2024年09月14日公開
9月1日に千葉県大原、太東沖のショウサイフグ釣りが解禁を迎えた。繊細なアタリを捉えてアワセが決まると〝至福の釣り味〟を体験できるとあって、人気の釣り物となっている。古くからカットウ仕掛けでのフグ釣りが盛んな、千葉県大原港『敷嶋丸』に乗船し、その模様をレポートする。
船宿までの車でのアクセスと受付について
最寄りの首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の市原鶴舞ICで降りてから、国道297号(大多喜街道)、国道465号を経由し千葉県大原港を目指す。市原鶴舞ICからは車で40分前後。
大原港に到着したら『敷嶋丸』前の駐車スペースにいったん車を停め、釣り物のボードで釣り座を確保する。時間になると船長やスタッフが到着。船の灯りが点くと案内してくれるので、それを待ち乗船しよう。
【タックル】竿はカワハギ竿を代用してもOK!
仕掛けは25~30号のオモリとカットウ針を組み合わせた「カットウ仕掛け」を使う。フグを掛けるためのカットウ針は2本タイプが基本。竿は専用のフグ竿が望ましいが「汎用性のあるタイプのカワハギ竿」を代用しても釣りは成り立つ(※あくまでも個人的な感覚ではあるが、近年の特殊なカワハギ竿ではなく古いタイプの物の方が竿の調子が合っていると感じる)。リールは中型の両軸リールか小型の電動リール。操作性の観点では手巻きがオススメだ。道糸はPE2~3号で、〝細過ぎない〟がお約束である。
餌はエビ。東京湾などでは定番となっている〝アルゼンチンエビ〟より少し小型の物が配られる(エサ代は別で船宿購入)。また、アオヤギ餌の持ち込みもOKだ。
開始直後は釣り辛かったが
当日は午前4時集合。解禁直後とあって大勢の釣り客でにぎわっていた。その後、山本幸夫船長が到着し船の灯りが点いて乗船開始。あるお客さんは「色々なサイトで天気予報チェックしているけど、予報がバラバラなんだよね」と心配そう。早朝から雨予報&強風予報という情報もあれば、雨は午後からという情報も…。それでも、山本船長に確認したところ「大丈夫だと思います」とのことでみなさんひと安心。朝方は風が強いようだが、出船はできそうだ。
乗船して釣り人のタックルを見ていると、3分の1が小型電動リールであった。仕掛けに関しては様々なタイプが並んでいた。人数も集まり、午前4時40分に大原港を出船しポイントに向かう。
航程約50分。大原沖のポイントに到着すると、水深25m付近からスタートとなった。開始直後はウネリが少し残っていて釣り辛い状況だ。「アタリが無くても、軽く小さくアワセてみてくださいね」と山本船長からアドバイスがあった。すると右舷胴の間でヒット!上がってきたのはメインターゲットのショウサイフグ。その後、後が続かず船中ポツポツといったところだったが、中にはゲストフィッシュのガンゾウビラメやサバフグも釣り上げられていた。
突然活性アップ!トラフグ浮上!
アタリが少ない時間がしばらく続いたが、午前7時近くになると空が明るくなった。濁りが若干入った水色でもこのタイミングで海底に光が届いたのか、アタリも出始めるようになった。すると見事なショウサイフグが上がるようになった。あちらこちらでアワセが決まり、みなさん楽しそう。
さらに「良い引きだ」と、左舷大ドモのベテランさんがビッグファイトを楽しんでいる。なんと、上がって来たのはトラフグ!「良かった」と、非常に嬉しそうだ。さらに隣にいた女性アングラーの竿も大きく弧を描いた。上手くやり取りして上がった、こちらの魚も良型トラフグ。「初めて釣れました!」満面の笑み。
引き続き、ショウサイフグのアタリも活発になり船上大忙し。時折、賑わせたのが「カスザメ」だ。ネットインさせてカットウ仕掛けを外すが、トゲがあるので怪我に注意。プライヤー等で慎重に外したい。その後、良型のマアジや、これまた良型のサバも飛び出し、美味しい大原沖の魚が大集合である。
後半は大型ショウサイフグのお時間
調子を上げ続ける船内。その後トラフグが数本追加され大盛り上がり。とは言え「ショウサイフグ」がお題目なので「船長、記事のタイトル付けに迷ってしまいます(笑)」と伝えると「もちろん、ショウサイフグです(笑)」と船長。すると、その直後から見事な大型ショウサイフグが上がり始める。明らかにアベレージが変わり、引き味も最高だ。そこから場所替え後もトラフグと良型ショウサイフグのヒットが続いた。型が良いのでバケツはかなりのボリューム。そして、午前11時納竿となった。
この日は大潮。早朝から風、ウネリ共に少し強い状況であったが、釣り開始から沖上がりの時間まで下げ潮一本。活性は上り調子で、連続ヒットも見られた。『敷嶋丸』の親方も乗船してくれていたので、釣り方のコツもレクチャーしてもらった。
親方「エビ餌推奨だけど、本当はアオヤギの方が餌持ちがいい。バラしても次がある。でも今は手に入りにくいし高い。エビ餌は餌持ちが悪いので、そこは注意した方がいいね」
現在、アオヤギは値段が高騰していて、さらに流通量も少なく釣り餌のコストに見合わない状況だ。エビ餌の場合は手返しを意識する必要がある。それでも親方、オリジナルの竿を使いペース良くヒットさせる姿はカッコよかった。近くになる機会があれば、ぜひレクチャーを受けることをお勧めする。
この日、トップはショウサイフグ38尾。下船後は下処理もしてくれるので、帰宅後すぐに最高のフグで舌鼓を打てる。そしてなんと、取材翌日はトップ規定数80匹と言う大釣りも記録されている。今こそ、大原沖のショウサイフグ釣りにチャレンジする時だ!