釣りビジョン

2015.4.1号

つり幸・神奈川県川崎
東京湾のLTアジ、春の潮と共に釣果上昇!

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サクラの開花が話題になる頃、東京湾は“春の潮”に入れ替わる。濁りが入って海水温も変動が激しくなる。魚も海水温が定まるまで口を使ったり使わなかったり、気難しい時期である。そんな中で比較的安定しているLT(ライトタックル)アジを狙って18日、神奈川県川崎臨港の『つり幸』に出掛けた。

都心に近く、アクセス抜群

黄色の車体は『つり幸』の送迎バス
『つり幸』は、首都高速・横羽線の東京方面からは大師IC、横浜方面からでは浅田ICで降りて10分程の産業道路沿いにある。電車の利用なら、JR川崎駅前まで車が迎えに来てくれる。市営バスでも桜橋バス停から徒歩5分とアクセスは抜群だ。数日来吹いていた風が穏やかになった18日、午前6時過ぎに『つり幸』待合所に着いた。船着き場には黄色の船体の午前アジ船「第三さくら丸」が舫われていた。午前船の出船は6時50分。この日の乗船者は女性2人を含む10人。

『つり幸』の駐車場
アジ船「第三さくら丸」はさくら色
『つり幸』の待合所

釣り場は猿島の見える横須賀沖

定刻、杉本剛志船長の操船で出船。掘割のような池上運河、京浜運河を経て川崎港へ。京浜コンビナートに輸送船や色鮮やかなタンカーが係留されている。40分程で猿島が間近かに見える横須賀沖でエンジンがスローになり、船長が魚群探知機と睨めっこで魚影を探す。そして、船首が風上に向けられると「やって下さい。水深は30m、タナは底から2~3mを探って下さい。暫くはコマセを撒いてよ」と船長。イワシミンチの入った40号のビシカゴが一斉に海中に没していく。

出船前の準備におおわらわ
運河を通って川崎港へ
両岸は京浜工業地帯

コマセと40号ビシカゴ
ビシ仕掛け、40号アンドンビシ

まずは“ゲスト”のイシモチが竿先を賑わす

さあ、戦闘開始「釣れてくれ」
コマセが効きだして最初に竿を引き込んだのは良型のイシモチ。「良い引きだと思ったらイシモチだ」、「こちらもイシモチだ」とあちらこちらで声が上がった。
右舷ミヨシ(船首)の加藤陽一さん(川崎市)は「クロダイを釣りたくて、コマセの中から餌になるキモを見つけて底を狙っているんだけど、イシモチが食っちゃうね」と型の良いイシモチを釣り上げた。胴の間(中央)では、蝦名高雄さん(稲城市)が「明日は仕事、上棟式があるので今日来ました。折角来たんだから午後釣りもやりますよ。お土産程度は釣りたいから」と言っていたが、バケツにはアジとイシモチが数匹が泳いでいた。船中を見て回るとイシモチに交じって“本命”のアジはポツリポツリの食い。

アジよ、食ってくれと真剣な眼差し
初獲物は良い引きでしたがイシモチでした
私もイシモチよ!と成田美津子さん

自転車で来たと言う女性陣が奮闘!

左舷ミヨシで女性らしい赤い竿を出していたのは、自転車で「週に2回は来る」と言う小金沢梢さん(川崎市)、イシモチとアジを交互に釣り上げていた。その隣は76才の成田美津子さん(川崎市)。2年前に近所の小金沢さんに入門、釣りを始めたと言う。バンジージャンプやスカイダイビングもやりたいとか。「もうすぐ喜寿です」と言いながら船長からタナ取りを教わってイシモチだ、アジだと釣り上げている。左舷トモ(船尾)では、早坂道雄さん(横浜市)が、調子の良さそうな竿を操っている。手持ちの竿をLTアジ用に改良したんだとか。「アジらしいアタリはあるんだけど、食い込まないね」とボヤいていた。隣の佐々木義崇さん(大田区)も「アタっているけど放しゃうね。餌の先をかじっているだけ、待っているとイシモチが先に食っちゃうよ」と話す。

“本命”のアジが来ました
私もアジが来ましたよ
今日のレギュラーサイズだね

「お土産は釣らなくちゃ、午後船も乗るぞー」と蝦名さん
良型が来ました
おー、やったー!ダブルダブル!

アジに突然、スイッチが入った!

潮止まりが近くなった9時過ぎ、アジに突然スイッチが入った。ミヨシでトモで胴の間で20~25cm級が食い出した。「やっと“本命”が来ました」は、山浦満さん(東久留米市)。胴の間の大沼泰尚さん(川崎市)も連続で取り込む。右舷トモの鈴木勝久さん(川崎市)も「アジ釣りらしくなって来た」と手返しが早くなった。佐々木さんが、早坂さんがダブルで連続ゲット。「アー、落ちちゃった」の声も。小金沢さんはタナを的確に取ってアタリを連発、手際よく取り込んでいる。成田さんも「ワー、恥ずかしいから顔は写さないで」と言いながらも、釣れたアジをかざしてくれた。アジのダブル、アジとイシモチのダブル、それにカサゴも交じって潮止まりまでにぎわった。

まあ今日はこんなものかなー!
折角のアジ、落ちるなよ
もうじきツ抜け(10匹)よ!

アジが続いていたのにまたイシモチになっちゃった
仕掛け図

アジのトップは36匹、2番手33匹!

私が釣ったゲストです
船中を駈けずり回っていると「時間がないよ。早く竿をだしたら、釣った感触も書くんでしょう」と言いながら船長が操舵室から顔を出した。急いで竿を出した。餌のアオイソメを3cmほど付け、コマセを詰めて投入。一旦底に落としてから、タナを取り直し、船長の指示通り底から1m巻き上げコマセを振り出す。更に1m巻き上げ再びコマセを振り出し、竿掛けにセットすると直ぐにアタリ。良型のイシモチをゲット。コマセを詰め直し再び投入、タナを合わせてコマセを撒くと勢いよく竿先を引き込むが、またイシモチ。次の投入時からは、竿の振り幅を小さくしてコマセを小出しにするとクンクンのアタリ。アジの引きだ。慎重に30m巻き上げて1匹目をゲット。コマセの小出しがアタったようだ。その後もアジとイシモチとのダブル等連チャン。晩のおかずを確保した。タナ取りが大切なことを再認識。納竿時、左舷ミヨシの小金沢梢さんが36匹でトップ、2番手は早坂さんの33匹だった。半日の釣果としては上々の成績。今後、海水温の上昇と共に更にアジの活性が上がり、半日でも50匹、60匹と釣れるようになるはずだ。

アジとイシモチと一荷できました
クーラーの中は今日の成果です
今日の操船は杉本剛志船長でした

(釣りビジョンAPC・倉形 金幸)

今回利用した釣り船
神奈川県川崎『つり幸』
〒210-0864
神奈川県川崎市川崎区池上町9-12
TEL:044-266-3189(定休日:毎週木曜日)
詳細情報(釣りビジョン)
つり幸ホームページ
出船データ
出船時間:6時50分、12時30分
乗船料金:6,500円(女性・半額+500円)コマセ・氷付き
レンタルタックルあり:500円
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