2015年08月01日公開
待ちに待ったハゼ釣りのシーズンがやって来た。東京メトロ東西線の車窓から見える江戸川放水路のハゼ釣りボートは、夏から秋にかけての風物詩。千葉県市川市にある『伊藤遊船』のHPによると連日、束釣り(100匹以上)続出との情報。3連休の翌日、7月21日(火)に出掛けた。
シーズン中は無休、予約不要
『伊藤遊船』は、東西線・妙典駅から約800m、徒歩10分程の距離にある。電話で確認すると、貸しボートは無休、予約不要とのこと。午前6時から午後3時までの間なら、いつスタートしていつ終了しても良いとのこと。当日は6時10分頃到着。出迎えてくれた吉田正己船長によると、既に数組が“出船”したとのこと。見ていると次々に釣り人がやって来る。どうやら涼しい内に“出船”する人が多いらしい。受け付けを済ませて、船外機付きボートで釣り場まで曳航してもらい、手漕ぎボートに乗り移れば釣り開始だ。
“時速”で釣り上げスピードを表す人
取材中“あの名人”が“出漁”中との情報をキャッチした。“名人”とは鈴木和明さん(市川市)。ハゼ釣りマニアの間ではレジェンド(伝説の人)と呼ばれる御仁。以前、釣れるスピードを“時速”で表す人、と聞いたことがある。“時速150”と言えば、1時間で150匹釣り上げるペース、と言う訳だ。早速、取材をお願いすることに。氏は建設中の橋の近くで岸に向かって竿を出していた。岸側は浅くて船外機付きボートでは近付けない。後ろから挨拶すると「それでは、見やすいように川の中央に向かって竿を出しましょう」と気さくに応じてくれた。
2本竿を交互に操って“時速150”超え!
見ていると鈴木さんは、2本の竿を交互に操る。右側の竿を振り込んで足元に置く。続いて左側の竿を振り込む。すると右の竿には魚が掛かっている。取り込んで餌を確認して振り込むと、今度は左側の竿に魚が付いている、といった具合だ。面白いように取り込んでいく。「両手に竿を持っているのは、食いが渋い時」と説明してくれた。聞けば先ほど300匹を超えたと言う。まだ2時間も経っていない。軽く“時速150”を超えているではないか。
極意は「魚を自分の周りに寄せて釣る」
極意を聞くと、「魚を自分の周りに寄せて釣る」とのこと。仕掛けを腕一杯に伸ばして振り込み、手前に引きずるようにして竿を足元に置く。こうすると1~1.5m以内にいた魚が近寄ってくる。「餌の匂いと競争相手の出現で活性が高まったところを釣り上げるのがコツ」と解説してくれた。1カ所で片側40~50匹、両側で80~90匹釣り上げるとアタリが遠くなるから、ボート1艘分移動させて再スタートするとのこと。2時間もすれば、元の場所に戻っても魚が集まって来ていると説明してくれた。
孫と一緒に釣りを楽しむ
山崎親治さん夫妻(足立区)は、孫2人と一緒のファミリーフィッシング。毎年、子供たちの夏休みに合わせて江戸川放水路を訪ねて来るとのこと。親治さんは「昨年は200匹釣れた。今年は子供たちも成長したことだし、更なる上乗せを」と期待していたが…。良いポイントに入れなかったのか記録更新は叶わなかった。しかし、奥様ともども満足気な笑顔で正午の納竿となった。
涼しい時間帯からのスタートがお勧め
最終結果はトップ150匹ほど。束釣りが何人か出たが、入ったポイントによりムラが出たようだ。ちなみに鈴木名人の釣果は1039匹。『伊藤遊船』では、鈴木さんだけは“番外”扱いとのこと。他の釣り人の参考にならないかららしい。伊藤千鶴子店主によると「よくある質問」のナンバーワンは「何時頃が一番良く釣れるか」と言うことらしい。私見ながら、潮の干満や天候等、自然相手のため一概には言えないが、涼しい時間帯からスタートして、天候や釣れ具合で判断するのがベストではないか。今年も江戸川放水路に子供たちの歓声が響く季節がやって来た。名人から教わった“極意”が参考になれば幸いだ。
今回利用した釣り船
〒272-0111 千葉県市川市妙典2-2-14
TEL:047-358-5774(定休日:毎週火曜日・ボートは無休)
詳細情報(釣りビジョン) 釣果・施設情報 伊藤遊船ホームページ
出船データ
【平日料金】
2人乗り3,000円、3人乗り4,000円、4人乗り5,000円、6人乗り6,000円、8人乗り8,000円
【土日・祝祭日】
2人乗り3,500円、3人乗り5,000円、4人乗り6,000円、6人乗り7,000円、8人乗り10,000円
レンタル竿:300円、(販売:のべ竿1,620円、振り出し竿2,160円)
餌:1パック540円