釣りビジョン

千葉県・高滝湖。カバー&トップ、時々サイト。初夏の高滝湖で40cmアップ連発!

2023年05月15日公開

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今年は早春から高滝湖が好調で、4月半ばあたりから表層での反応もよくなってきたらしい。アベレージサイズも相変わらずよく、二桁釣果も珍しくない。そんな情報を聞きつけ、遠足前夜の小学生状態で突入した。

開始早々からバズベイトにドゥブン!

「高滝のカバーが熱いらしいよ。トップもけっこう出るらしい」
 そんな誘い文句にもんどりバイトしてきた今回のパートナーは、月間バサーの佐々木君。編集部一の釣り好きで、出社前数時間のためだけに房総半島に釣行することも珍しくない熱血編集長だ。集合時間の10分前に到着すると、彼はすでに桟橋前に座りにやつきながら準備を進めていた。桟橋付近の透明度は50cmほどで、こちらもちょうどいい塩梅。浚渫工事のために長らく水位を落としていたが、それも終わり久しぶりの満水位だ。Tシャツにアノラックパーカーを羽織って心地いい快暖の高滝湖に出船した。
佐々木「今日は昼前くらいから風が吹くらしいですね」
大場「であれば早い段階で本湖を回った方がいいかもしれないね。そろそろバスが浮きだすころだし、第2漁礁から始めようか」
 3つある浮き漁礁の中でも一番水深の浅い第2漁礁から釣り開始。僕はブルフラット3.8インチをセットしたマツバズ、佐々木くんはボルケーノグリッパーで流し始めた。桟橋付近よりも少しだけ濁って見える。魚探を積んでないので正確な水深はわからないけど、せいぜい2~3mだろうか。周囲は漁礁を支えるロープが張り巡らせられている。一周目で何もなければ2周目はもう少し遅めのトップを投げるつもりでいた。
大場「うわ、出た!」
佐々木「え、え、乗らなかったんですか!」
 プロップがかろうじて水面から出るほどの速度で巻いていたら“モワン”と静かに持っていかれた。回収してみるとブルフラットのテールだけが無くなっていた。釣りを始めてほんの10分ほどの出来事に興奮するふたり。
大場「もっとスピード上げた方がしっかり食うかもしれないね。高滝の漁礁って本体周りよりも外側で出ることのほうが多くない?」
佐々木「そう!僕もまったく同じこと思ってました」
 そういってるそばから再び僕のマツバズにヒット。今度はしっかり乗った!すかさずバッグから一眼レフを取り出す編集長。
大場「お~、高滝のバスは相変わらずよく引くな~。そんなに大きくないけどトップにちゃんと出たよ」
 ブルフラット3.8インチをすっぽりくわえこんでくれたのは、唇の分厚い40cmクラス。リーリングスピードを速くしたのが正解だったのか!? そう思い漁礁の2周目はMTウェイク、通称マツバドにチェンジ。じつはこの日はバスマスターエリート戦が海の向こうで開催されており、松下雅幸くんがいい位置につけていて、応援の意味もこめてまっつんプロデュースルアーを選んだわけでもあります。後ろでボルケーノグリッパーを投げていた佐々木君もこのタイミングでビッグバドにチェンジ。
 3周目は少しレンジを下げて3/4オンスのジャックハンマー、佐々木君はマイケルビッグを試した。
「あれれ、朝の時合は終了か?」

川筋のカバーで50cmクラスが荒々しくバイト

佐々木「あ~、いま完全にライン走ってました」
 UFOワンド、第3漁礁を経由して養老川にエントリー。水位が増えたことでバンクの景色はカバーだらけ。ここまで1本キャッチしている僕はカバーの外側にバズベイトを乱打し、岸際のカバーは佐々木くんに任せる。すると、冠水ブッシュを撃ち始めてすぐに佐々木君のエスケープツインにバイトがあった。緩やかな流れが当たる、ほんのわずかにエグレた『いかにも』な冠水植物のカバーだ。さらに上流に進みながら撃っていくと今度は僕のブルフラットに50cmクラスが勢いよく食ってきた。が、これもフッキングならず。けど、バスは確実にカバーに入っていることを知れたのは大収穫。というのも1週間ほど前に『養老川は代掻きの影響でバスがほとんどいない』と聞いていたのだ。確かに本湖に比べると若干水が白っぽく見えた。ゆえに少しだけ不安はあったが、その懸念材料もこれで完全に払拭。さらに上流を目指して突き進み、誰もが手を付けるであろうインレットに差し掛かる。
 僕の1投目はタイニーブルシューター、佐々木君はマイケルビッグを選んだ。勢いよく湖面をたたきつけるインレットのツボからボートまでの距離は10mほど。水深は2~2.5mと思われる。
大場「あれ、いないのかな?」
佐々木「出てこないですね」
 コースを変えながらタイニーブルシューターを5~6投。2番手はブルシューターJr.だ。こまかいトゥイッチを入れながら速めに巻いたタイニーに対しジュニアはデッドスロー。流れに身をゆだねるように滑らかなS字を描いていると45cmくらいのバスがフワ―ッと姿を現したがスルー。ボートの気配を察しているのだろうか。続いて結んだのは超スローフローティングにチューンしたレイジースイマー。ジュニアと同じコースを通すと3投目に口を開いた。だが、これもあま噛みでフックには掛からない。佐々木君のローテーションはラトリンローグ、エスケープツイン、ビッグバド。
佐々木「うわ、でかい!」
 50cmはありそうなバスが悠然と泳いで近づいてくる。すかさず壁際にレイジースイマーを入れると一瞬だけ見るも、「あ、またルアーですね」といわんばかりにそのまま泳ぎ去ってしまった。
 その後もカバースキャット、ヤマセンコー、ダイラッカ、ジョイントフカベイトなどなど、思いつく継投策を投じるも空振りで終わった。次のインレットでも佐々木君のエスケープツインが食われたが、これも空振り。あまりにも反応が多いため、ものすごく順調な錯覚に陥るが、冷静に振り返るとキャッチしたバスは船中1本。
佐々木「今日はだいぶEの文字が付いてますね」
 大のカープファンでプロ野球好きの佐々木君のいうEとは、掲示板に表示されるエラーのこと。確かに全部キャッチできていれば3イニングを終えた時点でH5、E0と記録されていたはずだ。

 

果てしなく続く養老川をひたすらさかのぼる

その後もエラーが続き、ようやく2本目のヒットが記録されたのは正午前のこと。リバーチャンネルが1mを切った上流域で、流れもだいぶ強くなるエリア。小さな崩落跡カバーにタイニーブルシューターを通すと陰からバスが飛びついてきた。間髪入れずにフリッピンロッドに持ち替えブルフラットのテキサスリグを入れるとあっさり食ってくれた。これまでのミスを取り返すようなサイズではないが47cmの筋肉質なアスリート体形。
大場「インレットもそうだけど、適度に流れがあるところがよさそうだね」
 そういえば、行けども行けども先行者に出会わない。平日とはいえ高滝観光の駐車場は半分ほど埋まっていたから、少なくとも7~8艇は出船しているはず。各インレットや大場所で反応がよかったのはプレッシャーが掛かっていなかったからなのかもしれない。気が付けば、これまでエントリーしたことのない上流部に到達していた。地図アプリで計測してみたところ、境橋からおよそ5kmも遡上していた。
大場「本湖のカバーも撃ちたいし、古敷谷川も気になるから13時半には養老川を出るつもりでいたけど、だいぶ余計な時間を使っちゃったね」
 高滝観光の桟橋を通過して古敷谷川に入ったのは16時すぎ。下船時刻まで90分しかなかった。

終わりよければすべてよし!?

じつはこの釣行の2日前にはバサーの若手編集部員と三島湖に行き、彼をノーフィッシュに終わらせてしまった経緯がある。編集長までデコらせてしまったら今後の仕事にも響くかもしれない!? とは1ミリも思わなかったが、同じ船に乗っているのだから公平に楽しみたい、という気持ちは少しだけ持ち合わせている。あとは佐々木君に釣ってもらいたいところだが、3本目も僕のヘビーテキサスリグにきた。「バックシートのカバー撃ちほど不利なことはない」、そんな彼の心の声が聞こえた気がした。唯一すくいだったのは、同日にガイドで出船していたオリキンこと折金一樹君も苦戦していたこと。古敷谷川で会った際には船中2本といっていたので、状況としては芳しくなかったのだろう。
 古敷谷川の主要インレット3本のどこかで当てられると目論んでいたが、養老川で粘りすぎてしまったためその余裕はない。完全なる僕の采配ミスだ。古敷谷川下流でも2つのエラーを記録して万事休すかと諦めかけていた時に、佐々木君のロッドが曲がった。水深0.4~0.5mしかないサンドバー上に通したボルケーノグリッパーが吸い込まれた。
佐々木「あそこの木枠の横を通したらジュボッて出ました。こんな絵にかいたような出方するんですね!」
 時刻は17時18分。9回裏ツーアウトからのクリーンヒットだった。

施設等情報

■高滝観光企業組合
〒290-0557
千葉県市原市養老字柏野1365-1番地
TEL 0436-98-1277
FAX 0436-98-1279 高滝観光企業組合ホームページ

施設等関連情報

■営業時間
5時30分~17時30分(4月1日~9月15日)
6時00分~17時00分(9月16日~10月20日)
6時00分~16時00分(10月21日~11月30日)
6時30分~16時00分(12月1日~2月末)
6時00分~17時00分(3月1日~3月31日)
※年末年始
6時30分~15時00分(12月31日)
休み(元旦)
8時00分~15時00分(1月2~3日)
■レンタル
ボート各種、エレキ、バッテリーあり。要遊漁券
■アクセス
圏央道・市原鶴舞ICから5分
     
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この記事を書いたライター

大場 未知
東京・麻布十番育ち。大学時代は留学先のテキサスでバスフィッシングの腕を磨き、日本の出版社勤務を経て再び渡米。B.A.S.S. およびFLWにコアングラーで参戦。FLWではチャンピオンシップで2位に入るなど、アマチュア賞金稼ぎとして数々の爪痕を残した。
現在は、千葉県君津市在住のフィッシングライター&エディター。
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