釣りビジョン

2015.4.15号

第八幸松丸・静岡県沼津静浦
駿河湾・沼津静浦沖でムギイカの夜釣り爆釣!

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例年4月下旬からゴールデンウイークにかけて姿を見せる“ムギイカ”(麦秋の頃釣れるスルメイカの“子供”)が、早くも釣れ始めたとの情報。「早く来なさいよ、雨の日がよく釣れるよ」と、静岡県・沼津、静浦港『第八幸松丸』の松坂孝憲船長。釣れる雨の日に行きたいが、夜釣りとあって雨では映像が撮れない。天気予報を見て4月9日の午後9時30分集合の船を予約した。

船着き場は漁港の右手奥

9日夕方、自宅を出た。東名高速道路・沼津ICから伊豆縦貫道の長岡北ICを経て、8時過ぎには静浦漁港に着いた。静浦漁港の入口正面に堤防が見える。『第八幸松丸』の船着き場は、漁港の右手奥だ。堤防沿いに進むと既に2台ほど車が停まっていた。10時過ぎ船長が船に灯かりを灯すと、私を含め岸壁に集まっていた8人が乗り込んだ。

いよいよ出船です
浮きスッテの直結
『第八幸松丸』

釣り場は目の前、タナは65mから上層

釣り場までは近いのですぐに用意しよう
11時過ぎ、舫い綱が解かれた。釣り場は港を出て15分ほど。漆黒の海と言いたいが沼津市や三戸浜の街明かりが見え、周辺には僚船の灯かりが眩しく波間に浮かぶ。エンジンがストップするとアンカーが投入された。ポイントの水深は100m前後。舳が風上に向いて安定すると「やって下さいー!タナは65mから上を探って、活性が上がってくればどんどん浅くなりますよ」と、船長から合図。暗い波間にイカ仕掛けが投入された。

ポイントに着いたらアンカーを入れてのカカリ釣り
ウーン、直結仕掛けで大丈夫かな?
投入の合図が出たら釣り開始!

タックル、仕掛け、釣り方も色々

ライトタックルの電動直結、蛍光糸巻浮きスッテ2.5号10本の仕掛けは、常連の村上友規さん(沼津市)。情報収集方々釣り方の工夫をしていると言う。「小さいアタリ(乗り)を掛けていく楽しみがあります。通常の直結だと釣れちゃった感がありますが、この釣り方だと『釣った』という感触が味わえますよ」と話す。釣り方のコツは、イカの乗る電動の速度を見つけ、リズムよくシャクる事。そのシャクリも状況で小刻みにシャクったり、少し大きくシャクったりとバリエーション多くやってみるそうだ。左舷トモ(船尾)の市川和美さん(沼津市)も同様の仕掛けで釣り方も同じスタイル。ミヨシ(船首)の門間浩之さん(青梅市)は、ノーマルタックルでスタンダードな仕掛け。右舷でもライトタックル、ノーマルタックルと各人様々。

今晩はとばかり、暗い海から姿をみせたムギイカ
ブランコ仕掛けはプラヅノ(サカナバリ)が有効だ
電動直結仕掛けで今日の釣れパターンを探す、村上友規さん

直結仕掛け図
ブランコ仕掛け図
アベレージサイズが来ました!と市川さん

月も顔を出し、厳しい条件

船長が「雨の日がいいよ」と言っていたのは、イカの習性で月明かりを嫌う事を言っているのだが、闇夜の雨では映像の取材が出来ない。雨の日を避けたことで月が顔を出し、序盤は厳しい状況が続く。1時間程経過したが船中0~5杯の釣果。船長から「プラヅノが良い時もあるよ。11cmから14cmでもやってみて」と声がかかる。ほとんどの人は浮きスッテの直結仕掛けだが、中にはプラヅノを交ぜている人もいる。そんな中、村上さんのオケには10杯近くが泳いでいた。見ていると速巻きで小刻みなピッチでシャクリ上げて1杯ずつながらも確実に乗せている。

オー乗ったね、今日はこのスッテが当たりヅノかな
イカが怒ったのかビューと潮を吹きかけてきた
1杯ずつだけどスルメイカに近いサイズだね

小刻みなシャクリで、確実に乗せてるのは村上友規さん
序盤は「まだ2杯なんです」
さすが村上友規さんのオケは既に10杯を超えた

0時を過ぎ、一時は活気付くが…

0時を過ぎた頃、「おー、やっと乗った!」は門間さん。20cm級を取り込んだ。右舷の加藤豊さん(静岡市)、鍋島稔さん(静岡市)が連続で乗せ、船上が一気に活気づく。トモの松井宏幸さん(小田原市)が2点掛け、左舷トモの市川さんが3点掛け、村上さんが2点掛けの連続と続き、オケの中は紫がかった赤銅色のイカで埋まって行った。カメラを構えていたらピューと潮吹きの洗礼を浴びた。

1杯は何かに頭を喰われちゃったけど3点掛けですと松井宏幸さん
もう1杯下についてるかな?
オー、やっぱり下にも付いていたよ!と鍋島稔さんニコニコ

こちらも3点掛けですよと市川和美さん

タナを探すのに苦労、幅広く広範囲

「65mできましたよ」と古谷敬史さん
一時活気付いた船上もまたポツリポツリと静かになってしまった。「45mで乗りました」と、右舷胴の間(中央)の古谷敬史さん(小田原市)、鍋島さんは「65mでしたよ」の声。「昨日は、海面近くまで浮いてきたのに」の声も聞こえる。活性の良い時は海面下10mくらいまで浮いてきて、仕掛けの全長が海中に没しないこともあると言う。この日は乗るタナがまちまちで中々浮いてこない。

2点掛けだけどオケに入れている暇がないよ
「わー潮を掛けられた」
「これで20杯いったかな」と加藤豊さん

シャクリ巻上げのスピードの差が釣果の差に

トップは村上さんの55杯
多点掛けはないものの確実に釣果を伸ばしているのは村上さんと市川さん。電動巻き上げ速度17で小刻みなシャクリ、時にはシャクリ幅を変えてバリエーションを加えての誘いで乗せては取り込んでいる。他の人達は速度10~12位の少し遅巻き。それを見ながら私も竿を出した。11cmのプラヅノ6本の仕掛けで暫く誘い続けたがアタリなし。そこで相模湾等で使っているマルイカ用の浮きスッテ仕掛けに2.5号の浮きスッテを交ぜて投入。巻き上げながらシャクリを繰り返しているとクッと“アタリ”。竿先にクンクンと重量感、「やったー!」とリーリング。重さは多点掛け、心弾ませ海面を覗き込むと、なんと大きなミズフグにガックリ。その後は“ニセイカ”級(25~30㎝)を3杯連チャン。空が白みかけた午前4時過ぎ、「仕舞いましょう」の合図で沖上がりとなった。トップは村上さんの55杯、2番手は市川さんの31杯、スソは12杯だった。

多点掛けの重さと引きだった、と思ったらミズフグでした
門間浩之さんにもヒット!
ヨーシ、連続でゲットです

当分楽しめそう、「雨の日の方が釣果が良いよ」

昨日までは束(100杯)オーバーが続出だったのにと松坂孝憲船長
「ウーン、今日は厳しかったね、粘ったけどイカも浮いてこないし、型もまちまちだったね。昨日は型も揃って、トップは163杯、一昨日は196杯で、連日束(100杯)以上が3、4人は出ていたんだけどね。やはり小雨の時やどんより曇っていて波も少し騒いでいた方が乗りも良いね。今年は釣れ出したのが1ヵ月ほど早かったけど、この状況だと梅雨入り前まで楽しめそうだね」と、松坂孝憲船長が見通しを語ってくれた。

(釣りビジョンAPC・倉形 金幸)

今回利用した釣り船
静岡県沼津静浦『第八幸松丸』
〒410-0105
静岡県沼津市馬込135-1
TEL:090-2578-8218
詳細情報(釣りビジョン)
第八幸松丸ホームページ
出船データ
ムギイカ乗合(予約制)
乗船料金:9,000円(氷付き),女性8,000円
早夜船:午後5時集合(土・祝前日のみ、要確認)
深夜船:午後10時30分集合(要確認)
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