仁徳丸・茨城県波崎港
茨城県・波崎沖、アカムツを持ち竿で狙う!
集合場所は『仁徳丸』電飾看板
波崎港は利根川の河口、左岸側(千葉県銚子市の対岸)にあり、東京方面からは東関東自動車道・潮来ICからのルートが判り易い。銚子大橋の手前を下流方面に進み、『仁徳丸』の電飾看板のある集合場所に午前4時前に到着。私を含め6人が乗船して、定刻(4時30分)に出船した。
前日来の風で、利根川河口は大波。波をかき分けながら、ナギなら40分程で着く「寒猫根(カンネコネ)」まで航程1時間程かかった。5時30分から大きなウネリの残る中スタート。水深130mの海底を目指し、仕掛けが投入された。
軽めの持ち竿、餌付けがキモ!
ここでタックルの紹介。アカムツ釣りは深海釣りと思われるが、波崎地区ではオモリを120号に統一して軽量タックルで狙う。水深は110~140m程に道糸のPEラインは3~4号。2号でも対応できるが、サメが多い日は擦り切れがあるので注意。竿は2.1~2.4m程度で、持ち竿で底取りと誘いを一日中続けるので、軽量で粘りのあるタイプがよい。アカムツはハリ穴が広がりやすいので、穂先の軟らかさも考慮したほうが良い。アタリに大合わせは要らず、聞き合わせ程度で良い。個人的にはノーマルタックルのヒラメ竿で流用できそうに思えた。付け餌はホタルイカと各自用意のサバ、イカ等の短冊で抱き合わせでハリに刺す。ホタルイカの付け方が独特で、胴の部分を取りキモを剥き出しにして目の中央にハリを通す。詳しくはオフショアマガジン『仁徳丸」2012.8.15号に掲載されている。アカムツはキモの匂いに反応するらしい。
最初に集まったのは、サバと海鳥
仕掛けが着底し、竿をあおるとオモリが海底に埋まっているような抵抗があるが、糸フケを取り誘いをかけ、糸を巻いたり、出したりを繰り返す。長竿で大きく誘う方法と短竿で細かく誘う方法があるが、共通するのは動作をゆっくり行うこと。
すると全員に同時にサバが掛かり出した。カメラを構えるがサバばかり。スタートして約2時間はこの状態が続く。良型サバの連続、連発、一部は身餌に変わり、船にまな板が準備されている訳が分かった。たまにドンコ、ユメカサゴ(放流サイズ)が釣れてくる。海上には付け餌の残りを狙って海鳥が沢山集まり、絶滅危惧種のクロアシアホウドリも見られた。
青空の下、アカムツ登場!!
小移動を繰り返した午前7時40分過ぎ、右舷トモ(船尾)の常連、土田博光さん(美浦村)にアタリ。明らかにサバとは異なり、重量感のある引き込みだが、余裕の取り込みで4kg級のタラをゲット。軽量タックルで十分な事が分かった。20分後に右舷胴の間(中央)の安田俊也さん(中野区)にアタリ。海中で赤く光り、“本命”と思ったが上がってきたのは沖メバルの良型。次こそ“本命”と船長は小移動。全員が持ち竿で誘いを繰り返してゆくと、9時30分過ぎ、左舷トモの常連、佐藤博貴さん(美浦村)が“本命”を掛けた。巻き上げの途中に、引き込みを繰り返しアカムツが釣れた。いつの間にか青空が広がり綺麗な魚体が光る。「アタリが続くことがありますよ」と言う船長のアナウンスに全員集中すると、すぐに「釣れましたー」に振り向くと、右舷ミヨシ(船首)の野口政己さん(さいたま市)。アカムツが海面に浮かんでいる。アカムツ初体験で見事にゲット。続いて船中1号を釣った佐藤さんが掛けるが残り30mでの引き込みで無念のバラシ。仕掛けを再投入すると直ぐにヒット、2匹目のアカムツを釣った。僅か30分間に4発のアタリ、手返しが速いので群れが来たら連続ヒットも期待できるライトタックルで狙うアカムツ。この日は船中3匹で終了したが、これからが楽しみだ。
今年も順調、「これから本番」と船長
「7月から本格的になります。今年も順調に群れは入って来ています。産卵に次々と群れは入って来るので9月まで続きますよ」と船長。8月後半から9月が例年ではベスト。取材後の主な釣果は7月3日がトップで9匹、7日=7匹、8日=8匹、12日=7匹と日並みと潮ぐあいにさえ恵まれれば確実に釣れている。今シーズンの波崎沖のアカムツ釣り、大いに楽しみだ。
(釣りビジョンAPC・野口 壮一)
今回利用した釣り船 |
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茨城県波崎港『仁徳丸』 〒314-0408 茨城県神栖市波崎8573-5 TEL:0479-44-3651 詳細情報(釣りビジョン) 仁徳丸ホームページ |
出船データ |
アカムツ船=1万2,500円 午前4時集合、12時沖上がり ※ホタルイカ1パック&氷付 |