2024年11月27日公開
今回は繊細なタックルと軽量のテンヤを使って、マダイの引きをダイレクトに堪能できる「テンヤマダイ」を楽しんできた。お世話になった船宿は、テンヤやカブラも自作販売しているマダイ専門の千葉県大原港『新幸丸』。ここ最近の釣果と言えば秋の数釣りシーズンに入り、好調の様子!“年末釣り収め”の選択肢のひとつにもなりそうだ!
釣り座の決定は抽選なので急いで到着しなくても大丈夫
目指すは千葉県いすみ市大原の大原漁港。東京、横浜方面からはアクアラインを経由し、最寄りの圏央道・市原鶴舞ICで下車。そこから約35分ほど。
到着後、休憩所の横か道路を挟んだ向かいの駐車場に車を停める。集合は午前5時だが、1時間前くらいから船宿の前にお客さんが集まりはじめていた。
休憩所内で乗船名簿を記入し受付を済ませる。釣り座は抽選で決定するので、急がなくても大丈夫。時間になると宿が空き、オリジナルのカブラやテンヤ等も購入できる。しばらくするとトラックで荷物を船の前まで移動してくれる。
【タックル解説】活性に応じてテンヤとカブラを使い分ける
タックルは2.4m前後の一つテンヤ専用竿に、小型~中型のスピニングリールを組み合わせる。道糸はPE0.8号前後。リーダーとなる先糸はフロロカーボン3~5号を3~5m。テンヤは5~8号をメインに使用。前後の号数もあるとより攻略の幅が広がる。
個人的には、なるべく軽めのものをチョイスするよう心掛けていて、潮に影響されにくい状況であれば3号に。エサのエビの大きさで沈降速度を変化させている。潮のタイミングや時間帯ごとにこの組み合わせを変えながら楽しんでいる。
テンヤマダイでは「カブラ」と「テンヤ」の2つの形状を使い分ける。活性が高く浮いている場合や潮が速い場合は「カブラ」。底2~3mからの誘い上げ、もしくは誘い下げで誘っていく。これに対して、活性が低めでタナも低い場合は「テンヤ」。底からシャクるようにして使う。近年はタイラバスタイルの遊動式を使う人も多くなってきた。
「遊動式テンヤ」が奏功!スタート直後から連続ヒット
船宿から港まで移動したら、船長の山口新一さん、山口大地さんにご挨拶。乗船前にくじ引きが行われ釣り座が決まった。この時期、朝方は気温が低く、船が凍っている場合があるので慎重に乗船したい。
午前5時30分に出船。朝焼けの中、太東沖に向けて船を走らせると約30分でポイントに到着。パラシュートアンカーが入れられ、水深約20mからスタートとなった。
すると、さっそく数分後に右舷胴の間でマダイがヒットした。この1匹を境に次々にマダイが顔を見せたものの、喰いが浅いようで掛からない個体も多いようだった。このタイミングでは食い込みの良さを狙って「遊動式テンヤ」を使っていたベテランさんが連続ヒットさせていた。
マダイが高活性に!ゲストフィッシュも少なかった
パラシュートアンカーを入れることで、テンヤの沈む速度が潮と同調するようになり釣りやすくなるうえ、タナも調整しやすい。ポイントを流していくと、あちらこちらでヒットが確認された。
当日偶然一緒になった知り合いの釣り人も、その友人と共に連続ヒットさせていた。マダイのダイレクトな引きを味わい、「面白い!」と嬉しそうだ。さらに、右舷でタイラバを使っていた人にもヒット。「上の方でヒットしました」とのことだったので、長い距離を追ってきたのかもしれない。
今回も「初めて挑戦する釣り人」が数名いた。とくにビギナーの方は底を中心に探りすぎてしまい、根掛りが頻発してしまう傾向にあるが、活性の高いマダイは少し上にいてエビに反応する個体を狙うべし。個人的には、トラブル回避の意味合いでもあまり底を意識しすぎないよう心掛けている。釣り方は異なるが、コマセ釣りのマダイも、コマセで浮かせて活性が上がると良い釣りになる。
周りが明るくなると、さらにマダイの活性がアップした。ビックリしたのは、マダイ以外の魚は、船中でウマヅラハギが1尾、ベラが3匹のみ。ほかの釣果はすべてマダイだったのだ。時折、日並みによってはイナダやハタ類も顔を見せてくれることがある。マダイに関しては良型も浮上し、盛り上った前半戦となった。
3m前後のタナが鍵
この日の流し方は水深の深い所から浅いところに向かって流していく形で、ある程度水深が浅くなると潮回りをするという展開。船が安定して流れるようになると、またもや船中ダブルヒット、トリプルヒットが増えてきた!まさに「マダイ祭り」である。
ここで記者も参戦し、5号のテンヤからスタート。いったんテンヤを底に付けて号数が最適かを確認する。このポイントは5号で行ける、そう判断しすぐに4m程誘いあげた後、下方向に誘い下げ。するとはっきりとしたアタリがあった。このアタリの出方が面白いのだ!
思い通りのヒットの後、マダイの引きを十分堪能。さらに連続ヒットもあり、結果的には12本のエビで11枚のマダイをヒットさせることができた。ちなみに、テンヤのロストはなかった。
この状況は「カブラ」に有利な状況で、浮いた状態で安定するのでお勧め。活性が高いこともあるが、パラシュートアンカーの効果も高く、浅瀬に入ってもエンジン音がしておらずテンヤのコントロールがし易かったのも専門店ならでは。「教えて下さい」と根掛りに苦戦していた人もタナを掴んで連続ヒットで楽しそう。
最後までマダイのヒットが続き午前11時沖上がりの時間を迎えた。トップは16枚が2名で14枚、12枚と好釣果。
大原港『新幸丸』のテンヤマダイ。年末の釣り収めにもおすすめなので、ぜひ釣行の予定を立てていただきたい!