仁徳丸・茨城県波崎港
今が入門のチャンス、千葉県・犬吠埼沖のメヌケ釣り
釣り座は船長の目と声が届く“特等席”
利根川河口に架かる銚子大橋の下流左岸側を800m程走った所に『仁徳丸』と書かれた電光掲示板がある。午前3時40分に到着した。既に釣り人が道具を船に積み込んでいる。先着順にクーラーボックス等で席を確保するシステムだ。受け付けを済ませると「操舵室のすぐ脇に座るように」と三橋正幸船長。深場釣りは、今回が2回目のビギナーである事を伝えておいたので、船長の目と声が一番届く席に座らせてくれたのだ。早速、レンタルタックルをセット、ロッドキーパー、ハリを置く磁石板等も準備した。釣り人は私を入れて7人。全員が右舷に並び、午前4時20分に出港した。
“日本一早い日の出”に手を合わせた
キャビンは前と後ろの2カ所。私は前に入りリクライニングシートに身を沈めてひと眠り。気がつくと東の空が茜色に燃えていた。「御来光、御来光!」と、急いで外に出てカメラにおさめた。銚子は山頂や離島を除けば日本で一番早く日の出が見られる所と聞いた覚えがある。思わず「実力以上に釣れますように!」と手を合わせた。
船長が背後からアドバイス
ほどなく釣り場に到着した。全員キャビンから出て準備にかかる。私もハリにイカの短冊を付けて磁石板に並べる。オモリを結んで、いつでも投入可能。しかし、中々投入合図が出ない。船長が「もういいかい」、釣り人が「まーだだよ」。まるで「かくれんぼ」だ。急き立てる様子は微塵もない。全員の準備が完了したのを確認してから、船長が投入合図を出した。「ハイやって!水深は450m」。トモ(船尾)側から順に投入していく。道糸が500m出たところで船長から「着底したよ。糸フケを取って2m巻いて」と、私へのアドバイス。その後も背後から声を掛けてくれる。この流しでは、ミヨシ(船首)に座ったS村さんだけがメヌケを4尾取り込んだ。この後、S村さんが大感動劇を披露してくれることとなる。
10本張りに8尾+1尾の“準パーフェクト”
第5投目だった。巻き上げるS村さんの竿が、それまで以上に大きく曲がった。電動リールが止まると、赤い魚体が連なって浮かび上がった。まさに“提灯行列”である。やっと竿を立て、重い糸をたぐり寄せる。次から次へと取り込まれたメヌケは全部で8尾。そして、最近食用魚として人気のアブラボウズのオマケまで付いた。“準パーフェクト”達成だ。まさに感動の光景だった。 その後、船長は全員がメヌケを釣り上げたのを確認して沖上がりを告げた。 最終結果は、S村さんがメヌケ13尾でトップ。私は残念ながら“提灯行列”とはいかなかったがポツリポツリながら5尾と大満足の釣果だった。メダイ、キンメ、大サバなど多彩な“ゲスト”も交じった。
道具がなくても気軽に楽しめる「深場釣り」
深場釣りは、初めての人には相当ハードルが高い。冒頭で紹介したように道具に費用が嵩むからだ。電動リールだけでも中型のものと比べると桁が1つ違う。全て新品で揃えると“ウン十万円”となる。揃えるのはレンタルで試してからでも遅くはない。『仁徳丸』では、合羽、長靴、クーラーBOXと、餌(“イカ短”等)だけ持参すれば(弁当もお忘れなく)、私のような“若葉マーク”でも気軽に深場釣りが楽しめる。今回、自分の手で実現できなかった“提灯行列”は、次回の楽しみということに。船長によれば6月頃までのロングランを予定しているとか。今がメヌケ釣り入門のチャンスだ。
(釣りビジョンAPC・谷口晴治)
今回利用した釣り船 |
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茨城県波崎港『仁徳丸』 〒314-0408 茨城県神栖市波崎8573-5 TEL:0479-44-3651 詳細情報(釣りビジョン) 仁徳丸ホームページ |
出船データ |
メヌケ船料金=電話確認 午前4時集合、12時沖上がり レンタルフルセット5,000円(竿・大型電動リール・ロッドキーパー・磁石板=予約時に申し込み要) 仕掛け・錘ともに1,000円(船内にて購入可能) 餌:イカの短冊等は各自用意する(2cm×10cm程度) 氷は無料 |