2023年01月17日公開
松本幸雄・房総50UP実績ルアーのトリセツ2・引き出し大公開編
三島湖と豊英湖のレンタルボート解禁以来、足繁く同湖に通う松本幸雄さん。管理釣り場のトラウトゲームが本職ではあるが、バスはもちろんソルトゲームからワカサギ釣りまで何でもこなす生粋の釣り人。こと三島湖においての50cmアップキャッチ率は、おそらくナンバーワンではないだろうか。そんな松本さんがここ数年で最も50cmアップをキャッチしているルアーについて詳しく解説してもらいました。第2回の今回は『パワーミドスト』『スクーパーフロッグ』そして時期別のストロングルアーを大公開!(執筆:大場未知)
もうひとつの中層攻略『パワーミドスト』
前編ではジグ&ポークのミドストについて詳しく解説していただいた。後編は、ジグに次ぐ松本さんの50cmアップ実績ルアーメソッド、パワーミドストから教えていただくことにする。
ミドストに定義はないが1~2gのジグヘッド、もしくはショートリーダーのダウンショットに2~3インチのピンテール系をセットするのが典型的。松本さんのパワーミドストとは、単純にジグヘッドの重さとワームをサイズアップさせたセッティングでワームはサカマタシャッド5インチ(デプス)とヴァラップスイマー4.2インチ(ボトムアップ)を多用する。ジグ&ポークと比較すると見た目のボリューム感はマグナムクランクとミノーくらい異なるが、有効レンジはジグストと同様に水面直下から5mほど。それ以外の相違点はルアーの水押しパワーとスナッグレス効果という。
松本「もともとサカマタシャッドでやっていたんですけど、他の人も使うようになって若干パワーダウンした気がします。そこで何かないかなってたどり着いたのがヴァラップスイマーだったんです。ヴァラップスイマーはテールが水の抵抗を受けてくれるから意外に移動距離を抑えてくれるんですよね。それでいて水押しも強いから、崩落カバーの中にいる魚も引っ張り出せます。ただ、ジグに比べると根掛かりやすいので何もないオープンウォーターの中層が前提の釣りになります。三島も豊英も年々厳しくなってきていますけど、2022年はこのセッティングで50cmアップも2~3本釣っていますし、アベレージサイズが下がってきた三島湖でも45cmアップがボコボコに釣れた日もありましたよ」
使用するジグヘッドはキョクテン2.5~3.5g#3/0(バリバス)でワームをあえて少しだけ反るようにセットする。
松本「若干詰まった感じに刺すことでロールが強くなるんです。ロールが強くなることで魚を下から引っ張り上げやすくなる気がします」
操作法はジグと同じく、優しく大きめにロッドを振る感じで、ジグストよりは気持ち速めに引くイメージだ。
松本「ジグストもそうですけど、下から引っ張り上げる力の強いルアーなので狙ったコースを一投で決めることも重要です。極端な話、狙ったところからキャストがそれて、そのまま追わせたら次は食わないこともありますからね」
通称『よしお』と期待値の高いミドルサイズのスクーパーフロッグ
もともとは水面を泳ぐカエル、あるいは虫ルアー的な位置づけでリリースされたスクーパーフロッグ。これを試しにダウンショットで中層を泳がせてみたのがすべての始まりだった。フローティングをあえてシンキングにすると、他の中層スイミング系に無反応だったバスがこれには不思議な化学反応を見せた。前後の手足が奇天烈に動くさまは、一世を風靡した芸人の動作によく似ていたことから松本さんが「よしお」と命名。人間からするとお世辞にも釣れそうには見えないが、実際はかなりおっぱっぴーだった。
松本「これもジグストと同じで移動距離を抑えながら中層を横に引けるんですよね。サイズ的にも釣りやすいですし、普通に40cmアップもよく釣れます」。
そこにきてスクーパーフロッグのマグナムとダディのプロトを川村光大郎さんから託されると、今度はジグと組み合わせて好釣果を上げることになる。
松本「スクーパーフロッグダディ(プロト)にはフレックスジグ7g(ダイワ)を好んで使ってます。このジグはスプリットリングを使わず直接ワームフックを装着できるんです。ジグとフックの間にリングがあると、それだけ可動域が大きくなるのでフックが倒れやすくフッキング率も下がるんです。ボトムでフットボール的に使うならリングがあっても問題ないですけど、中層ではフックが上を向いている状態のほうがフッキング率は高いですね」
スクーパーフロッグのダウンショットはサイズ感が全く異なるから出し時も想像がつく。気になるのはRCフラットバック&ポークとの使い分けだ。
松本「ヤバタン、ボコタンのほうがスクーパーダディより、もうふたまわりくらい大きいですけど、正直そこは明確な使い分けはありません。その日によって反応も変わってくるし、みなさんが使うことによってスレますからね」
ダウンショットに使用するのはメインラインがPEでリーダーを2段階にして組む。具体的にはPE0.3号にフロロ5lb+スイベル+フロロ8lbと少々複雑。「PE0.3号にフロロ8lbだと結び目も大きくなるし結束強度も落ちますからね。なので途中で5lbを挟んでます。先端を8lbまで太くするのはデカイのがばっくり丸呑みしてくる事が多いのでその対策です」。5lbリーダーの長さは1mが基準で、浮き上がりを抑えたい時には2mほど確保する。スイベルのサイズは5lbよりも強度があればとくに問題はないとのこと
50cmアップ実績シーズナルルアー大公開
ジグストを始めとする中層スイミングは、三島湖&豊英湖において松本さんの引き出しの上段に位置する。しかしならが、季節によってはさらにストロングなルアーも存在する。ということで、もっと引き出しをこじ開けさせてもらうべく、年間の実績ルアーも教えていただきました。
松本「え~、そんなところまで明かしちゃったら、また新しい釣りを見つけないとならないじゃないですか~」といいつつも、しっかりリクエストに答えてくれました。
●ジグ&ポーク用
ロッド:78 20ポンドクラス
リール:メタニウムHGレフト
ライン:ガノア アブソルート20ポンド
●ジグ&スクーパーフロッグダディ(プロト)用
ロッド:611 13ポンドクラス(プロト)
リール:アルデバランMGL31HG
ライン:ガノア アブソルート14ポンド
●ジャークベイト用
ロッド:70 8ポンドクラス
リール:アルデバランBFS XGレフト
ライン:ガノア アブソルート12ポンド
●パワーミドスト用
ロッド:72 4ポンドクラス
リール:ヴァンキッシュC2500SXG
ライン(写真はフロロカーボン):マックスパワーPE0.6号+アバニ エギングプレミアム ショックリーダー2.5号
●ダウンショット用
ロッド:66 2ポンドクラス
リール:ステラC2000SHG
ライン:アバニ ソルトウォーターフィネス0.3号+スーパートラウトエリア マスターリミテッド5ポンド+アバニ エギングプレミアム ショックリーダー1.7号
この記事を書いたライター
現在は、千葉県君津市在住のフィッシングライター&エディター。