2023年02月05日公開
強い西風の影響もあり、海水温が15℃台まで下がった1月下旬、いつもの釣れないカルテット(磯釣りクラブ仲間の杉崎さん、竹中さん、高橋名人)で、静岡県下田市須崎の沖磯に出掛けた。1週間前にもここの沖磯に渡礁したが、前日から海水温が2℃落ちた事も影響してか釣果なしの結果に終わり、“寒メジナ”の難しさを実感した。リベンジを果たすべく、午前6時20分の渡船に乗った。
海水温は15.4℃。赤根島の水道側でスタート!
この日も午後から強い西風の予報が出ていたので、船は外浦方面へ向かった。途中で海水温を確認すると15.4℃。やや低いがここ数日は15℃台で安定しているようだ。今回は4人一緒に乗れる「赤根島」を船長がチョイスしてくれた。そこは収容人数が多く、西風にも強いため、“寒メジナ”にはもってこいの沖磯だ。まずはベテラン3人に釣り座を選択して貰い、私はメジナの実績が高い水道側に釣り座を構えて午前7時にスタートした。
シモリ玉を付け、色々なレンジを探ってみると…
この日の潮回りは小潮、午前9時20分に満潮を迎える。伊豆半島の“寒メジナ”シーズンは朝マヅメと夕マヅメに良型が釣れることが多い。まずは“朝マヅメの一発”と釣り座の根が荒いことを考慮して、強めの仕掛けを準備した。磯竿1.5号、リール3000番、道糸PE0.8号、ナイロンリーダー2.5号4尋(1尋約1.5m)、フロロカーボンハリス2号2尋/グレバリ4号。普段の釣りでは00号や000号のウキと、なるほどウキ止めの組合せで、沈め探り釣りをすることが多い。しかし、この日は明確にタナを把握し、なるべく同じレンジで付け餌をキープさせる為に、必ずシモリ玉を付けることを一日の課題に。ウキは0号、ハリスの真ん中にG7のオモリをセット、ウキ止め糸をタナ2尋半のところにセットした。
コマセはオキアミ9kg(3kgは素撒き用)、パン粉2kg、ヌカ1.5kgを準備。海水温が低いので餌盗りは少ないと考え、メジナの喰いを持続させる為にヌカの量は普段の半分にした。
先ずは手前のサラシと沖からの潮がぶつかる潮目にコマセを3杯撒いて仕掛けを合わせると、数投目にウキがギューンと海中に吸い込まれた。軽く合わせると、小さな手応えで上がって来たのは“木っ端オナガ”だった。良型はもう少し下にいるはず。そこで、タナを3尋に変更してみたが反応がない。魚はあまり活発に動いていないようなので、根ズレ覚悟で釣り座左手の根際を攻めてみる事に。磯の形がテラス状になっていてサラシが強いので、仕掛けを安定させる為にウキを5Bに変更。5Bのオモリをサルカン近辺、G7のオモリをハリスの真ん中にセットし、タナは3尋とした。
浮力を残しながら磯際を流していると、ウキがスーッと入っていった。1m位沈んだところで合わせると、ゴンゴンゴンッ!と手応え。上がって来たのは中型クロダイ。しかし、後が続かない。その後30分位アタリもないので、水道側の左奥、テラスの少し先の磯際に狙いを変更した。
ここは少しサラシが緩いので、ウキを自作の「ウキくんJr. B TYPE-H」に変更、Bのオモリをサルカン近辺、G7のオモリをハリ上20cmにセット、竿1本分(約5m)の少し深いタナを狙ってみた。
仕掛けを変更して1投目、仕掛けが馴染んでウキが海面下1m位でホバリング状態だったが、沈む速度が少し変わったので合わせてみるとギューン!と竿が絞り込まれ、魚が根際に何度も突っ込んでいく。強気のやり取りで上がって来たのは、42cmのクチブトメジナだった。満潮前の午前9時、狙い通りの“本命”ゲットに気分はサイコー!
沖に面した釣り座のベテラン勢は大苦戦
沖向きの釣り座を選択したベテラン勢は大苦戦を強いられていた。魚の反応が薄く、長時間待つとフグにハリごと盗まれてしまうような状況だった。そんな中、粘り強く沖の沈み根を攻めていた杉崎さんに待望のヒット!1号の竿を綺麗に曲げて磯際までメジナを寄せたものの痛恨のハリ外れ。かなり喰いが浅いようだ。その後もベテランの技で魚は掛けるものの、アカメフグやショウサイフグなどの洗礼。竹中さんの釣り座も反応が薄い。潮変わりのタイミングで水道側に移動して来た。
目の前がテラス状でサラシが強いために非常に釣り難いが、軽い仕掛けで磯際深くまで探っている。暫く眺めていると大きく竿が曲がった。何とかテラスの上にメジナを上げようとするが、型がいいようで根に張り付かれてバラしてしまった。その後も同じ釣り方で連チャンしたが根ズレで取り込めない。そこで狙いを沖の沈み根近辺に変更。魚を掛けて、強気の竿さばきを見せると、波を上手く利用してテラスの上にメジナを引きずり上げた。ようやく手にした1匹は40cmに僅かに足りなかったが、38cmのよく肥えたクチブトメジナだった。
高橋名人は早い時間帯に、沖向きの足元で30cm半ばのメジナをゲットしていた。しかし、その後が続かいない状況だったので、私の釣り座の横に入って貰った。竹中さんと同様に軽い仕掛けで沖の沈み根を狙い、見事に35cmのクチブトメジナをゲット。場所さえよければベテラン勢は狙い通りに釣り上げる。
終了間際に痛恨のバラシ!
昼過ぎから予報通り西の強風が吹き始め、水道のサラシもより強さを増して来た。そこで仕掛けを変更。竿は1.5号の先調子のズームタイプ、道糸はPE0.6号、ナイロンリーダーは2.0号に変更、風の影響を少なくする。更に強いサラシの影響で仕掛けが舞い上がりやすいので、ウキとオモリは思い切って1号をチョイス。ハリ上20cmにBのオモリをセットして、4尋のタナを攻めてみた。
3杯撒いたコマセの入り方を観察、20秒位間をおいてコマセの行きつく先を想定して仕掛けを入れてみる。この釣り方が功を奏して、32、33cm級のクチブトメジナが釣れるようになった。仕掛けは重いが、潮がぶつかる潮目ではウキがゆっくりと沈んでいく。その場所を中心に狙っていると、ウキがサラシに消えて道糸が少し走るアタリ。反射的に合わせると、これまでにない重量感が手元に伝わってきた。「これはデカい!」。残り時間を考えればラストチャンスだ。かなり深い場所で喰っているので、根から離すことを優先して強気に勝負をかける。最初の突っ込みを耐えてリールを巻いた瞬間、フッと手元から重量感が抜けた。痛恨のハリ外れである。反射的に合わせを入れてしまった事で、しっかりと餌を飲み込んでいない状態での合わせになってしまったようだ。バラシの後はアベレージクラスを数匹追加してタイムアップとなったが、前回のリベンジは何とか果たせた。
やっぱりメジナ釣りは奥が深い
今回の釣行は、“寒メジナ”の行動を想像しながら、少ないコマセとなるべく細かいタナ取りを心掛ける事で一定の釣果に結び付いた。季節やその日の状況に応じて自分の釣りも変化させることが重要であると改めて実感出来た。大物とのやり取りはまだまだ修行が必要だが、メジナの本格シーズンはこれからなので、毎回課題を持って大物にチャレンジしていきたい。