2013.3.1号
宝生丸・千葉県勝山港
“ティップラン”で狙う千葉県、内房・勝山沖のアオリイカ!
アオリイカの季節がやって来た!春の産卵を控えた群れが浅場に回ってくるこの時期は、非常に釣りやすい。千葉県、内房・勝山港の『宝生丸』は、そんなアオリイカのニューメソッド、“ティップラン”の乗合船を出している関東では数少ない貴重な船宿だ。私も過去1度、チャレンジしたが惨敗した苦い思い出がある。今回、リベンジを果すべく出掛けた。
釣り場は港の目と鼻の先
2月20日(水)、川崎市高津区の自宅から、第三京浜⇒湾岸線(横浜経由)⇒アクアライン⇒館山道という道順で走り、約1時間30分で勝山港に到着。随分と便利になったものだ。この日は私を含め5人が乗船、高橋栄船長操船で朝6時、定刻通りに出船。釣り場は港を出て1、2分の目と鼻の先。まずは水深18mからのカケ下がりを探った。「一旦底を取ってからエギを2~3mシャクリ上げて、10~15秒止めて待って下さい。アタリがなかったら、ラインを出してまたエギを落として同じ動作を繰り返す。これを2、3度やったら投入し直して下さいね。ここは少しずつ深くなりますよ」と船長からの丁寧なアナウンスと共にスタート。“ティップラン”は基本的に片舷釣り。この日は右方向へ流れる潮加減ということで5人共右舷側に並んだ。
朝焼けの中、船中で連続ヒット!!
船はカケ上がりカケ下がりなどの地形変化のある根や、その周辺を流しているので水深がコロコロと変わって行く。船長はその都度、細かくアナウンスしてくれるので船長マイクには常に耳を傾けたい。そして約40分、「空が明るくなれば乗りが良くなりますよ」と言う船長の言葉通り、朝焼けの中、船中でヒットが続いた。サイズこそ300g前後の小型が多かったが、連続ヒットに船内が沸いた。ヒットしたアングラーは「エギは40gでカラーはレッド系。巻きジャクリ3回後のステイで、半信半疑のアタリを聞きアワせたらイカだった」。別のアングラーは「地形変化に沿ってエギをタイトに落とし込んでいったら乗ってきた。エギは30gでパープル系」と教えてくれた。
その後も“ランガン”を繰り返し、皆順調にアオリイカをゲットしていった。「うん。潮もトロトロ流れているし風も凪いできた。良い感じだよ」と船長もご満悦。そして、「流れが緩い時にはなるべく軽いエギを使って下さいね。イカの“触り”や微妙なアタリが判りやすいです。それとエギのアタリカラーですが、最近はパープル系が抜群にいいですね。今日もやっぱりパープルが良いみたいですよ」とアドバイスが飛ぶ。
ついに来た!嬉しい初ヒット!!
その後も、潮回しや小移動の度に船中でヒットが続いた。アタリの出方を聞いてみると、「もたれるような感じで竿先の曲りが戻らなかった」、「ティップがポンと戻った」、「クンと僅かに竿先が入った」等々。どうやら明確な“アタリ”は少ないようだ。ここで、私も胴の間(中央)に入れて貰って“参戦”。水深22mからのカケ下がりを流すと言う。「この釣りは底立ち(エギの着底)が分からないと始まらない」との船長の教えに従い、まずは確実に底が取れるように、30gのエギに7gのシンカーを追加した。真下に落したエギが潮に乗って右斜め前方に落ちて行く。ラインの放出が止まりエギの着底を確認したら3回の巻きシャクリのあとステイ。『シャクリはイカにエギの存在を気付かせる動作。ステイはイカがエギを抱く間を作ってやっているわけだ』と、船長のレクチャーを思い出しながら一連の動きを繰り返す。大切なのはイメージ。そして“静と動”のメリハリ。そして数十分後、パンパンパン!と鋭いシャクリの直後のステイで、ティップが微妙にククンと入った。しかし合わせたが乗らず…。だが、イカはまだエギを狙っているとイメージし、再度ラインを出して底立ちを取り2シャクリ後のステイに、ニュ~っとティップが走った。狙い通り!とばかりにすかさず合わせると、ドンッ!とロッドに重みが加わった。今度はしっかりと乗った。イカ独特のジェット噴射を味わいながら慎重に寄せ、船長の差し出した玉網に無事ネットイン。サイズは600g程度だが“ティップラン”で仕留めた記念すべき初アオリに嬉しさMAX。エギカラーはパープル基調で腹部がレッド。実は、他のアングラーの“アタリカラー”のいいとこ取りをしたのだ。これで、ようやくリベンジを果しホッとひと安心。
終始乗り抜群!今後も期待大!!
その後も潮は良い具合に流れ、終始ボツボツと乗り続けた。良い場所と時合のタイミングに当たればバタバタと連続ヒットする場面も何度かあった。私も初ヒットから30分もしない内に、明確なアタリをティップで捉えて700g級の“まあまあサイズ”をゲット。そして更に、400g前後のサイズも追加。“アタリカラー”は変わらずパープル&レッド。「この釣りのキモのひとつがエギのカラーチョイス。色次第でイカの乗りが全く変わってくることが多々あるからホント不思議だよね」と船長も力説するようにエギのカラーはとても重要。他のアングラーもパープル系やオリーブ系やピンク系やマーブルなど、様々なカラーバリエーションを船に持ち込んでいた。
結局、この日の釣果はトップで10尾、スソ(最低)4尾という成績。「今年の傾向は、大型は少ないけど数が出ているよ」と船長が語るように、取材後も安定した釣果が続いている。是非、内房で“ティップラン”を楽しんで頂きたい。
(鈴木 恭介)
今回利用した釣り船 |
---|
千葉県勝山港『宝生丸』 〒299-2117 千葉県安房郡鋸南町勝山54 TEL:0470-55-2777 詳細情報(釣りビジョン) 宝生丸ホームページ |
出船データ |
午前船/6:00~12:30、¥8000-(氷付き) 午後船/14:00~18:00、¥6000-(氷付き) ※1日通し¥1万3000- |