2024年09月04日公開
今シーズンのシロギスは見逃せない!と言うのも、毎年この時期に良く釣れる魚種でありビギナーにもオススメの釣り物でありながら、今年はさらにサイズが良いと聞く。そのうえ厄介者の〝アカクラゲ〟も少ないと来たら、行かない理由を探す方が難しい。横浜は本牧の老舗『長崎屋』へと駆けつけた!
アクセス良好、とくに早朝の時間帯は船宿周辺でお静かに!
『長崎屋』のチェックインは住宅街にある店舗で行う。「本牧ふ頭」「新山下」「三渓園」いずれの高速出口からも5分ほどとアクセス良好。カーナビには「横浜市中区本牧元町33-4」と入力すれば迷わない。「横浜駅」「桜木町駅」「元町・中華街駅」からバスを利用して電車釣行も充分可能。詳しくは『長崎屋』船宿HPで確認を。交通の便が良い住居地域ゆえに気を付けたいのは近隣にお住まいの方々への気配り。早朝の大声や車のドアの開け閉め音、アイドリングストップなどマナーある行動を心掛けたい。
開店は6時。乗船名簿の記入と、乗船料や駐車場代を支払う。仕掛けが必要なら同時に購入しておこう。受け付けが済んだら船着場へ向かうのだが、その際、店先に置いてある氷の受け取りを忘れずに。
乗船場所となる港までは2kmほど。店先に地図のQRコードもあるので、初めての際は事前にチェックしておくのがオススメだ。港に入ったら『長崎屋』の〝のぼり〟があるゲートの奥まで車を進めると、船宿スタッフが駐車場所を案内してくれる。ちなみに電車釣行の釣り人は店舗から港までスタッフが車で送迎してくれるとのこと。釣り座は先着順なので、操舵席の釣り物看板を確認のうえ、船縁に竿を挿すなどして席取りを。港内にトイレや自動販売機もあるので、出船までに用を済ませて置きたい。
シロギスのショート乗合は実釣時間が若干短く設定されている。これが一日船では疲れてしまう猛暑の時期には丁度良く、時間の短い分お手頃価格になっているのは嬉しい。それでいて釣果は一日船とあまり変わらないのも特筆だ。かくして出船準備は滞りなく整い「第十長崎丸」は午前7時45分に出港した。
1投目からクライマックス!
やや風の強い海上を走ること30分ほどで船は富津沖の釣り場に到着。水深8mの浅場からスタート。開始早々、竿を曲げたのは左舷トモ(船尾)の常連・臼井さん。その後は誰が2番手か分からない快調な滑り出しで、船上は1投目から最高潮。取材日は乗船の半数以上がシロギス初挑戦の日並みだったが、開始15分後には全員釣果。水深が浅いためアタリが明確で、エサを取られても仕掛けの上げ下げが億劫にならないことから初心者でも手返しが良くなり釣果に繋がりやすい。しかも釣れるサイズは20cm前後と良型揃いで、足元の魚桶はみるみるうちに充たされて行った。
好調に釣れ続く喰いが一段落した正午少し前、クサフグによるハリス切れが目立つようになり、水深11mの釣り場に小移動。すると再び釣れ始める好展開。結局、沖上がりの13時30分まで順調に釣れ続け、ビギナーもベテランも一様に笑顔での帰港となった。
船長に訊くシロギス釣りのコツ
『長崎屋』の長崎功船長に今期のシロギスについて訊いた。
──今期のシロギス、例年に比べていかがですか?
功船長「今年、浅い方が凄いイイんですよね。で、型も良いじゃないですか。ピン(10cmほどの小さな個体)がいないんですよ。だから魚影としてはかなり良いんです。こんなのないですよ、なかなか」
──ビギナーにアドバイスするとしたら?
功船長「まぁ、エサ付けが一番ですね。丁寧に真っ直ぐ付ける。エサの活きよりも、真っ直ぐ付けてやることが大事」
──胴突きタイプの船宿仕掛け、細部にこだわりを感じますが…
功船長「ハリは9号です。ウチのはでっかいの使ってます、(小さいと)掛からないんで。オモリは潮が速くても悪くても15号です。15号のフォール(沈降)の速度がイイんですよ。他の仕掛けは解らないですけど、20号は使わない。仕掛けがそういうバランスで出来てるんで。上のチチワもヨリモドシを付けた方が格好は良いんですが重くなるんで付けずに輪っかにしてます」
出船前に船長が各釣座を巡回して釣り方の説明が必要かを確認するので、ここは手練れ振らずにレクチャーを受けることをお薦めしたい。胴突き仕掛けの誘い方や、アタリを出す間の作り方など、きっちり踏襲すれば必ず釣果に繋がるので、知っているつもりでも是非受講を。
またこの日の釣り人は、仕掛けを投げて釣る人と、投げずに船下を釣る人がほぼ半々。それでも釣果の差はほとんど見受けられないので、無理なく釣り易い釣法で釣るのが楽しむコツと言えるだろう。
今期最多は三束釣り「例年にない好釣」の折り紙付き!
かくしてこの日の釣果は、船中1匹目を上げた臼井さんが23cmを頭に130匹で竿頭。概ね平均40~50匹を釣っていた。これだけ釣っていても釣果の谷間で、連日竿頭140~150匹がアベレージとなっている。「初めての人でも20は釣る。こんな釣れないですよ、なかなか」と船長も太鼓判。今期最多は三束釣り(釣果300匹超え)も達成している『長崎屋』のシロギス。
釣れたシロギスは中小サイズを定番の天ぷらに、大きなサイズは塩水で洗って刺身や昆布締めもお薦め。冷蔵庫内で酒干しにしても美味なので是非お試しを。日中はまだまだ暑いので水分補給や日焼け対策は忘れずに。ビギナーには数が釣れて楽しく、ベテランには奥の深い釣趣のシロギスで、一足お先の秋の味覚をお楽しみ頂きたい。船長曰く「これで水温が下がるとちょっとずつ深い方へ行くんじゃないかと思うんです。乗っ込みの浅場の釣りがいつまで出来るか解らないのでお早めに」とのこと。思い立ったら先ずは予約のお電話を。
この記事を書いたライター
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込む釣り好き。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他