2023年12月22日公開
冬の楽しみと言えば、スルメイカやヤリイカの数釣り。今年もいよいよ景気の良い数字が釣果情報を賑わせていると聞き、千葉県・勝山港『新盛丸』」を訪ねた。
アクセス良好、勝山漁港!
勝山漁港は富津館山道路・鋸南富山ICから車で5分。JR内房線・安房勝山駅からも徒歩13分程で、出船が早いため前泊とはなるが、このアクセスの良さは特筆。船着場の目の前に車を停められるので、荷物の多いイカ釣りでは特にありがたい。レンタルは竿と電動リール、救命胴衣は勿論、ロッドホルダーや投入器も充分あるので、電車釣行派やイカ釣りを始めたいビギナーにも安心だ。
漁港に到着したら座席板から好みの釣り座のキャップを取って受け付け開始を待つ。軽ワゴン車と組み立てテーブルの受け付けカウンターで乗船名簿の記入と乗船料の支払い。クレジットカードやキャッシュレス決済が利用できるのも特筆。船長から声掛けがあってから道具を釣り座へ運び込む。この際、氷の受け取りを忘れずに。取材日は平日だったが満席の人気振り。首尾良く出船準備は整い、定刻の午前6時に「第一新盛丸」は出船した。
スタートはスルメから、ノリ活発!
港を出て走ること45分程。洲崎沖・川奈前、水深160mの釣り場へ到着。魚群探知機に底から20〜30mほどの高い反応が認められ期待充分。船長の合図で一斉に仕掛けを投入、最初に竿を曲げたのは右舷胴の間(中央)の稲村さん。3点掛けの幸先の良いスタートとなったが、ご本人としてはまだまだと言ったご様子。
同じ流しで右舷ミヨシ(船首)の小島さんは、巻き落としを駆使して落とし込みのアタリを獲り、見事5点掛け。この後も船中各所の釣り座でスルメイカが取り込まれ、イカの乗り過ぎか巻き上げ中に仕掛けが切れる一幕も。手の合う釣り人から魚桶は見る見る充たされて行った。
ヤリイカが乗り始め、仕掛けを交換
やがてスルメイカのアタリが遠退き、18cmツノの仕掛けにヤリイカが掛かって来るようになった。ここで船長から11cmツノの仕掛けへと交換を促され、海底中心の釣りにシフトした。「ヤリイカは朝寝坊だから」と朝イチの多点掛けをした小島さんが言う通り、次第にノリも型も向上して行った。陽が高くなると防寒着では汗ばむ陽気と釣果で船上はにわかにヒートアップした。
中でも気を吐いたのは右舷胴の間の植田さん。先週まで入院していらしたとのことで、竿先を聴き上げるような静かな誘いと確実なステイで地道に釣果を重ね、サバ避けにも成功していた。
船長に訊く、イカ釣りビギナーへのアドバイス
イカ釣り初心者へのアドバイスを艫居正悟船長に訊いたところ、まずは貸し竿や船宿仕掛けを使って欲しいとのこと。イカ釣りが分からない状態で道具を揃えたり、手持ちの道具の間に合わせで乗船しても、自分が釣れないだけならまだしも周囲とのオマツリやトラブルの原因となっては由々しき問題だ。これは仕掛けひとつをとっても言えることなので、船宿推奨のものをそのまま使うことが、上達にもお財布にも最善であることを覚えて置きたい。
また、船長や上乗りさんが言うことはそのまま実践することが肝要だ。乗船者の多かった取材日、オマツリ解きや釣り人のアシストをしていた上乗りの加藤さんは、釣り人としても竿頭常連の大ベテラン。釣果の奮わない時やトラブルが多い時は、臆せず改善策を尋ねて、それを釣りに反映することが解決の近道。
『新盛丸』は初心者へのサポート態勢に力を注いでいる上に、常連さんたちも非常にフレンドリーなので、これからイカ釣りを身につけたい釣り人にも安心してお薦めできる。後は素直に学んで実践する釣り人に釣果は味方する筈だ。
数も型も、本格シーズンはまだまだこれから!
洲崎沖の水深160mから220mを攻略したこの日。竿頭は静かで着実な釣りを貫いた植田さんの33杯。みなさん20杯前後はキープしていてお土産としては充分な釣果。
ところがこの後、竿頭は50杯を超える本格的な釣果も打ち出し、今シーズンも益々楽しみな勝山発のスルメ&ヤリイカ。船長も「今年は割とイイ!!」と太鼓判なので、腕に覚えのあるベテラン勢は勿論、一皮剥けたいビギナーのみなさんも是非、この好機にチャレンジ頂きたい。
今回利用した釣り船
出船データ
料金:1万1,000円(氷付き)
※船宿HPに各種割引き、サービスクーポン有り
集合:午前5時30分/出船:午前6時
この記事を書いたライター
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込む釣り好き。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他