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奈良県・七色ダム。JB TOP50第1戦、トッププロと同船した3日間で得たものは?

2023年04月17日公開

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4月7日から9日、奈良県・七色ダム(熊野川水系北山川にあるリザーバー、上流は池原ダム)で行なわれた「JB TOP50第1戦」。そこで3日間、オブザーバーとして3人の選手に同乗した私が、トーナメントの詳細をレポートする。更に、トーナメント終了翌日には、プライベートで釣りをしたので、オブザーバーで学んだことの復習と共に、実釣内容から七色ダム攻略のヒントをお伝えしよう。

初日は三原直之選手。大雨予報、シャローで展開したが…

初日に同乗した選手はシャローやビッグベイトが得意な三原直之選手。3年前の同時期に七色ダムで行なわれた「TOP50」の優勝者でもある。自分としては、期待が膨らむ中での試合開始となった。
ファーストポイントは中流域のシャロー。期待通りチャターやビッグベイトで探っていくが、中々反応が得られない。その後は展開を変えてシャローのサイトを行なうが、中々リズムが合わない印象。途中、キーパーサイズを拾って北山川の最上流へ。ここで今回優勝することになる河野選手とバッティング。既に4500gほど持っているとの事なので、少し離れたところをチャターで探っていく。すると、1kgはありそうなバスからの丸見えバイト。しかし、ショートバイトでフックオフ。「岩の陰に通すと出てくる」と三原選手。スピードを落とす為にウェイトを下げて流していくがバイトはなく、サイトで1匹釣って終了となった。
この日の天気予報では一日を通して大雨予報だったが、雨量はそれほど多くなかった。予め減水させていたせいもあり、大幅な増水やインレットの濁りによる釣果爆発はなかった印象だ。この時期のセオリーである最上流を攻めた選手が上位を占めていた。
三原選手を見ていて衝撃だったのがキャストの精度。メインにして使用していたルアーのキャストは勿論、ライトリグからいきなり150gクラスのジャイアントベイトに持ち替えた時ですらキャストの精度が高く、まさに一投で仕留める事の出来る人だなと感じた。

2日目は野村俊介選手。サイトのスペシャリストはここが凄い

2日目は前日の雨の影響で1m以上の増水、ブッシュなどが冠水しているところが多く見られた。しかし、濁りは薄く、ウッドチップや流木によるカバーもきれいな水が占めていた。
この日乗船したのは野村俊介選手。シャローが得意な選手で、サイト合戦の試合では無類の強さを誇る。乗船が決まってからはその釣りが見られるのかと思い、期待を膨らませていた。
私の予想通りサイトがメインの様子。まずは中流域にある西の川の合流地点から下流方向に流していった。前日は最下流から上流に向かって流していったので、前日触っていなかったエリアから見ていく為に逆方向から探っていく。しかし、季節の進行具合か、それとも増減水が原因なのか、西の川合流部には生命感がなく、ただ下流に流していった。S字に入る手前辺りから急に生命感が高まり、キーパーサイズのバスも交じって来た。その後も反応のよいエリアではサイトの展開を続け、ナイスキーパーも交じって入れ替えも数回行なう程。
特に勉強になったのはリグ作りの丁寧さ。メインにしていたダウンショットリグは1匹釣れる度にリグを結び直し、シンカーの結び目保護やフックの立ち方を調整したり、リーダーの長さも一定になるようにしていたのが印象的だった。

 

最終日は藤原哲司選手が、沖の回遊系を狙う!

大雨、強風と続いたが、最終日は快晴となった七色ダム。過去の経験から特に厳しいタイミングになると予想していた。そんな中、津風呂湖で沖の回遊系バスを釣るのが得意な藤原啓司選手との同乗が決まり、これは立木の沖パターンが見られるのではないかと心が躍った。
予想通り、藤原選手は前日“50UP”をキャッチしたというポイントに入り、最新魚探でのシューティングを駆使していた。序盤は反応がなかったが、少しずらしたポイントに入るとナイスフィッシュがヒット。「TOP50」が行なわれている最中に、ベイトのパターンがワカサギから稚アユに変わったようだ。圧倒的に反応するルアーのサイズが小さくなっていき、前日からはマイクロベイトパターンが好調のようだ。しかし、前日とは反応するレンジが変わり、より深くなっている事から、シンカーを足したり、タックルセッティングを替えてレンジを落としていったのが分かった。
同じエリアで2匹釣った後は、同様のポイントをランガンしていくが、連日のプレッシャーからかバイトに至らない場面が多くなっていた。しかし、諦めずたまたま見つけた立木に差してくるバス目掛けてシューティングを行なう事で最後の1匹をゲット、帰着となった。
実際に見ている魚探の画面は見ることが出来なかったが、バスの位置を見極め、バスの反応を見ながらマイクロベイトなルアーを操作するのは、並大抵の技量ではないなと感じた。

大会翌日は復習のためにプライベートで出船!

「TOP50」の試合が終わり、翌日はマイボートで出船した。この日まで残っている選手は少数で、月曜日ということもあって、一般のアングラーも少なくやりたいポイントにも入りやすかった。短時間だったが「3選手の釣りを自分でも再現してみよう!」と思いエリアとリグを真似てみた。
まず手にしたのは野村選手と同じくヘビーダウンショットリグ。流し始めてすぐに、シャローで見つけて釣れたのは40cmクラスのナイスバス!シャローでのサイトの釣りは得意だった事もあり、あっさりと復習が出来た。
次は岩盤や岩のある上流エリアでチャターの釣り。「TOP50」のエリア外である大又川の最上流に向かい、大岩と呼ばれるポイントで同じような釣りを展開してみた。しかし、何かが違うのか、バイトを得ることが出来ずに終わった。その後もビッグベイトを投げたが、復習は出来ずに終えた。その帰りにシャローを覗くとバスが見えたので、ヘビーダウンショットリグで追加。
オブザーバーの経験でイメージがあるうちに自分の釣りの幅を広げようと、立木の魚にもチャレンジ。最終日に同船した藤原選手と同様のエリアに入った。しかし、肉眼でもバスは見えるものの反応はなく、残念ながら釣れる気配は皆無だった。この釣りは最新デバイスのなせる技だったものと思うが、今後もそのイメージを持ったまま釣る方法を模索していく事にした。

七色ダムで釣りたいならレイダウンと崩落!

七色ダムに多くある崩落やレイダウン、カバーなどの目に見えるストラクチャーを狙っていく事が近道だ。今回のようにプレッシャーが高いタイミングやタフな時に七色ダムに行く場合も同様である。立木、レイダウン、カバー、崩落、インレットなど、どこを見てもよいポイントに見える七色ダムにおいて、私がメインで探っていくのがレイダウンと崩落である。
それらは必ずバスをストックしており、季節によっては湖のMAXサイズのバスをストックしている事もある。また、目に見える変化を釣っていく為、高性能な魚探は不要だ。レンタル船で出船した場合でも必ず立ち寄っておきたいスポットである。
そういったポイントでメインに使うのは、4インチ程度のストレートワームを使ったネコリグである。しっかりボトムを取り、アクションを加えることでバイトを容易に得られる事が多い。逆に、バイトがなければエリアが違うと決めて移動を決断する。南北に長い七色ダムにおいて、エリア選択とポイントの絞り込みは重要である。ポイントを絞ってエリアを見ていく事で見えてくる時も多いので、是非試して頂きたい。

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この記事を書いたライター

高橋 慎治
ブラックバスのトーナメント参戦を主軸に、トラウトやソルトの釣りも行う。「釣りで人生を豊かにする」というコンセプトのもと、釣り普及委員会の委員長としてイベントを複数回開催。日本全国の水辺で釣りをしてきた経験をもとに、記事を執筆していきたい。重度のTwitter民でもあるので、フォローを希望!
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