渡辺丸・千葉県江見太夫崎港
多点掛け連発!千葉県・江見吉浦沖の寒サバ&ヤリイカリレー!
敷居は低く!「クーラーだけ持って多魚種の味を楽しもう♪」がコンセプト!
出掛けたのは21日。「船釣りは非常に敷居が高い」と言う渡辺船長。多くの船釣り初挑戦の人は、既に船釣り経験者と一緒に来て、その人に教えてもらう必要がある。1人で来るには相当な勇気が必要だ。特に『渡辺丸』は中深場の釣り物がメインのため、道具や仕掛けの心配をする人は多いのだとか。そこで、初心者でも安心して来てもらえるよう、電動リール&竿はセットで無料。更に、サビキ仕掛けも1組無料。電話で初めての旨を伝えておけば、出船前に船長が誘い方まで丁寧に教えてくれる。まさに至れり尽くせり。また、渡辺船長は独自の拘りを持つ。「私は一日中同じ釣り物を狙うのではなく、基本的にリレー(※2種類以上の釣り物を時間別に狙う)で出船しています。同じ種類の魚を沢山釣って帰るよりも色々な魚を持って帰って味わってもらいたので」と言う。
航程30分で“三枚根”へ到着
午前4時半、港へ到着すると氷の準備をしていた船長が「今日はね、お客さん少ないからね、ゆっくり楽しんでいって下さいよ」と言いながら迎えてくれた。当初、私を含め4人予約が入っていたのだが、2人組が来られなくなってしまったのだとか。10人以上ゆったり乗れる船で2人きりの“大名釣り”だ。常連さんは右舷大ドモ(船尾)、私は隣に座り、前半戦行うフラッシャーサビキを貸し竿にセットした。船長から「これ付けた方が釣れるよ」と笑顔で渡された長めのイカの“赤短”を8本バリに刺し、午前5時の定刻に河岸払い。向かうは航程約30分、水深150mから2300m(“鴨川海溝”)まで一気に掛け下がる一級ポイント、“三枚根”だ。真っ暗だった水平線はゆっくりと薄ピンク色へと明るみを帯び、船は数回ポイントの上を入念に旋回した所で合図が出た。「いいですよ。水深190mちょっとくらいかな。底付近をやってみて」と船長。
40cm超えの大アジが10本バリに9尾掛け2連発!
合図とともに、10本バリの仕掛けを投入した常連さん。「結構糸出るな~、潮速いのかな」。潮は真潮、南から北へ0.7ノットで流れていた。「魚はね、流れて来る潮に向かって泳いでいるからね。南へ向いて泳いでいるんでしょうね」(船長)。すると、常連さんの竿がググンと初アタリを捉えた。慎重に上げてくると、海面を割ったのは40cm級の大アジ。「ここは本来ムツのポイントなんですけどね、先週末あたりから大アジの大群が入って来たんですよね」(船長)。魚探を見ると底から少し上に赤く纏まった濃い反応が出ている。撮影のため船長に私の竿の投入を代わりにやってもらう。すると、着底と同時に「これもう掛かってるよ!」と笑顔で私を呼ぶ。竿先を見ると、ビンビンッと大アジらしいアタリが出ている。少しずつ誘い上げ、ゆっくりと巻き上げを開始。35~40cm級の幅広アジ3尾取り込んだ。太めのサビキ仕掛けでないとハリス切れもあるグッドサイズ。すると、今度は常連さんの電動リールがうなりを上げた。ウィーン、ウンウン。多点掛けは間違いないようだ。船長と海面を見つめていると、1、2、3、4…9!なんとアジ&寒サバが9尾も掛かっていた。「お~、やったど~」。常連さんも満面の笑み、すると、次の投入でもアジの9尾掛けを達成。しかも、1尾たりとも30cm以下はいない。たった2投で18尾。“三枚根”の魚影の濃さを改めて実感した。
30cm級のムツがトリプル&マサバが登場!
「この前は30cm級のムツが交じったんですけどね。今日はまだ交じらないですね」。船長がこう言った直後、常連さんの竿がアジとは違う鋭い魚信を捉えた。ググン、グン、グンと巻き上げの途中もシャープな引きを見せる。“隠れた本命”のムツを期待し海面を覗く。しかし、海面にはアジ、アジ…そして、諦めかけたその瞬間、黒光りしたムツが次々と姿を現した。計3尾、全て30cm級の良型だった。「いいな~。こっちの竿にもこないかな~」と私は呟きながら船長が取り込み中の私の竿の様子を撮影。すると、海面に黒い物体が見えた。「やった~。今日は煮つけだな」と思わずニンマリ。「陽が昇り過ぎちゃいましたね。潮が濁っていたから明るくなってからも喰ったけど、渋くなって来たから“寒サバ”狙いに移動しましょう」と船長。
不調の筈のイカだったが、すぐにヒット!新群到来!?
午前7時45分、“寒サバ”狙いで水深150mに移動した。常連さんは、既にアジ釣りで良型の“寒サバ”をゲットしていたためプラヅノ11cmブランコ仕掛けでヤリイカ狙いへ切り替えた。一方私は、サビキ仕掛けのままで“寒サバ”を狙う。そして、投入の合図。まず最初にヒットしたのは私の竿。着底して誘い上げる間もなくガッガッ、ブルブル。一発でサバと分かるアタリが手元まで伝わる。電動リールを早巻きで巻き上げ、サバを暴れさせないように取り込んだ。でっぷり太ったマサバは銀ピカに太り、見るからに美味しそう。「今の時期の“ヒラサバ(寒サバ)”は3、4月の産卵シーズンに備えて脂を蓄える時期なんです。焼いても煮付けにしても本当に美味しいですよ」(船長)。すると、大ドモでピュピュッと水鉄砲が見えた。なんと同じ場所でスルメイカが掛かっていたのだ。イカが不調だと船長から聞いていた私もすぐさま11cmのプラヅノにチェンジ。キャビンから投入器(レンタル無料)を借りて、オモリを放り投げた。
寒サバ&ヤリイカリレーは6月までのロングラン♪
その後、“寒サバ”に邪魔されず着底さえすれば“アタリ”があり、シングル、ダブルと順調にスルメイカ&ヤリイカを追加。私は運良くヤリイカのダブルもあり、短時間でヤリイカ4尾、スルメイカ6尾を釣る事ができた。クーラーボックスを開けると、氷も入らないほどギッチリ満タン。常連さんも、大アジ22尾、寒サバ4尾、ムツ4尾、ヤリイカ7尾、スルメイカ6尾の“爆釣”。持ち帰ったサバ&ムツは前評判通り、脂がこってり乗っていて、サバは焼き魚、ムツは煮付けで美味しく頂いた。“寒サバ”は卵を持ち始めると栄養がそっちに取られ、脂の乗りが少し落ちると言われている。早めの釣行をお勧めしたい。
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(吉田 洋一郎)
今回利用した釣り船 |
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千葉県江見太夫崎港『渡辺丸』 〒299-2866 千葉県鴨川市江見吉浦128 TEL:04-7096-0390 詳細情報(釣りビジョン) 渡辺丸ホームページ |
出船データ |
寒サバ&ヤリイカリレー船=1万円(餌・氷・仕掛け1組付) 午前4時半集合、5時出船、11時沖上がり |