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静岡県・西伊豆:安良里 メジナを対象に狙った磯釣り大会だったが…!

2023年03月05日公開

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今回は、私が所属する「湘南爆釣族 まるやま倶楽部」の磯釣り大会の様子をレポート。今回で11回目の開催、大会の場所に選んだのは静岡県・西伊豆の安良里だ。お世話になったのは2023年から渡船を開始した『KOZOU丸』。最近の釣果を見ると44,5cmのメジナも出ている。通常の大会のルールは「持ち帰る魚」1匹の重量勝負だが、今は“寒メジナ”シーズンなので「メジナ1匹の重量勝負」となった。

【この記事を書いたライター】磯部 哲

船長にお任せで「名無磯」に渡礁

安良里は港から約5分程度の近場に大・小10程の磯が存在、最大20人程収容出来る。「割石」、「マルボウ」などの磯は水深が15mくらいで非常に潮通しが良く、また地方寄りの磯は水深が5~10mで沈み根が多く、メジナが居着きそうな雰囲気のある磯が多い。大会メンバー9人を乗せた「KOZOU丸」は、午前6時30分に2番船で出船。メンバー8人が渡礁を済ませ最後は私の番だが、前日の低気圧の影響でウネリが残り、低い磯は潮が被っていた。安全そうな場所を15分程探して、最後に辿り着いたのは未開拓の「無名磯」。「余り物に福がある」と信じて、期待と共に準備を進めた。

浅場狙いで良型のクロダイをゲット!

渡礁後、磯回りの様子を観察すると、水深は竿1本程度(約5m)。ウネリと南西風の影響で、北向きの釣り座しか出来ないと判断して準備を進めた。仕掛けは磯竿1号/リール3000番/道糸PE0.6号/ナイロンリーダー2号を4尋(1尋=約1.5m)/フロロカーボンハリス2号を1尋半/グレバリ4号。水深が浅いのでウキは自作の「ウキくんJr. 0 」を選択し、リーダーとハリスの直結部から20cm上に1.5号のハリスを「なるほどウキ止め」の要領で留めた半誘導仕掛けとし、完全フカセでスタートした。コマセはオキアミ6kg、アミエビ2kg、パン粉2kg、ヌカ2.5kg。低水温の時期は集魚効果の高いアミエビを混ぜると良い場合が多い。付け餌はオキアミのアミノ酸漬けと自作の芝エビのむき身を準備した。
まずは足元に見える沈み根を攻めてみたが、アタリがなく餌が戻ってくる。ウネリの影響で仕掛けが落ち着かないので、リーダーとハリスの直結部にG7のオモリを追加すると、仕掛けが馴染んでゆっくりとウキが沈んでいくが、今度はアタリがないままハリスのチモト付近に多数の傷がついて戻って来た。どうやら餌盗りのフグが動き出したようだ。暫く同じ場所で釣ったが、ハリも取られる状況が続いたため、波打ち際の浅場狙いに変更した。
波打ち際は沈み根が多い為、沈み根の間を狙ってコマセと仕掛けを投入する。ウキが見えなくなるほど沈んだところで、道糸に張りを入れるとわずかな手応え、すかさず合わせを入れた。ゴンゴンゴンッ!と独特な引きでクロダイだと確信。ウネリでタモ入れに少々苦労したが、43cmの居着きのクロダイをゲット出来た。ここから暫く同じ場所を狙ってみたが、アタリが遠のいたので、付け餌をオキアミからむき身に変更。ここでもウキが見えなくなるまで沈めてみたが、アタリがないので回収しようと軽く合わせを入れた瞬間、根掛かりのような重たい手応え。程なくあの独特なゴンゴンゴンッ!という首振りが伝わって来た。先ほどよりも引きが強いが、柔らかい1号竿が魚の引きを吸収してくれ、無事にタモ入れに成功したのは49cmのクロダイだった。

 

沖の根回りでメジナを狙ってみたが…

満潮から2時間が経過した午前10時、浅場ではメジナの姿が見えないため、沖の根回りに狙いを変更した。沖向きには離れ磯があり、そこから右方向に緩やかな上り潮が流れている。タナを2尋半に変更、離れ磯の少し沖側に仕掛けを入れて上り潮に流していく。ウキが沈み始めるタイミングで沈み根近くに付け餌が到達するようなイメージで仕掛けを入れていくと、張り気味に流していた道糸に僅かな変化。更に強く張りを加えると、道糸がピーンと張った。「これは魚が喰っている!」と判断し合わせを入れた。これまでにないに強い引き。やり取りの途中でギラッと光る魚体を確認出来たのでクロダイである事は間違いないが、かなりの重量感だったためじっくりと時間をかけて慎重にやり取り、無事タモに収めたのは自己記録となる53cmの立派なクロダイだった。通常の大会なら優勝クラスの魚だが、今回はメジナの大会だ。メジナを狙って更に仕掛けを変更した。沈み根ギリギリに付け餌を届けるべく、ウキを3Bに変更し、リーダーとハリスの直結部に2Bのオモリ、更にハリ上20cmのところにBのオモリを追加して、シモリ玉を入れた半誘導仕掛けにした。潮の流れと仕掛けの重さを計算しながらタイトに沈み根を攻め続けていると、突然道糸を引っ張るアタリ。すかさず合わせを入れると、強烈な勢いで竿が曲がった。明らかにクロダイとはスピードが異なる魚だ。1回目の激しい突っ込みを交わし、少し強引に沈み根から魚を離し、姿が見えるか見えないか位まで上げて来たところで、痛恨のハリ外れ!貴重な大物を逃してしまった。
午後からは軽い仕掛けに戻して、足元から遠投、表層から海底付近まで隈なく探ってみたが、時々遊んでくれるのは大きなボラのみ。渡船が迎えに来る15時を前に14時30分に納竿とした。

大会の結果は如何に!?

帰りの船で船長に聞いてみると、この日はかなり食いが渋くどの磯も苦戦を強いられたようだ。港に戻り早速計量を行った結果、第1位は唯一メジナを釣り上げた杉崎さん。以降はメジナ以外を対象とし、第2位はクロダイを釣り上げた私。第3位もクロダイを釣り上げた嘉山さんだった。残念ながらこの日メジナと出会えなかったが、気の合う仲間とワイワイガヤガヤと過ごす大会は最高に楽しい。メジナの乗っ込みシーズンはもうそこまで来ているので、次回こそは大物に出会えることを夢見てまた磯に出掛けたい。

施設等情報

渡船:KOZOU丸
静岡県賀茂郡西伊豆町安良里111-13
(安良里漁港より出船)
TEL:0558-56-0088 KOZOU丸ホームページ

施設等関連情報

出船および磯上り時間:季節による(要確認)
料金:5,000円
車:新東名高速道路・長泉沼津ICから約1時間10分
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

磯部 哲
伊豆半島・真鶴半島をメインに活動する磯釣りクラブ「湘南爆釣族 まるやま倶楽部」の斬り込み隊長 兼 小物釣り師 兼 週末アングラー。磯釣り歴は約15年で絶賛修行中。釣った魚を料理するのも大好き。クラブメンバーで釣行を共にする杉崎さん、竹中さん、高橋名人、磯部の「釣れないカルテット」が繰り出す珍釣行に、乞うご期待!!
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