2024年06月05日公開
今回は、千葉県片貝へ。最盛期を迎えたイサキ釣りをメインに後半はハナダイ&マダイを狙うという楽しい〝欲張り〟釣行をレポートする。片貝と言えば〝ウイリー仕掛け〟。コマセを撒くタイミングとウイリーをコントロールしてヒットさせる〝攻めのコマセ釣り〟を堪能してきた。
千葉県片貝港までのアクセス
千葉県片貝港は、東金九十九里道路「片貝IC」から5分ほど。千葉東金道路「東金IC」からは20~30分ほどとなる。アクアラインや、首都高速湾岸線経由での京葉道路利用など様々なルートがあり、東京、神奈川、埼玉方面からのアクセスも非常に良い。ただし、最近は高速道路の工事等の影響により夜間通行止めが多くなっているので事前に調べておくと良いだろう。
また、そろそろ熱中症の対策も必要になってくるので、この日は近くのコンビニで飲み物を多めに購入。片貝港に到着した後は『勇幸丸』の前に車を停めて待機し、女将さんが着くと受け付け開始となった。乗船名簿に記入して氷を受け取る。
使用タックルや〝ウイリー仕掛け〟について
竿は2.4m前後の7:3~6:4調子。後述するウイリー仕掛けの探りに適したもので、アミコマセを細かくシャープに出すことができる。ただし、仕掛けをコントロールするための長さと調子は重要。マダイ竿の5:5では細かいが操作しにくいので、流用時には注意が必要だ。リールは小型電動リールか、もしくは狙う水深が浅いので両軸の手巻きリールでもOK。60号の黄色いビシが基本でライトタックルの使用も可能とのことだが、道糸とビシの重さなどは船宿に確認していただきたい。
仕掛けは3m前後の〝ウイリー仕掛け〟で針は3~4本。一番先の針がカラ針仕様になっていて付けエサが付けられるタイプが良いだろう。船宿のオリジナル仕掛けのハリスはフロロカーボン1.7号。クッションゴムは1.5mmを30~50cm。付け餌にはイカタンとオキアミが配られる。
いきなり登場!40cmの良型イサキ
『勇幸丸』の灯りが点いたタイミングで、船長の市東吉雄さんにご挨拶。分かりやすく丁寧に釣り方を教えてくれる。グループ5名で参加したお客さんのうち2名は他の釣りがメインで、イサキは今回が初挑戦とのことだ。賑やかで楽しい雰囲気を作り出してくれている。その他のお客さんも気さくな方々で本日は心置きなく釣りを満喫できそうだ。
午前4時に全員が揃い出船。ちょうど太陽が昇る瞬間、沖に船を進める際の幻想的な風景は今どきで言えば〝映える〟シーンといったところ。夕方から雨予報だったので心配していたが、海面は凪いでいる。その後約1時間でポイントとなる太東沖に到着。「着きましたので準備してください」と船長よりアナウンスがあり、各自釣り座へと移動した。
上から20mまで沈めて17mまでのタナを探る。マダイのコマセ釣りのように「仕掛け分」のタナは考慮しない。上方向に探る釣りとなる。ビシの位置が20mからなので注意されたし。「できるだけ指示ダナの上の方で掛けて下さいね。その方が型が良いです」と船長。上で喰ってくれば活性が上がるそうだ。しばらくすると右舷でヒット。しかも、いきなり良い引きを見せている。海面を眺めていると、40cm近い良型のイサキが上がってきた。さらに左舷、右舷でもイサキがヒットし、今度はトモでメジナが登場。幸先の良いスタートだ!
釣れる数もさることながら、アベレージサイズがすごい!
前述した初挑戦のお二人も奮闘中。ヒットはするもののバラシが多発しているようで困惑の表情を浮かべていた。そこに「〝速い〟誘いよりも、誘ってから喰わせの間をしっかりとることが重要」という船長のアドバイス。これを受け、無事にヒットまで持ち込んだかと思えば、慣れてくるとイサキを連続ヒットさせていた。実際にウイリー仕掛けを初めて経験される釣り人は、速く操作してしまいがち。そうなるとコマセが効いたゾーンからウイリー針が外れてしまい、コマセの効果が下がってしまうそうだ。潮の速さと操作の間合いがこの釣りのカンドコロ。タナが決まれば連発モードに入る。
それにしても、驚くべきは30cm前後というイサキのアベレージサイズ。引き味も満点だ。ミヨシにいたお客さんに話を聞いてみると「先週も来たけど、型が良くてビックリしたんです」とのことだった。
ここで私も参戦することに。コマセカゴの下側は全閉で、上を半分程度開ける形で調整。細かくシャクると、竿先が戻った時に上からコマセが出る。そこにウイリーを通すというセッティング。20mのタナから〝50cm刻み〟でシャクり、19mで待つ。アタリがなければさらに同じ操作を行い18mで待つ。喰わせの間をとり、次のアクションをした途端、アタリがあった。「おおおっ…ビッグファイト!」。一投目から最高だ!
中乗りさんが準備してくれたタモに入ったのは、良型イサキとウマヅラ。ダブルヒットである。この後、連続で25~35cmのイサキをヒットさせることができた。
ハナダイ・マダイも面白い
市東船長は状況を見ながらポイントを移動。コマセが効いてくると、ふたたび良型イサキがヒットする展開。ダブルもあり最高のイサキ日和だ。
と、ここで実験をしてみることにした。針のサイズを変えずにハリスを太めの3.5号に。すると、明らかにフッキングが甘くなったのだ。アワセた時にハリスが伸び切らないのと、ハリスの撓みが出てしまうため、アタリ自体の感度も悪い。ここが船宿オリジナル仕掛けの〝ハリス1.7号〟という数字に表れているのだと実感。1.5号だと切れる可能性があるし、耐久性にも不安が残る。絶妙なバランス設定がなされているのだ。あくまでも個人的なタックルでは太くても2号くらいまで(後述するがラスト1時間は2.5号も使用)。実験もそこそこに、仕掛けを戻し良型イサキに癒してもらった。
残り1時間となり「では、ハナダイに向かいますね」と船長。片貝沖まで移動しハナダイを狙うことに!なんて欲張りなコースなんだ。タナは27m。すると、メインターゲットのハナダイはもちろんのこと、マダイ、メバル、良型サバなど、様々な魚の顔を拝ませてもらった。そして午前11時に沖上がりとなった。
最終的な船中の釣果は、イサキのトップが50匹。30匹台の方もたくさんいた。サイズが良くボリュームもあるので「クーラーが超重い」と嬉しい悲鳴が方々から聞こえてくる。またラスト1時間のハナダイのポイントでは、良型のマダイらしきヒットがありハリス切れのお客さんが2名いた。イサキだけでなく+αの魚も今期絶好調。片貝港発「イサキ&ハナダイ五目」ぜひ体験していただきたい!
今回利用した釣り船
出船データ
乗船料金:1万2,000円(餌・コマセ・氷付き)
集合時間:午前4:00までに船着場へ
(竿入れ時間により変動アリ、予約時に確認を)