2015年05月01日公開
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風薫る五月、千葉県・南房総のイサキが“旬”を迎える。今シーズンの状況はどうなのだろうか。好天予想の4月23日、千田港『小倉丸』の乗合船で良型を狙った。
集合4時30分
千倉・千田港に午前4時30分に集合だ。横須賀市の自宅からは行程2時間を予想。館山自動車道の終点、富浦ICから約19㎞、4時過ぎに到着した。国道を挟み海側が駐車場スペース、反対側が待合所で看板が見えた。待合所で小倉船長と同乗者に挨拶、現在の状況や釣法談義で楽しい時間を過ごし、歩いて港に向かった。
先ずは“餌取り”のお出迎え
随分と夜明けが早くなり、5時には明るい。この日の乗船者は私を含め5人。海上は油を流したようなベタナギ。15分程で釣り場に到着。5時20分に釣り開始となった。
『小倉丸』のイサキ釣りは、コマセ、付け餌ともオキアミの良型狙い。マダイや“青物”が掛かる事も多く、それも魅力の一つ。指示ダナは20mなのでライトタックル(LT)でも良いかなと船中を見渡すと、電動リールとムーチング系ロッド使用が私を含め3人、ショートロッドが2人。竿の調子によって釣法が少し異なり参考になった。船中1号は左舷トモ(船尾)の寺島進さん(杉並区)。小型ながら2点掛け。しかし、潮の流れが緩く後が続かない。全員ポツリ、ポツリと釣れるが、“餌取り”が多く、仕掛けを上げる度に全部餌がない。出船前に配られたイカの短冊をオキアミに被せたり、持参のバイオベイトを付けても取られてしまう。『潮が動かない=イサキの活性が低い=“餌取り”がコマセに集まる』の悪循環になっていた。
餌を動かし、良型のアタリ!
海水温15℃台の千田港沖から、乙浜沖に移動すると18℃あった。常連の小高英夫さん(館山市)に話を聞くと、「ここは数よりも大型が出るところ。しかし今日は“餌取り”が多いね」とベテランも苦戦していた。移動している最中に周りを見ても海鳥が余り見えず、全体の潮が動いていない様子。シャクリや誘いを繰り返し、餌を動かして“外道”を回避しての拾い釣りだが、型が良いのが救いだ。8時頃までには全員30cmクラスを数匹ゲットしており、後半に期待した。
シャクリと手返しで良型連発!!
千倉沖に戻り、定置網周りや千田港沖を狙い9時30分頃からアタリが続くようになった。それも良型だ。こうなると手返しが重要になる。ウマヅラ等の“餌取り"がイサキの中に交じっており、毎回餌付けが必要で餌の消耗が激しい。型の良いオキアミを選別し、準備したがハリ数が多いから直ぐに無くなってしまう。チャンスを逃さないように準備しなくてはと反省。
釣り方は、指示タナ+ハリス分までビシを落とし、仕掛けが潮に馴染む程度待ってからシャクリながら巻き上げ、指示タナで待つ。アタリが出なければ再度ビシを落とし、シャクリ上げを繰り返す。これを2回やると餌は無い。私はマダイ竿と全長5mの仕掛けを使ったので、指示ダナの5m下まで落とし、仕掛けが馴染むのを待って1mシャクリ、数秒待ちを繰り返し、指示ダナで少し長めに待ってアタリを取った。長竿でソフトに誘う方法と、短竿でシャープに誘い、落とし込みを交ぜる2タイプのやり方があるように思えた。どちらもシャクリはコマセを出すより付け餌を動かすイメージだ。ハリスの点検も大事。“外道"に傷を付けられることが多く、試しにハリスを2号から3号にしてみたが食いは変わらなかった。
30~35cm級交じりでトップは48匹!
出足が不調で心配したが、終わってみたら竿頭の小高さんは48匹、次頭は井草三郎さん(日野市)。最大は小高さんの35cm。全員が30cm台を数匹ゲットしていた。「今日は潮が流れず厳しかった。南西風が数日吹いたので海水温が下がったが、ナギならば直ぐに戻ります」と船長。コマセを出しすぎると餌取りが多くなるのも海水温上昇期の特徴。30cmクラスの数釣りが狙える千倉・千田港沖のイサキ釣り。多彩な“外道”もこの釣りの魅力だ。
この記事を書いたライター
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