2015年07月01日公開
東京湾のショウサイフグが、暖気の最盛期を迎えた。神奈川県・金沢八景の老舗船宿『野毛屋釣船店』の釣果情報によると、連日トップで2桁。6月17日(水)には2~28匹、翌日の仕立船でも11~28匹の大釣りを記録。しかも今の時季しか味わえない“白子”持ちが8割とのこと。20日(土)、緊急取材に出掛けた。
フグ船は大賑わいで2隻体制
午前6時に待合所に到着。少し余裕を持って行ったつもりだったが、既に店の外には、先日来の好漁を聞き付けた釣り人で溢れていた。早速、黒川忠雄店主に挨拶すると、「今日は2隻態勢」とのこと。荷物を運ぶ軽トラックが桟橋まで何回も往復していた。私もクーラーボックスだけお願いして竿を手に桟橋へ向かった。
研究熱心な“父子鷹”の対決
桟橋には、“フグ船”が2隻並んで係留されていた。左は黒川健太郎船長が操船する「第一忠丸」。右が黒川勇治船長の「第二忠丸」。2人は探求心旺盛な船長としてマニアの間では有名。健太郎船長は独自の理論に基づくフグ竿やカットウ仕掛けをプロデュース。勇治船長は、ウィリーによるコマセシャクリ釣法やアオリイカの長竿釣法のパイオニア的存在。期せずして研究熱心な“父子鷹”の対決と相成った。
潮が速いので「誘い」は2秒に1回
私は健太郎船長が操船する「第一忠丸」に乗った。船は定刻より少し前に22人の釣り人を乗せて出港。左手に『八景島シーパラダイス』を見て進む。大型貨物船が行き交う浦賀水道航路を横切って千葉県側の大貫沖を目指す。30分程走ってポイントに到着。船長はアンカーを打って「準備の出来た人から始めて下さい。潮が速いので2秒に1回誘いを入れるように」と開始の合図を出した。そして、左舷側の初心者に、餌のつけ方、誘い方などをレクチャー。
右舷側ではトラフグも
結果は直ぐに出た。右舷胴の間(中央)の釣り人が早々とショウサイフグを釣り上げた。しかし、小型と見てリリース。その直後にキープサイズを確保した。暫くしてトモ(船尾)から2番目の原口芳宏さん(足立区)が大きなトラフグ(実は東京湾でも結構釣れる)を取り込んだ。左舷の舳先で竿を出した工藤昌幸さん(秦野市)が、この日最大サイズのショウサイフグを上げた(巻頭写真)。アタリが遠くなると、船長は移動を繰り返す。どのポイントでもポツリポツリとアタるが長続きしない。
初挑戦の2人ともゲット!
左舷胴の間に座った廣田拓己さんと荒井良太郎さん(共に川崎市多摩区)は、フグ釣り初挑戦。開始前に船長からレクチャーを受けていた。廣田さんは開始早々、1匹釣り上げてしまった。片や荒井さんは、午後2時を回ってもオデコ(釣果なし)。「最後まで諦めない」と言って、残り15分を切って貴重な1匹を披露してくれた。
“白子”はグルメ垂涎の逸品!
健太郎船長は群れを求めて懸命に走り回ってくれたが、最後までクライマックスは訪れなかった。最終結果は0~5匹。オデコが私を含めて8人も出てしまった。勇治船長の「第二忠丸」の釣果は0~11匹。“父子鷹”対決は勇治船長に軍配が上がった。健太郎船長は、“白子”シーズンに入って最低釣果と悔しがる。流石に帰港後はグッタリしていた。しかし翌日の釣果情報を見ると完全回復。してみると取材日だけが“エアポケット”だったようだ。ショウサイフグの“白子”はグルメ垂涎の逸品。ここは再挑戦するしかなさそうだ。
※『野毛屋』では、神奈川県認定「ふぐ包丁師」免許を持つ船長が全て捌いてくれるので安心。“白子”のレシピも『野毛屋釣船店』ホームページ「おすすめフグ料理」に詳しく記載されている。
今回利用した釣り船
〒236-0076 神奈川県横浜市金沢区柳町7-5
TEL:045-781-5964
交通:電車…京浜急行「金沢八景駅」下車、徒歩6分 車…横浜横須賀道路・朝比奈IC16号線右折直ぐ左折
定休日:毎週木曜日 釣果・施設情報 野毛屋釣船店ホームページ
出船データ
料金:フグ
一日船( 7:15~15:00)9,300円(餌付き、氷別220円)
午後半日船(12:30~16:30)6,200円(同上)
エビ餌追加料金10尾500円(船上購入可)