2015年07月01日公開
梅雨に入ると海も穏やかな日が続く。東京湾・木更津沖から袖ヶ浦沖の沿岸部に広がる盤洲でシロギスの束釣り(100匹以上)が続いている。それも25cm級の良型交じりとの情報に、梅雨晴れ間の24日、『東京ディズニーランド』に近い千葉県・浦安の『吉野屋』に出掛けた。
交通アクセスも抜群、都心からすぐ
山本周五郎著の小説「青べか物語」にも出てくる船宿・千本こと『吉野屋』は、首都高速・湾岸線の浦安ICを降り、国道357号線から「やなぎ通り」を葛西方面に向かって15分、旧江戸川に架かる浦安橋の袂にある。東京メトロの浦安駅からも徒歩5、6分と至極アクセスのよい所だ。出船は7時30分、釣り人の出足は遅かったが、平日にもかかわらず11人が乗船した。栗林晋船長の操船で木更津沖・盤洲を目指して走り出した。
仕掛けは、スタンダードのテンビン使用が大半
トップ、舳からオレンジ色のシーアンカーが入れられた。船が馴染むと、「オモリは15号でやって下さい。水深6mです」と船長から合図。アオイソメを半分に切ってハリに刺し、チョイ投げやら真下にと各自のスタイルでスタート。仕掛けはと見るとほとんどの人が定番のテンビン仕掛け。最近流行の胴付き仕掛けは、2本竿の人の置き竿のみ。すぐに船のあちらこちらで竿先が引き込まれた。カメラを構えると陽に映えて輝いた魚体は、ヒイラギ、一荷釣り(2匹)の人も。それでもヒイラギを避けてシロギスが姿を見せる。だが小型が多い。
大型も交じって入れ掛かり
潮の流れと釣れ具合を見て船長は船を移動した。シーアンカーが打ち直される。船中ポツリポツリのアタリ、20cm級も交じるが15cm級の小型も多い。潮が動き出した10時頃からアタリが頻繁に出だした、それも20cm級の良型揃い。右舷胴の間(中央)の筒井和男さん(川越市)が20cmオーバーの一荷で、隣の男澤暎雅さん(柏市)が24cm級の大型を取り込んだ。左舷でも大ドモ(船尾)の久保田敏之さん(墨田区)が甥っ子の友達だと言う右舷トモの大塚勇樹さん(荒川区)の面倒をみながら、「生前のお父さんが作った竿です」と調子の良さそうな竿で良型を4尾、5尾、と数を伸ばしていた。初心者の大塚さんも20cmオーバーのシロギスをぶら下げてニッコリ。船中は一時入れ喰い状態、時折強い引き込みを見せるは良型の一荷、“ゲスト”のシログチやヒイラギも交じる。
親子で連チャンの競演
左舷2番と3番に座ったのは安倍竹正さん、修さん親子(松戸市)。修さんが釣りに嵌まったのは小学生の時。お父さんに外房へハナダイ釣りに連れていかれ、ハナダイを手にした時からとか。今は普段ブラックバスをやっているとのこと。時々お父さんに付き合って船釣りにも来ると言う。お父さんはベテランらしく和竿で次々とシロギスをゲット。修さんはルアー釣りスタイルで前方へ投げてはシロギスを誘い釣り上げていた。同時ゲットにニッコリ。ミヨシ(船首)の横江徳長さん(千代田区)も黙々と良型交じりでバケツを一杯にしている。
最初から一荷で
一時の入れ喰い状態も落ち着きポツポツの状態に。ここで私も竿を出した、1.8mの軟らか目のシロギス竿に仕掛けをセット(仕掛けは図を参照)。アオイソメの頭を取り除き3cmほどハリ先から垂らしてチョイ投げ。誘いをかけるがアタリがない。糸が船下まで来たのでタナを少し切って竿掛けへ。左隣の小川直さん(文京区)にカメラを向けていると、私の竿の先端がクンクンやっている。小川さんの釣り上げたのをカメラに収め、慌てて竿を手にすると重みと強い引きは良型の一荷。調子に乗って2投目を前方に投げ、誘い上げて来ると強い引き。「ヤッタ!」とばかりリーリング、が釣れたのはヒイラギの一荷にガックリ。
2度目の入れ掛かりに全員フィーバー
昼過ぎ、水深3mの超浅場に移動。また入れ喰いタイムがやって来た。左舷胴の間の鈴木浩二さん(江東区)が良型を連チャン、隣の根岸公夫さん(東久留米市)も負けじと大・小を交えて釣り上げる。艫の久保田さんの竿先がグンと持ち込まれた。強い引きに何かとみるとカワハギ科のギマ。白黒の魚体をくねらせた。船長から「前でビッグサイズ上がったよ」。見に行くと横江さんが28cm弱の丸々と太ったシロギスを手に「私の記録かも」とニッコリ。艫では大塚さんが連チャンにニコニコ顔。3mから6mの浅い水深で入れ喰いのシロギス釣りを堪能した。
この日のトップは87尾、スソ(最低)でも38尾、平均65尾だった。初心者にも夏休みを控えた親子連れにも十分楽しめそうだ。