずに、一定のテンションを保ったまま巻き上げる。上がって来たのは30cm弱のイサキ。
同じ釣り方で4匹を追加したところで、徐々にイサキのタナが上がって来たようで、ウキを投入して10秒も経たないうちにウキストッパーが走った。活性が相当高いようだ。ここからは先打ちコマセを3杯のみとし、イサキ同士で競わせてコマセを喰わせる。すると、このパターンが見事に嵌まり、12連チャンの入れ喰い状態となった。最近は思うような釣果に恵まれなかったこともあり、思わず「嬉しい~っ!!」と発してしまった。しかし、この日は潮の変化が目まぐるしく、この潮が緩んだタイミングでパッタリとイサキが釣れなくなってしまった。「イサキは潮を釣れ」という格言通りの結果だった。
狙い通りに美しいメジナを釣り上げたが、惜しくも時間切れ
暫く釣れない時間が続いた後、潮は上り潮に転じて急流となった。足元から延びる泡の帯に仕掛けを入れ、コマセと仕掛けをしっかりと同調させると、竿1本半(7~8m)くらいのタナでイサキを追加することができた。磯によっては上り、下りの潮で釣果に差が出ることがあるが、「千貫門」はどちらの潮でも、流れてさえいればイサキが釣れるようだ。途中から大会の趣旨をすっかり忘れていた私だが、最後に重量のあるメジナを狙うべく、G8のオモリを追加して、少し深いタナを狙ってみる事にした。本来ならメジナのタナはイサキよりも浅いが、この日は活性が低いようで浮いてこない。竿2本(約10m)までゆっくりと仕掛けを入れると、コツッ!と小さなアタリ。次の小さなアタリも合わせを入れずに我慢をしていると、ラインが走り出したので、竿を立てて合わせを入れた。
素直な引き味からメジナであることが分かったが、サイズはあまり大きくないようだ。磯際での最後の抵抗をいなして、上がってきたのは35cm弱の美しいメジナだった。狙い通りにメジナを釣り上げ「さぁここから!」という気持ちになったものの、時刻は磯上り30分前。惜しみつつも片づけと磯洗いを始めた。
大会の結果はいかに?
磯上がりの荷渡しでは、どの磯もクーラーが重く、釣果を聞いてみると、各磯でイサキが好調で1人15匹から40匹程度釣れていたようだ。港に戻り、早速計量を行なった結果、第1位はスマを釣り上げた竹中さん。第2位はフエダイを釣った石塚さん。第3位はメジナを釣り上げた杉崎さん。小物釣り師の私は、その名に恥じず第5位という結果に終わった。
気持ちのよい秋晴れの下、心知れた仲間と最高の釣果で大いに盛り上がり、第10回目の磯釣り大会は大成功での終了となった。まだまだ海水温が高く、本格的なメジナシーズンは12月以降となりそうな予感。この長い秋磯シーズンを暫く楽しみたい!!