2023年08月01日公開
いよいよ関東も梅雨明けが宣言された。熱きアユ釣りシーズンが本番を迎える。長雨で増水に苦しめられた河川も、これからは夏の太陽で状況が好転、アユの活性も増す事だろう。栃木県・那珂川も、煌めく清流のせせらぎが夏を感じさせてくれる。今回は町裏地区で4年ぶりに『REITO CUP』が開催される。今回も先輩達の胸を借り、張り切って参戦だ!
濁り、青ノロ。厳しい条件下でのスタート
那珂川町裏は、メーカーの大きな大会が開催される名高いアユ釣り場だ。地区予選大会を勝ち抜いた選手達の大会が次週に開催されることもあり、多くの名手達が下見を兼ねてこの大会に参加していた。
早朝5時。会場に着くと既に多くの車が停まっていた。今日は総勢180名が参加、すごい参加数だ!川はというと、先日の大雨で増水していたが平水に戻っているようだ。しかし、濁りは残っており、垢腐れが進んで大量の青ノロが発生して川の中は緑色。皆、口々に「今日は厳しい戦いになるだろう」と…。
私自身、ここには何度も足は運んでいるものの竿を出すのは初めて。ポイントが分からん…。クジ引きで入川順と上流、下流のエリアが決定する。私は上流エリアだ。ポイントが分からなければ、歩きながら決めるしかない!厳しい釣りが予想される時は、まずアユが見えること、そして自分の得意とするポイントを選ぶこと。この2つを頭に入れて、ポイントを探して歩き始めた。
私の選んだポイントは本流と分流の間にある極浅チャラ瀬。選手達の通り道になる場所である。さすがにこれ程の浅場は不人気で、私以外に選手が訪れることはなかった。「ラッキー!」。広々ポイントを確保する事が出来た。アユが跳ね、ギラギラとよく見える!あとは集中して丁寧に、私の出来る限りの泳がせでアユを掛けるのみだ。試合開始と同時に足元からオトリを放つ。中々沖に行かないが焦らずオバセをとり、オトリが自ら泳ぎ出すのを待つ。
「オトリ君、君を決して引っ張らないぞ!」と心に誓った。(笑)
オトリは流れに乗ってグングン上流へ。アユのギラギラポイントに向かう。お!蹴られた。すると石裏に入った途端に“来ました〜待ってました〜のギラリーン!”。2匹のアユが煌めいた。慎重に引き抜く。幸いにもタモに収まったアユは思ったよりも良いサイズで、充分オトリになる。そして、この掛かりアユが実に優秀だった。手元から放つと物凄い勢いで石を縫い泳いでいった。石脇を通った瞬間、またまた来ました。ギラリーン!ここは毎日人が通るので青ノロも少なく、石色も良かったのだ。
追いが弱いのでハリスを長くしたいところだが、短いハリスを使用して、ポイントを根掛かりでつぶしてしまわないことを最優先にした。途中沈黙の時間はあったものの、根掛かりする事もなく、8匹の釣果で終えることが出来た。結果はどうであれ、私の出来る限りの事はやった。なんとも清々しい気持ちになった。
やったー決勝進出!憧れの決勝時間を思う存分楽しむぞ〜
上流エリア決勝ボーダは7匹!おお〜通った〜!イエーイ!思わずバンザイである。(笑)今まで何度となく見学してきた決勝。この時間に再び竿を出す事が出来る!
「うれし〜、うれし〜ぞ〜!」。
大会ではよく「予選で入った場所に入ると釣れない」と言われる。それは“自分の釣れるアユを釣り切ってしまうから”だそうだ。まだ私には釣り切るなんて力はない!という事で、決勝も予選で入った場所で竿を出す事にした。決勝でもこのポイントは不人気のようだ。またまた広々ポイントを確保。午前中と同様にアユも見える。まずは予選で竿を出さなかった小場所を中心に狙う。
開始5分。ギラリーン!しかし、痛恨のバレ。気を取り直して「頑張ってね!」と声を掛けてオトリを放つ。するとすぐにギラリーン。しかし、またしてもバレ…。しばし固まり考える私。少ない引き出しから答えを見つけ出そうと必死である。予選では同じハリでバレがなかったのに…。追い方が変わったのか? 水位が落ちて何かが変わったのか? 頭の中グルグルじゃ〜。3本イカリでダメならチラシやってみようか。チラシに換えてオトリを送り出す。何度か蹴られた後にギラリーン。慎重にキャッチー。「おお〜バレなかった!」。これが正解か分からないがバレなかったのでヨシとした。
決勝の2時間はとにかく一生懸命、夢中な時間だった。そして何よりもとても楽しい時間となった。6匹のアユを携えて検量へ!
また一歩!次の一歩!
暑い日差しの下、表彰式が始まった!今回はレディースの参加者も多く見られた。さすがアユ釣りの聖地・那珂川である。早速レディースの表彰から。3位から順に名前が呼ばれて表彰台へ。ここで、な、な、なんと〜!2位で私の名前が呼ばれた。こりゃ〜思わず飛びあがっちゃうよね〜。
表彰台からの景色は忘れられないものになった。この景色をまた見ることが出来るように頑張っていこう!と強く思う瞬間だった。大人になっても胸焦がし、夢中になるものがある事に幸せを感じた時間でもあった。この1歩が次の1歩へとつながるものになるように、これからも大いにアユ釣りを楽しみたい。修行じゃ修行じゃ〜。
さあ夏本番!!次はどこの川へ行こうか? 目指せ“日本一川に立つアユ釣り女子!”。(笑)