2023年07月01日公開
今回は、私が所属する『湘南爆釣族 まるやま倶楽部』第12回磯釣り大会の模様をレポート。大会の舞台に選んだのは静岡県・西伊豆:雲見、お世話になったのはいつもの『恵比須丸』だ。梅雨シーズンに入り、イサキの釣果情報が上昇。そこで、今回はイサキ、メジナ、タイ類を中心に「お持ち帰りする最大魚の重量」で勝負を決する事とした。前回の夜釣りでは、残念ながらイサキに出会う事が出来なかった私の目標は、ジャンボイサキと2桁釣果、余力があれば最大魚を狙おうと出掛けた。
予想外のウネリで近場の磯が勝負の舞台に!
当初の予定では、10人が9ヵ所の磯で勝負する予定だった。ところが、港から出てみると予想外にウネリが高く、沖磯への渡礁は危険という判断。そこで、船長と相談して、港回りの近場の磯で大会を行なうことになった。私が乗る予定の「前の島」は、港からわずか1、2分の大きな磯だ。3、4人が楽に釣りが出来るので、私を含めた7人がここに乗ることにした。
残りの3人は無名磯だが、ウネリの影響が受けにくい安全な場所に渡礁する事になった。安全第一優先の、皆でワイワイガヤガヤ楽しむ大会がいよいよスタートした。
開始間もなく30cm超えのイサキ登場!
大会幹事である私は、皆に好きな釣り座に入って貰い、暫く様子を眺めていた。すると、開始間もなくベテランの加賀美さんが竿を曲げた。深いタナから姿を現したのは、この日の私の“本命”であるイサキ。それも30cm超えの良型だ!
これは期待出来ると早速私も支度を始める。当初は細仕掛けで挑む予定だったが、長さ6mのタモが届かない釣り座なので、抜き上げを基本とした太仕掛けを組んだ。
磯竿1.5号、リール3000番、道糸PE 0.8号、ナイロンリーダー2.5号を4尋(1尋は約1.5m)、フロロカーボンハリス2号を2尋、グレバリ6号。水深が深いのでパイロットウキは自作の「ウキくん000 TYPE-D」を選択、ウキ止めなしの全誘導仕掛けとし、完全フカセでスタートした。
コマセはオキアミ6kg、パン粉2kg、ヌカ3kg。この時期は小サバに邪魔をされる事が多いので、大きめの芝エビのむき身や練り餌を準備する事もある。しかし、この日は幸い小サバがいなかったので、付け餌は生のオキアミを選択した。
この日の潮回りは大潮。午前4時に満潮、11時に干潮を迎える。昼前からやや風が出てくる予想なので、午前中の早い時間に数を釣りたいところだ。
チャンスタイムにイサキ20匹!!
ウネリの影響で足元にはサラシ、その先では潜り潮が発生しているように見えたので、まずはサラシの少し先からスタートした。潮は緩やかな上り潮で、潮上の釣り座に構えた嘉山さんは早々にイサキを掛けていた。仕掛けを深く入れてじっくりと待っていると、スーッと道糸が走った。小気味よい引きで楽しませてくれたのは30cm弱のイサキで、幸先の良いスタートになった。タナは竿2本程度だったので、勝負を早くするためにウキとオモリを1号に変更、浮力調整用にジンタン3号をサルカンの上に追加した。
サラシの先や、やや沖の上り潮で数匹追加したところで徐々に喰いが渋くなり、ハリ外れが多発するようになった。「餌をしっかり飲み込ませた方が良いのかな?」と考え、ハリを6号から5号に変更。すると直後の1投目にウキがギューンと入る鋭いアタリ。少し待って合わせを入れるがすっぽ抜け。喉の奥で掛けようという考えが裏目に出たようだ。「飲み込まないのなら口元で掛けよう」と、今度はハリを5号から7号に変更。この作戦が功を奏し、それまで4割位の確率ですっぽ抜けやハリ外れが発生していたのに、ガッチリと口元に掛かるようになり、バラシが激減した。そのお陰もあって、9時には目標の2桁釣果を達成する事が出来た。
潮がやや当て潮に変わった9時30分、ついにチャンスタイムが到来。足元にコマセを多めに撒くと1投1匹のペースでアタリが出始めた。ウキがズボッと引き込まれると同時に合わせを入れると、ジリジリッとドラグが出て、竿の胴に重さが乗ってくる。何とも言えない最高の瞬間だ!
「カツオの一本釣り状態だね!」と隣の加賀美さん。彼も順調に数を伸ばしていった。約1時間のチャンスタイムが終了したところで、イサキの数は20匹に達したため、休憩がてら少し早い昼食タイムとした。
後半戦は“穴場”で型の良いイサキをゲット!
昼食後、予報通り風が出始めた事とイサキ以外の大物を期待して、風裏となる港向きの先端の釣り座に移動した。
ここは常に大きなサラシが発生し、コマセも仕掛けもアッという間に流されてしまうため、通常は敬遠されるポイントだ。しかし、こういったマニアックな“穴場”はついつい攻めてみたくなる。ウキを浮かせて釣ると流されてしまうので、先程までの仕掛けを2尋半のタナに変更、更にハリスに5Bのオモリを2つ均等に追加し、強制的にウキを沈ませる仕様に変更した。
コマセはなるべく流されないようにタイミングを見て投入。磯際から仕掛けが離れないように3尋くらいのタナで待っていると、竿を引っ手繰られるような大きなアタリ。これまでにない強い引きと重量感から良型のメジナかと期待したが、上がってきたのはこの日最大となる35cmのイサキだった。まさかこんな場所でイサキが出るとは思わなかったが、続けて投入すると同じパターンで同サイズのイサキが釣れてくる。普段はあまりやらない釣り方だが、これはこれで面白い!時折アカハタやハマフエフキが遊んでくれるがメジナは姿を現さず、この場所では35cmまでのイサキを5匹追加した。
12時30分を回った頃、沖向きで釣っていた石塚さんにこの日最大のアタリがあった。隣で釣っていた会長がタモ入れを手伝って上がってきたのは、40cmの見事なメジナだった。再びのチャンスタイム到来かと、干潮時にしか出来ない沖向きの先端の釣り座に変更して、竿2本半のタナで一か八かマダイに狙いを絞った。投入1投目からウキを消し込む鋭いアタリがあったが、上がって来たのは30cm級のイサキ。磯際から沖の流れの中まで色々と試してみたものの、釣れてくるのはイサキばかり。この場所でも5匹追加したところで、これ以上の“お土産”は不要と、迎えの14時30分を前に13時30分に納竿した。
今回の釣行ではハリのサイズ選択の重要性と、人が狙わない“穴場”ポイントは思わぬ釣果を得られることを再認識することになった。
多彩な魚たちに恵まれた大会。その結果は!?
無名磯に乗ったメンバー3人もイサキ、メジナ、シマアジ、フエフキダイなど多種多様な魚を釣り上げて来た。イサキは10人全員安打を達成するなど、限られた条件だったが、楽しい時間を過ごすことが出来た。
計量の結果、第1位は1075g(41cm)のメジナを釣り上げた竹中さん。第2位は950g(40cm)のメジナを釣り上げた石塚さん。第3位は920g(40cm)のフエフキダイを釣り上げた杉崎さんだった。残念ながら私は目標のジャンボイサキに出会う事は叶わなかった。しかし、やはり気の合う仲間と、ワイワイガヤガヤと過ごす大会は最高に楽しい。ジャンボイサキに出会える季節はまだまだ続くので、次回こそは大物に出会えることを夢見てまた磯に出掛けたい。