2023年05月06日公開
「“見えオナガ”釣り」と言うと四国西南部の鵜来島、沖の島などが挙げられるが、南九州にも“見えオナガ”釣りで有名な名礁がある。宮崎県日南市南郷町の沖合に浮かぶ孤島・水島だ。ここのオナガグレはとにかく賢く、簡単には口を使ってくれない。まさに難易度が高いオナガ釣りのエリアだ。今回はこの水島のオナガグレ確保を目指して“釣戦”した。
シケが治ってきた!夢の島・水島へ
ここ数日間は大シケが続き、前日まで渡礁する事が出来なかった南郷の渡船エリア。やっと渡礁できると知り急遽出掛けることにした。ところが、現地は平日にも関わらず思った以上に多くの磯釣り師で賑わいを見せていた。南郷までの道中では「平日だし、ウネリも残っているので、釣り人は少なく、好きな所で釣り出来るだろうな」と思っていた。しかし、考えていることは皆同じようで、釣りが出来なかった分、この日を楽しみに待っていたようだ。だが、沖に出てみるとやはりウネリは残っている。しかし、船長の巧みな操船技術と判断力のお陰で、どうにか夢の島・水島に渡礁することが出来た。渡礁してすぐは波をかぶる場所もあったが、なんとか釣りは出来そうだ。
今回こそは!前回の雪辱を胸に
大きい磯なので、12人で場所を分けながら釣りをするのが水島の渡船スタイルだ。この日はシケている事もあり、釣りが出来る場所は限られているが、常連さん曰く「どこの場所でも釣れる」との事。私も南郷エリアにはちょくちょく来てはいるのだが、水島に渡礁するのはまだ3回目。初めて水島に乗った時は感動するほど、朝一から魚が多く、一日中グレが乱舞していた。一番驚いたのは、グレが海面直下まで餌を拾いに寄って来て、撒き餌を投入するとすぐに波紋をたてながら捕食していた事だ。この時は悪戦苦闘。どうにか最後に1回掛けることは出来たが、瞬殺され悔しい思い出しかない。
前回の悔しい思いを胸に、今回こそはという意気込みで、早速釣りを開始した。ところが、撒き餌を撒いてみても魚が全く見えない。そこで、スルスル仕掛けで始めることにした。魚は全く見えないものの1投目からアタリがあり、上がってきた魚は20cmほどのオナガグレ。「水島でこのサイズを見たのは初めてだ」と常連さんも驚くような状況だ。次に上がって来たのはスズメダイ。いつもなら仕掛けを遠投して小さいサイズ魚を避けるのだが、自分の選んだ場所は一瀬裏のワンド。このワンドは小さいので、遠投してしまうと人のポイントになってしまう。そのため、この作戦もできない。そこで、撒き餌を手前に打ち、仕掛けは7mほど潮下のところで馴染ませてみる。すると、深い所でアタリ。上がってきた魚は“腹パン”のサンちゃんことサンノジだ。中々上手くいかないので、他の釣り人の釣りを見学に。潮の効いているような場所は、35cm前後のグレがポツポツと釣れているようだ。また、この日のA級ポイントの「すべり台」では、魚が浮いて来て60cm近いグレが捕食しているが、中々掛けるのが難しいようだ。
ついに“本命”の大型が登場!掛けまくったものの…
辛抱して撒き餌を撒き続けていると、ようやく自分のところでもグレが浮いてきた。だが、やはり、簡単には喰ってくれない。そこで、仕掛けの安定性を増やすためにゼクトαの浮力をBに変更してみると、すぐに喰ってくれたのが35cmほどのオナガグレ。その後も同様の小さいサイズは連発。しかし、この日は大きなサイズ確保を目指してきているため、ちょっと残念だ。
そこで、50cm程タナを浅くしてみると、何といきなりウキが消し込まれるが、対応できずにラインブレイク。この後も10回程魚を掛けるまでは出来たものの、やはり対応することが出来ず、仕掛けを切られまくった日になってしまった。しかし、前回よりも多く掛けて、やり取りも少しは出来るようになったので、悔しいが嬉しさもある釣行となった。