釣りビジョン

《静岡県・下田市須崎》ジャンボイサキ狙いで釣れたまさかの【超高級魚】!?

2023年06月07日公開

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静岡県・伊豆半島の渡船での夜釣りシーズンは5月初旬から9月中旬まで。現在、我々釣れないカルテット(磯釣りクラブ仲間の杉崎さん、竹中さん、高橋名人、私)も、この時期はイサキを狙った夜釣りを楽しんでいる。例年、シーズン序盤は数こそ望めないものの産卵前の腹パンのジャンボイサキが狙える。静岡県下田市須崎に出掛けた。

【この記事を書いたライター】磯部 哲

ウネリに強い「爪木島」に渡礁

昨シーズンの夜釣りでは、「細間島」に渡礁してイサキを爆釣したことから、今年も同じ場所での釣行を希望していた。ところが台風2号のウネリの影響で微妙な感じだ。船長に相談すると、「細間島の様子を見つつ、無理そうなら爪木島にしましょう!」との事。14時30分に出港した。
この日の潮回りは小潮で、15時20分に干潮、23時20分に満潮を迎える。「細間島」に差し掛かったところで磯の様子を見ると、何とか釣りは出来そうなのだが、夜間の安全を考慮して「爪木島」に向かう事になった。「爪木島」は足元から10~15mの水深があり、1年中多種多様な魚種が釣れる須崎の名礁である。ややウネリのある中、船長の巧みな磯付けにより、ジャンボイサキの期待を抱いた4人は無事渡礁を完了した。

「夕方の部」はメジナを狙った

辺りが暗くなる18時30分位までの“夕方の部”は、各々好きな仕掛けで挑んだ。杉崎さんはキビナゴのスルルー仕掛け、竹中さんはカゴの遠投仕掛け、高橋名人と私はメジナ狙いのフカセ仕掛けで釣りを開始。
私の仕掛けは、磯竿1号、リール3000番、道糸PE0.6号、ナイロンリーダー2号を4尋(1尋は約1.5m)、フロロカーボンハリス2号を2尋、グレバリ6号。ウキは自作の「ウキくん00 」を選択した。タナ2尋半のところに、1.5号のナイロンハリスを「なるほどウキ止め」の要領で留めた半誘導仕掛けとし、完全フカセでスタートした。
コマセはオキアミ6kg、アミエビ4kg、パン粉2kg、ヌカ3kg。因みに、夜釣りの場合は集魚効果の高いアミエビを必ず混ぜている。この日の海水温は19.8℃で、前日から0.5℃程上がっているが、連日安定している様子なので期待出来る。
開始後数投はアタリが無く、仕掛けの馴染みも悪い。そこで、リーダーとハリスの直結部にジンタンのG7を追加すると、ゆっくりとウキがしもっていく。半尋位ウキが沈んだところで、ウキのスピードに少し変化が見られたので合わせを入れると、ゴンゴンゴンッ!と独特の引きが伝わって来た。「ブダイが釣れたよー」と報告していると、海面下に1mを超える巨大な魚体が現れた。「サメだーっ!」と急いでブダイをタモ入れ。これでは釣りにならない。15分程休憩。すると尾長グレの活性が上がって来たようで、入れ喰い状態になった。サイズは25~28cmと可愛いものの、今シーズンはメジナ釣りが絶不調だったこともあり、高橋名人と数釣りを楽しんだ。
スルルー釣りとカゴ釣りは不発だったため、杉崎さんと竹中さんは17時過ぎに夜釣りのフカセ仕掛けに変更した。
緩い潮に仕掛けを流していた杉崎さんが合わせを入れ、大きく竿を曲げて楽しんでいる。タモに収まったのは40cmを超える良型ブダイ。杉崎さんはここからブダイを4連荘、竹中さんもブダイを3連荘の後に、良型のオジサンを釣り上げた。
尾長グレ釣りをひとしきり楽しんだ私は、一発大物を狙ってウキを5Bに、タナを4尋に変更。これで磯際を丹念に攻めていると、ウキが一気に消し込む強烈なアタリ!すかさず合わせを入れると、竿が根元から曲がる強烈な引きでドラグが出ていく。1回目の突っ込みを耐えて竿を立てたが、すぐに2回目の突っ込みで根に張り付かれてThe End。ここで時刻は18時30分を迎え、悔しい思いと共に夜釣りの準備を始めた。

 

“夜の部”前半戦で、いきなりジャンボイサキが姿を現す!

夜釣りの仕掛けは、磯竿2.2号、リール4000番、道糸PE1.5号、リーダー5号、ハリス8号、ウキは5Bの円錐タイプ、ハリは夜光真鯛10号の2本仕掛け。そして、タナは4尋で釣りを始めた。夜の付け餌は加工オキアミ、丸エビ、芝エビのむき身の3種類を用意。その日の餌盗りの状況や、魚の活性によって当たり餌が異なるので、複数種類の付け餌の準備をお薦めする。
釣り座の地形から、上り潮の場合は当て潮になり約15m沖で潮目が発生する。ワンドの一番奥からその潮目を狙っていた竹中さんに早々のアタリ。磯際で強い突っ込みを見せるので「メジナかな?」と眺めていると、足元に茶色の魚体が見えた。「やった!イサキだ!!」と慎重にタモ入れを決めて、姿を現したのはジャンボ(40cmオーバー)には僅かに届かないものの、39cmの良型イサキだった。
竹中さんにタナを聞くと5尋とのことで、他のメンバーも5尋に変更する。開始早々の良型イサキの登場にテンションが上がった。潮目はワンドの奥側から島の先端に向けて流れる。杉崎さんがその潮に乗せる形で仕掛けを流していると、電気ウキがスパッ!と消えた。竹中さんと同じタナで釣っているので、イサキの期待が高まるが、イサキにしては引きが強い。時間をかけて慎重に磯際まで寄せると、これまた茶色の魚体が見えた。「イサキだ!デカいよ!!」とタモ入れを手伝ってあげると、ずっしりと重量感のある魚体。41cmのジャンボイサキだった!これには杉崎さんも大喜びで満面の笑みを見せてくれた。
“夜の部”開始から僅か30分足らずで良型イサキとジャンボイサキが登場、更に期待感が高まる。私も同じタナ、同じ潮目を狙ってみたが、なぜかここから全くアタリが無い状態となってしまった。時刻が21時を迎えた頃、皆でコーヒーブレイクを取る事に。

“夜の部”後半戦は、想定外の大物が登場!

コーヒーブレイクの際、「タナを3尋に変更したら、サバが掛かったけどバラしてしまった」との情報を竹中さんから入手。そのため、“夜の部”後半戦はタナを3尋に変更して、まずは磯際から探ることにした。付け餌はローテーションを繰り返していたが、この日は芝エビのむき身に対しては、餌盗りでさえ反応が悪かった。そこで、上バリに加工オキアミ、下バリに丸エビを付けた。
仕掛けを投入後、コマセをダイレクトにウキに4、5杯被せてじっくりと待つ。すると、これまで全く反応のなかったウキがジワーッと海中に入って行った。焦らずにウキが30cm位潜るまで待ったところで、軽く合わせを入れると、竿が一気に絞り込まれた。ジージージーッ!とドラグが止まらない。竿とドラグの性能を信じて耐えていたが、あまりに糸を出されるので「これは取れない魚かも」と半分諦めていたが、ようやく魚の動きが止まった。ここぞとばかりに竿の胴に乗せて引き上げる。しかし、かなりの重量でなかなか魚が浮いてこない。途中に何度が突っ込まれたが、3分程度のやり取りのあとに、ようやく電気ウキの明かりが見えてきた。とても1人ではタモ入れが出来そうにないので、高橋名人に加勢してもらい、海面付近まで魚を上げる。「凄い!モロコ(クエ)だよ!」と名人が叫ぶと同時に、茶褐色に白の縞模様の魚体を確認出来た。何とかタモ入れに成功したのは68cm・4.2kg!モロコとしては小型だが、人生初のモロコをフカセ仕掛けでゲット出来たのでとても満足のいく1匹となった。
その後はまたしてもアタリが遠のいたため、4尋、5尋と徐々にタナを深く変更。中層から下を意識して釣っていると、ウキにモゾモゾとしたアタリ。イサキの場合は、ここから2段モーションでウキの速度が上がるのだが、ウキに変化が見られない。半信半疑で合わせを入れると、イサキのような素直な引きが伝わって来たので少し期待を持ったのだが、上がってきたのは真っ赤な魚体のチカメキントキだった。
満潮の時刻を迎えたので暫く仮眠をとっていると、「おーい、イサキが釣れたぞー!」と杉崎さんが声を掛けてくれた。どうやら下り潮に変わったようで、緩やかにワンドの奥に向かって潮が流れていた。
潮変わりのチャンスタイムで、杉崎さんが30cmクラスのイサキを3匹追加していたので、急いで釣りを再開。程なくしてウキが海面下30cm位沈んだので、30秒くらい待ってみたがそこから一向に沈む気配がない。イサキが居食いしている事を期待して合わせを入れると、中々の引きで楽しませてくれる。茶色い魚体が見えたのでイサキだと思っていたのでが、タモの中を確認すると尺(30cm)超えの大型メバルだった。
その後すぐに上り潮に変わり、チャンスタイムはアッという間に終了。釣れる気配も無くなったので、午前3時30分に片付けを始めて5時の迎えを待った。
この日の当たり餌は丸エビで、私が釣り上げた3匹とも丸エビに喰って来た。丸エビは夜釣りでは非常に実績が高いので、是非試して頂きたい。

次回こそはジャンボイサキを期待して!!

別の磯に渡礁した3人組の常連さんは、30~35cmのイサキ2匹とシマアジ1匹の釣果。なお、モロコの登場には船長も驚いていたが、目的のジャンボイサキを手にする事が出来なかったので、少々残念な気持ちが残る釣行となった。しかし、トップシーズンの梅雨時期まではまだまだチャンスがある。次回の釣行では2桁釣果とジャンボイサキを目標にリベンジしたい。

施設等情報

渡船:すさき丸
〒415-0014静岡県下田市須崎503
TEL:0558-22-9074

施設等関連情報

出船/磯上り時間 (夜釣り):14時30分 / 5時00分
出船/磯上り時間 (昼釣り):季節による_要確認
料金:5,000円(横根/沖横根は6,500円)
車:新東名高速道路・長泉沼津ICから約1時間30分
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

磯部 哲
伊豆半島・真鶴半島をメインに活動する磯釣りクラブ「湘南爆釣族 まるやま倶楽部」の斬り込み隊長 兼 小物釣り師 兼 週末アングラー。磯釣り歴は約15年で絶賛修行中。釣った魚を料理するのも大好き。クラブメンバーで釣行を共にする杉崎さん、竹中さん、高橋名人、磯部の「釣れないカルテット」が繰り出す珍釣行に、乞うご期待!!
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